「東洋のガラパゴス」とも呼ばれている奄美大島。貴重な動植物が多く生息し、太古のままの姿を残しています。沖縄から行ける離島というと宮古島や石垣島をイメージする人が多いと思いますが、温暖な気候と手つかずの大自然が楽しめる奄美大島を次の旅行先として検討してみてはいかがでしょうか。この記事では奄美大島の基本情報、おすすめの観光スポット、人気のアクティビティなどを紹介するので、旅行のヒントにしてみてくださいね。
九州の南方にある鹿児島県の島ですが、地理的にはどちらかといえば沖縄に近い場所にあります。交通手段別に、主要都市からの行き方をおさえておきましょう。
沖縄から奄美大島へ飛行機で向かう場合、那覇からRAC(琉球エアコミューター)というエアラインを利用します。あまり聞いたことがない名前ですが、RACは那覇空港を拠点に沖縄及び奄美の離島路線を運航している航空会で、日本航空(JAL)グループの構成企業です。沖縄と奄美大島を結ぶRACの路線は1日1往復の就航となっていて、フライト時間はおよそ1時間です。
羽田、成田、関空、福岡、鹿児島から直行便が出ています。航空会社の選択肢は東京(羽田、成田)発が一番多く、JAL、スカイマーク、ピーチが就航しています。お得に行きたい場合のおすすめはピーチで、平日ならJALの3~4割ほどの値段で航空券が買えてしまいます。ただし、土日祝日などの利用者が多い日はJALとほぼ変わらない料金になってしまうこともあります。
沖縄や九州旅行と合わせて観光する場合は、時間はかかりますが船で行く方法もあります。
那覇からフェリーで奄美大島へ向かう場合は、早朝に乗船することになります。直前予約の場合、フェリー料金は飛行機に比べて安価になることが多いです。特に繁忙期などは飛行機の運賃が高いことが多々あるので、そういった場合にフェリーを利用するとよいでしょう。 ただし、飛行機であれば1時間で着けるところフェリーだと13時間ほどかかってしまいます。旅行に使える日数が少なく、移動にそこまでの時間が割けない場合は多少割高でも飛行機の利用がおすすめです。
鹿児島からフェリーを利用する場合は、鹿児島空港から港までの移動時間(車で約1時間半)も考慮して旅程を立てる必要があります。鹿児島新港からの出航は18:00出航となっていて、所要時間は約11時間。飛行機ではなくフェリーを利用するメリットとしては、自家用車を積載できることが挙げられます。引っ越しの場合や、旅行中にも現地でマイカーを運転したい方にはぴったりですね。ただしマイカー積載は要予約なので、旅行が決まったら早めにフェリーのチケットを取りましょう。
奄美大島には電車が走っていないため、交通手段は限られています。観光に便利な公共交通機関は「しまバス」という路線バス。北部から南部まで走っているので、島内の移動にとても便利で、空港発着便も走っています。ただし路線バスは料金が高いので、観光には路線バス乗り放題券(フリーパス)がお得。大人料金で1日券2,100円、2日券で3,150円、3日券で4,200円となっています。1日にどれだけ乗っても同じ値段なので、効率よくいろいろな観光スポットを巡ることができますよ。
島内の移動にレンタカーを利用するメリットは、自由に島中を移動できることです。移動中に素敵な風景を発見したらその場に停車して写真を撮ることもできますし、気になるレストランを見つけたらすぐに立ち寄ることもできます。ただし土地勘のない道を走ると事故を起こしやすくなるため、あらかじめインターネットや観光マップなどで入念に道を下調べしておきましょう。
レンタカーと同じく、時間や場所に縛られず気ままに移動できるレンタサイクル。慣れない土地での運転が不安な方や、免許を持っていない方には嬉しい手段です。レンタカーに比べて低コストなため、一人旅にはぴったりの移動手段といえるでしょう。奄美大島は起伏が激しいエリアもあるため、体力に自身がない方にはあまりおすすめできません。目的地までのルートの地形は事前に調べておくことをおすすめします。
より観光を楽しむためにも、奄美大島の気候の特徴やベストシーズンをおさえておきましょう。
奄美大島のベストシーズンは、一般的に梅雨明け後の6月下旬~7月ごろとされています。夏は海水浴やマリンスポーツなどのアクティビティも楽しむことができるため、一番人気の旅行シーズンといえるでしょう。沖縄同様日差しがとても強いので、日焼け止めやサングラス、帽子などの紫外線対策グッズも忘れずに。8月~9月は台風が多いので、渡航には注意が必要です。
年間を通して温暖な気候が続くため、春から秋にかけて半袖で過ごせる日が多いです。ただし初春や晩秋は朝晩に冷え込むこともあるため、長袖の羽織物を準備しておくと安心ですよ。冬は長袖のパーカーやセーターで、本土の冬と同じような服装がおすすめです。分厚いダウンジャケットは荷物になるので、ヒートテックを中に着るなど工夫しましょう。奄美大島は天気が変わりやすく、晴れているか曇っているかで体感温度も変わってきます。旅行前にあらかじめ天気を調べておいて、体温調節がしやすい服装を用意するのがポイントです。
奄美大島を北、中央、南のエリアに分けてそれぞれのおすすめスポットを紹介します。ぜひ目的や滞在期間に合わせて観光を楽しんでください。
まずは、奄美空港からアクセスしやすい北部エリア。初日や最終日に立ち寄りやすいスポットもチェックしておきましょう。
奄美大島の最北端に位置する奄美市笠利町の北東部にある、奄美で最も有名な景勝地のひとつ。奄美十景、新鹿児島百景のひとつに数えられる絶景で、その丸い地形が「まり」に似ていることからその名がついたといわれています。公園内は景色を楽しめるだけでなく、子供が遊べる遊具、ゴルフ場、海中プールなどの施設があり、老若男女を問わずいろいろな楽しみ方のできる複合公園となっています。
「ブルーエンジェル」と呼ばれている、濃いグリーンが美しい海です。奄美空港からあやまる岬へ向かう途中にあります。奄美で一番フォトジェニックな海と評判で、ずっと眺めていられるほどきれいな海が広がっています。浅瀬は砂地が広がっているため泳ぎやすく、子供連れの海水浴にもぴったり。ただ、潮の流れが早いため、油断しているとすぐに沖まで流されてしまうことも。水難事故が多発している海岸でもあるので、泳ぎが得意という方も沖には安易に近づかないよう注意しましょう。
島の中心部に近い港町「名瀬」から車で15分~20分ほどの場所にある絶景スポット。駐車場やトイレを完備し、園内の展望台から眺めるサンゴ礁の海が見どころです。白い砂浜、透き通る海、サンゴ礁、奄美ならではの亜熱帯の自然を満喫できるため、観光客だけでなく地元の人からも人気を集めています。公園内にある奄美海洋展示館ではウミガメの餌やり体験ができるので、子供連れの家族旅行にもぴったりです。
奄美市大浜海浜公園は豊かな自然あふれる奄美大島でも人気の高い海浜公園のひとつです。サンゴ礁と透き通る海、白い砂浜、奄美ならではの植物や野鳥といった亜熱帯の大自然を満喫できます。大浜海岸では東シナ海に…
ハブについて何でも知ることができるのがここ、「奄美観光ハブセンター」。生きているハブを観察したり、ハブとマングースの闘いの映像が上映されていたり、ハブの歴史まで勉強できる学びの場となっています。またハブ土産も豊富に取り扱っていて、ハブ酒、ハブ皮財布、Tシャツ、印鑑入れ、ハブエキスなど、奄美でしか買えないアイテムがたくさんありますよ。
奄美大島の山々の中でも、天然の亜熱帯広葉樹が数多く残っているのがこの金作原原生林。生きた化石ともいわれている「ヒカゲヘゴ」など、亜熱帯植物が生い茂っています。また天然記念物のルリカケスやキノボリトカゲなど、稀少な生き物も生息しています。ジャングルのような原生林の散策は、ガイド付きのツアーが特におすすめです。下記のURLからぜひチェックしてみてください。
昔の人々が山越えをするときに休憩地として使っていた場所といわれる、マテリアの滝。鬱蒼と木々が生い茂る森の中で、唯一日の光が当たる場所だったため、「太陽が輝く滝壺」を意味する島の方言が名前の由来とされています。
パークがある住用町は、全体の94%を山林が占めている自然豊かな町。森の中にはアカヒゲやルリカケスなどの国指定の天然記念物や、特別天然記念物であるアマミノクロウサギが生息しています。また、ここではカヌーでマングローブを探検するツアーに参加することができます。海のイメージが強い奄美大島ですが、ぜひ森の中を散策して珍しい生き物や植物との出会いを楽しんでみてください。
中心街の名瀬から車で約1時間半、奄美大島南端にある「ホノホシ海岸」。太平洋に突き出している岬にある海岸で、荒々しい潮の流れに面しています。ビーチに入るとまん丸の石たちがいっぱい転がっています。サイズは卓球~テニスボールぐらいのサイズで、それらがビーチ一面を埋め尽くしている景観は圧巻です。周辺の荒い海流にもまれたことで石が丸くなったといわれています。ころころと可愛い石たちは思わず持って帰りたくなってしまいますが、石の持ち帰りは厳禁。写真を撮るまでにとどめておきましょう。
加計呂麻島(かけろまじま)は、奄美大島の南端にある小さな島です。奄美大島最南端の古仁屋(こにや)という町から、町営のフェリーに乗って20分ほどで行くことができます。島の周囲は約150kmと意外に大きく、険しい山々に囲まれているのが特徴。人口は1,300人程度でそのほとんどがお年寄りですが、移住してきたIターンの人たちも暮らしています。「加計呂麻ブルー」と呼ばれる美しい青い海をひと目見るため、遠方から訪れる観光客もいる隠れた人気スポットです。
南北に長い奄美大島は、島の至るところに観光スポットが点在しています。海や森で遊べる魅力的なアクティビティもたくさんあるので、二泊三日は確保しておくことをおすすめします。さらにゆったりと奄美大島を満喫したい方は、三泊四日以上の滞在もいいかもしれません。
弾丸旅行の魅力は、週末に楽しめるので休みを取る必要がない点。奄美大島は南北に広く、島内の移動には意外と時間がかかります。そのため「一泊二日の旅行に最適!」とは断言しづらいですが、効率的に見どころを回れば週末だけでも奄美大島を満喫することができます。ここではそんな一泊二日のモデルコースを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【1日目】
■ランチで奄美大島のソウルフード「鶏飯(けいはん)」を食べる
鶏飯の元祖といわれている「みなとや」がおすすめ!お店ごとの味の違いを楽しんでみてくださいね。
■あやまる岬を散策
■土盛海岸を散策
■パラグライダーで空から奄美を一望!
■郷土料理が楽しめる居酒屋「ガジュマルの樹の下で」で早めの夜ご飯
■ナイトツアーに参加してアマミノクロウサギを探しに!
【2日目】
出発のフライトに合わせて、お土産探しなどを楽しみましょう。下記の「二泊三日」の項目で別のモデルコースも紹介しているので、時間に余裕がある場合はぜひ参考にして組み込んでみてくださいね。
奄美大島旅行のモデルコースは、二泊三日で紹介されることが多くあります。上記の一泊のモデルコースでは北部中心に回りましたが、二泊以上なら中部や南部にも足を伸ばせます。こちらのプランを参考に、ぜひ自分好みの旅を計画してみてください。
【1日目】
上記の一泊コースを参考に組み立ててみてくださいね。
【2日目】
■マテリヤの滝を見に行く
■マングローブカヌーツアーに参加
■大浜海浜公園を散策
■「島とうふ屋」で遅めのランチ
■大島紬村で製造見学、着付け体験を楽しむ
■「それいゆふぁ~む奄美」内の農園カフェで、ヤギミルクを使ったスイーツに舌鼓
■ハートロックを見に行く
場所はGoogleマップを見るだけでは少しわかりづらいので、事前に行き方を調べるかホテルの人などに確認しておくことをおすすめします。
※ハートロックは干潮時のみ出現します。満潮時には隠れてしまうので、あらかじめ潮の満ち引きを調べておきましょう。潮位表は国土交通省のページで確認できます。
■夕食はハートロック近くの居酒屋へ
徒歩10分ほどの場所に、島料理を楽しめる「サードプレイス」などがあります。気になる方はぜひチェックしてみてください。
【3日目】
出発のフライトに合わせて、お土産探しなどを楽しみましょう。空港内にもいくつかお土産ショップがあるので、買い忘れたものがあればここで調達するのもありですね。
ショップ案内 エアポートショップありむら お土産店 1F ① 8:00 R … Read More
もっとアクティビティを体験したい!という方は、スケジュールを調整してぜひシュノーケリングやダイビングにもチャレンジしてみてくださいね。
【奄美大島 シュノーケリング】
【奄美大島 ダイビング】
※モデルコースで紹介している各施設の住所や営業時間については、あらかじめ公式HPなどでご確認ください。
奄美大島に数多くあるビーチのなかでも透明度が高く、観光客からとても人気のある「倉崎ビーチ」。そんなきれいなビーチが目の前に広がるホテルが「ネイティブシー奄美 アダンオンザビーチ」です。客室は木目調の床と真っ白な壁で、モダンかつ爽やかなデザインが魅力でもあります。ビーチを眺めながらゆったりとした滞在を楽しんでください。
山羊島という小さな島に建てられていて、四方が海に囲まれています。都会の喧騒から離れ、非日常気分を味わいたい方には特におすすめのホテルです。最上階には広々とした温浴スペースがあり、浴槽からは美しい海を望むことができます。夜には名瀬の夜景も楽しめるので、昼夜問わず優雅な気分でお風呂に浸かることができますよ。
絶景を前にゆったりとしたひとときを堪能できるヴィラタイプのホテル。奄美大島の大自然の中で過ごしているような気分に浸れる客室は、採光がよく開放感抜群です。「オーシャンヴィラタイプ」の客室にはテラスがついていて、眺望も楽しめるのが嬉しいポイント。のんびりと過ごしたい方にぴったりのホテルです。
奄美大島の名物料理を自宅でもおいしく食べられる鶏飯セットは、定番中の定番土産。軽くて荷物になりにくいフリーズドライタイプのものもあります。小分けのものならばらまき土産にもぴったりです。
黒糖というと沖縄のイメージが強いかもしれませんが、奄美大島でも手に入れることができます。白砂糖よりもビタミンやミネラルを多く含んでいるので、健康にもいいといわれています。黒糖せんべい、黒糖キャラメル、黒糖かりんとうなど、黒糖を使用したおいしいスイーツも人気ですよ。
奄美群島の伝統工芸品である「大島紬」。独特な模様が特徴で、世界でも珍しい泥染めという手法で染められた織物です。ポーチ、がま口、パスケースなどの日常的に使いやすい小物のほか、ネクタイなどの男性向けアイテムも揃っています。奄美の楽しい思い出と一緒に、大島紬のアイテムを持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
豊かな自然や珍しい動植物とふれあえる奄美大島。東京、大阪、福岡などの各空港から直行便が飛んでいて、LCCも活用すれば意外と安く旅行できます。そんな奄美大島を効率よく遊び尽くすなら、現地オプショナルツアーを活用しましょう。この記事で紹介したいろいろなアクティビティも事前にネット予約できるので、ぜひチェックしてみてください。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。