夏も終わり、肌寒くなってきた今日このごろ。何となく外に出るのが億劫になったりしませんか。でも、秋・冬だからこそ味わえる風景やその季節だからこその自然が沢山あります。
この記事では、紅葉や雪景色と合わせて、ひんやり冷えた身体を温めてくれるような温泉を一緒にご紹介します。
箱根の中心に位置する「強羅」は、箱根登山鉄道が開通したのがきっかけで繁栄した温泉地です。今では、温泉を自慢とする旅館やホテルが点在していますが、もともとは政財界や文化人達の別荘地として栄えました。
現在は、駅の周辺に飲食店やお土産屋が軒を連ね、周辺を散策するのもとても楽しい温泉街となっています。
また、毎年8月16日には標高924mの明星ヶ岳で大文字焼きが行われ、避暑客の慰安を目的としていると同時に、盆の送り火として全山の有縁無縁の精霊に対しての冥福も併せて祈られています。
四季折々に自然も素晴らしく、春になると宮城野の早川沿いに植えられている約120本のソメイヨシノが満開になり、6月頃には箱根登山鉄道沿いのアジサイが雨露に濡れキラキラと輝き出します。
また、10月下旬~11月下旬の紅葉シーズンには至る所で赤い炎の様な紅葉が見頃を迎え、圧巻の景色を生み出します。
「箱根強羅公園」には多くの花や植物が植えられており、季節ごとに異なる景色が楽しめます。
紅葉の季節にはヤマモミジやイロハカエデが見頃を迎え、真っ赤や濃い黄色の葉がシンボルの噴水周辺を囲んでいます。
また、公園内にはローズガーデンがあり珍しいバラと紅葉のコントラストを眺める事もできます。
大正3年(1914)に開園した箱根強羅公園は、桜、つつじ、あじさい、紅葉、バラなど様々な花が楽しめ、点茶体験、陶芸・吹きガラス体験、植物園などの施設も充実しており、1日楽しめる箱根の観光スポットです。
● 電車でお越しの場合
【小田急線】
新宿〜ロマンスカー(85分)〜箱根湯本〜登山電車(35分)〜強羅温泉
【JR線】
東京〜こだま号(35分)〜小田原〜小田急線〜箱根湯本〜登山電車(35分)〜強羅温泉
● お車でお越しの場合
【東京方面より】
東京I.C〜東名高速道路(35Km)〜厚木I.C〜小田原・厚木道路(31.7Km)〜小田原I.C 〜国道1号線(7.5Km)〜宮ノ下 〜国道1号線(1.5Km)
彫刻の森経由、もしくは国道138号線(1.2Km)強羅坂下〜強羅温泉
【名古屋方面より】
名古屋〜東名高速道路(337.6Km)〜御殿場I.C〜乙女道路(15.2Km)〜仙石原〜国道138号線(5Km)〜強羅坂下〜強羅温泉
箱根登山鉄道で強羅駅に向かって駅から徒歩1分という好立地にあります。
強羅公園までは徒歩5分、箱根の美術館や大涌谷などの主要観光地にも車で20~30分程の範囲なので観光にも最適です。
また、食事にも大変こだわっていて、地元の魚介類や山の幸をふんだんに使った和食会席を味わえる「花鳥」と国産牛しゃぶしゃぶと寿司が味わえる「風月」があるので、お好みに合わせてご選択いただけます。
私は夕食は「風月」を選択しましたが、全体的にボリューミーで満足感があり、お寿司は好きなネタを当日に選ぶことができました。
スタッフの対応も温かくきめ細やかで、リラックスした静かな時間を過ごすことができた思い出です。
主役の温泉は露天風呂も自慢の大浴場のほか、3つの貸切露天風呂と炭酸泉があります。貸切風呂は事前予約は不要で、空いていれば宿泊者誰でも利用可能なので、家族水入らずやお一人でゆっくりと湯船に浸かりたい方におすすめです。
(貸切露天風呂はシャワーや洗い場はないので、事前に大浴場で身体を洗ってからご利用ください)
大浴場は大きな窓が特徴でとても開放的で、昼と夜で全く違った雰囲気になるので、滞在中何度でも入りたいですね。
「箱根強羅温泉 季の湯 雪月花」のご予約は公式サイトホテスパがお得!箱根登山鉄道強羅駅より徒歩1分の駅前好立地。全室に客室露天風呂を完備!さらに趣の異なる貸切風呂&大浴場。贅をつくした食は2コースか…
東京から電車や車でアクセスもよく利便性にも長けている草津。海抜1,200m、標高2,000mの高原で真夏でも涼しい風が吹き抜けます。草津温泉は日本三名泉のひとつであり、自然湧出量は日本一を誇り毎分32,300リットル以上、1日にドラム缶約23万本分もの温泉が湧き出しているのは圧巻ですね。温泉街の中心に位置する湯畑は、草津温泉のシンボル。絶え間なく湧き出る温泉が湯気を上げていて、温かく独特な源泉の香りが辺りを包み込んでいます。
湯畑周辺にはお土産屋、宿、お食事処が所狭しと並んでおり、歩いて散策するのがちょうどいいこじんまりとした街です。
「西の河原公園」は代表的な紅葉名所のひとつです。公園の中に入っていくと至る所で温泉が湧いていて公営の大露天風呂や足湯があることでも知られています。
周辺は木々が多く茂っており10月上旬~11月中旬には赤い紅葉が美しく広がります。また、夜にはライトアップもされるので、下から幻想的に照らされる木々や葉の表情もお楽しみいただけます。
● 電車でお越しの場合
上野~高崎~長野原草津口 +JRバス草津下車(約25分)
*特急「草津」利用(約2時間33分) or 高崎線+吾妻線(普通列車 約1時間45分+1時間30分)利用
● お車でお越しの場合
【東京方面より】
練馬I.C~関越道(103km)~渋川伊香保I.C R353・145(50km)~長野原(大津)R292(10km)~草津
駐車場:湯畑観光駐車場(2時間未満 600円)、西の河原公園駐車場(2時間未満 550円)
大浴場や露天風呂もありますが、この施設の目玉は何と言っても「合わせ湯」です。
「合わせ湯」は古くから草津に伝わる入浴方法で、温泉の豊かな成分や効能を水で薄めることはせず、自然冷却をして適温になるように源泉が浴槽を順々に巡っている段々畑のような構造です。
4つの湯船が縦に並んでおり、一番湯から順に熱くなっていますので、ぬる湯(下段)から入って身体を少しずつ慣らしていきましょう。
4番目のお湯はかなり高温ですが、徐々に慣らしていくと効果も出て代謝がどんどん良くなっていくのが実感できます。心地よい汗をかき無理のない程度に何度か繰り返してみてください。
草津では、その豊富な源泉を活用して3つの共同浴場があります。
源泉のままのため、やや熱めのお湯なので慣らしながら入浴してください。地元の方々が管理、利用しているお風呂で、草津の人々には温泉がとても身近であるのが分かりますね。
シャワーや鍵付きロッカーなどはなく、簡易的な棚があるのみなので、貴重品からは目を離さないようにお願いします。
天下の名湯「草津温泉」の公式ホームページです。草津温泉の効能や施設をご覧になれます。
八戸駅や青森空港より無料送迎バスが運行されているので、とても便利です。シャトルバスの時間を調べ少し前に現地入りして、地元の公共交通機関を利用して周辺観光しても面白いですね。
八戸駅の近くにあるのは、「八食センター」。八戸駅(東口4番のりば)~八食センター(厨スタジアム東口)間を運行する100円バスを利用すると便利です。
全国有数の水揚げ量を誇る八戸港から仕入れられた新鮮な魚介類が集まる市場で「青森の台所」とも言われています。その場で買って七輪で焼いて食べられるレストランや、お刺身・揚げ物などの定食を提供しているレストランもあるので、宿へ向かう前に青森の食を満喫してもいいですね。
青森県八戸市の市場、八食センターのホームページ。店舗情報・営業日情報・イベント情報など。その他、レシピなども掲載。
八戸駅からは、十和田市現代美術館へもバスで手軽に行けます。
美術館では、草間彌生や奈良美智、ロン・ミュエクら世界で活躍するアーティストによるアート作品を展示しており、館内に留まらず中庭や屋上、階段にも作品が展示されており建物全体でアートを感じることができます。
JR八戸駅・三沢空港・青森空港からホテルまでの無料送迎バスが運行されています。(3日前までの予約制です)
温泉のみでなく隣接する、公園の散策やビュッフェの夕食、青森の伝統芸能のショーに工芸品作りなど館内で多くのエンターテインメントを体験できます。
魚介や青森の郷土料理でお腹いっぱいになり、館内で無料で鑑賞できるねぶた囃子や津軽三味線のショーで青森県を丸ごと満喫できます。
広々とした館内は温かみのある木造で、柔らかな光に包まれている印象です。自由に利用できるラウンジなどもあり、忙しない日常を忘れゆったりと過ごせる感じです。
青森屋では、大浴場には広々とした内風呂「ひば湯」と、池に浮かぶように設計された露天風呂「浮湯」があり、両方とも源泉かけ流しです。露天風呂は水辺と木々に囲まれていて、冬の季節では木々に雪が積もりとても幻想的でした。東北のひんやりと澄んだ空気と、とろみのある温泉で、身体の芯から温まることができます。
また、冬の時期には露天風呂を囲む池にねぶたと灯篭を浮かべるイベントがあり、夜空と雪とねぶたの優しくも力強い光が相まって現実離れした絶景が目の前に広がります。
青森屋には宿泊者でなくとも入浴できる離れの温泉「元湯」もあり、宿からは徒歩または宿の車で行くことができます。レトロな雰囲気が漂いどこか懐かしい温泉で、朝風呂にもぴったりです。
「星野リゾート 青森屋」は祭り文化や湯治文化、郷土芸能など青森が誇る素晴らしい文化を目一杯感じられる宿です。青森4大夏祭りを楽しめるショーレストラン〝みちのく祭りや”、池に浮かぶ露天風呂「浮湯」をお…
銀山温泉は奥州街道より約12km入った山間部で、周辺の道の状況も悪く世間とは遮断された仙境となり人口は激減してしまいました。人々は小さな温泉宿や商店などを営み生活していましたが、大正2年の銀山川の大洪水により温泉宿は流されてしまったという苦境を迎えます。その後は温泉の湧出量が少なく温泉利用は伸びなかったものの、大正10年に銀山川の水を利用した発電所が作られ、それが街復興の足掛かりとなったと言われています。
昭和元年に源泉のボーリングで高温多量の湯が湧き出し、各旅館は一斉に建て替えを行いました。橋や沿道の整備もされ、延沢銀山遺跡は昭和60年に国の史跡に指定されたことをきっかけに観光復興に生かすこととしました。周辺からのアクセスの問題や自然災害なども乗り越えながら、現在は風情ある外観を取り戻し、伝統を残した温泉街として発展していったのです。
● JRでお越しの場合
山形新幹線利用/山形 〜 奥羽本線急行で40分 〜 大石田バスで15分 〜 尾花沢のりかえ40分 〜 銀山温泉
東北新幹線利用/仙台 〜 特急バス(新庄行)で約2時間 〜 尾花沢のりかえ 〜 バスで40分 〜 銀山温泉
● お車でお越しの場合
東北自動車道/古川IC 〜 (国道47号線) 〜 鳴子 〜 赤倉 〜 山刀代峠 〜 尾花沢 〜 (国道347号線) 〜 銀山温泉
東北自動車道/村田JCT 〜 山形北IC 〜 (国道13号線) 〜 尾花沢 〜 (国道347号線) 〜 銀山温泉動車道/村田JCT 〜 山形北IC 〜 (国道13号線) 〜 尾花沢 〜 (国道347号線) 〜 銀山温泉
銀山温泉街にはいわゆる高層ホテルはなく、5室~20室ほどの古風な宿が軒を連ねています。
川沿いに湧き出している温泉をそのまま内湯にして旅館が建てられており、乳白色の名湯をじっくり堪能できます。
冬の季節には温泉街の辺り一面が雪を纏い、銀世界へと誘います。昔ながらのガス灯やがゆらゆらと揺れていて古き良き時代の日本を彷彿とさせるでしょう。
ロマンティックかつどこか寂しげなノスタルジー溢れる風景に、都会の雑踏を忘れ、昔の風情に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
日本には沢山の温泉地がありますが、温泉はただ源泉が湧き出ることではなく、その周りの自然の風景と一体化した時に初めて本物の癒やしが得られるのかもしれませんね。また、「ここを人々が集う癒し場所にしよう」と努力をした地元民の情熱さえも感じます。
温泉目当てにする旅行ももちろん魅力的ですが、その周りには、目や心を癒やしてくれる自然が織りなす情景が広がります。
緑の自然ではなく、散る前に最後の炎を燃やしているような赤や黄色に染まった紅葉や、幻想的な銀色に包まれる雪景色とともに、各地が誇る名湯をお楽しみください。