温暖な気候のハワイ島では、年間を通して色鮮やかな鳥を見ることができます。そのため、多くの鳥好きの方が訪れてバードウォッチングなどを楽しんでいます。スキューバダイビングなどのマリンスポーツとは異なり、バードウォッチングはたくさんの道具を必要とせず双眼鏡ひとつで楽しめるので、荷物が多くなりがちな旅行先でも気軽に楽しめるのです。この記事では、ハワイで見られる野鳥の種類と、鳥を見るのにおすすめの観光スポットを紹介します。
ハワイに生息している主な野鳥を、外来種と固有種(在来種)に分けてご紹介します。バードウォッチングをするなら、見たい鳥の写真を持参していくと現地でも探しやすくなります。
ハワイでは、固有種だけでなく他の地域から移入した鳥が数多く生息しています。ハワイでよく見かける外来種の鳥は次のとおりです。
英語名:Red crested Cardinal
原産は南アメリカ大陸で、ブラジル南西部やアルゼンチン北部、ボリビア東部などに生息しています。ハワイではカウアイ島、ラナイ島、モロカイ島に生息していて、低い木や藪に棲んでいますが、公園や住宅街にも姿を見せます。全長19cmほどの小鳥で、頭と冠羽がきれいな赤い色をしているのが特徴。くちばしと羽の部分が灰色、お腹の部分が白色、脚が黒色をしています。オスとメスに色の違いはありません。鳴き声は大きめで「ピュー」や「ピュイー」などと鳴きます。
英語名:Cattle Egret
アマサギはアフリカ北部とユーラシア南部の原産で、ハワイでは主要6島に生息していています。畑や牧草地や池などの水辺にいることが多いですが、人の往来がある公園やホテルの植え込みなどでも見られることもあるようです。全長は50cmほどで、胴体が白色、脚とくちばしが黄色いのが特徴。オスとメスで色の違いはありませんが、未成鳥はくちばしと脚はグリーンがかった黒色をしています。成鳥は繁殖期になると、頭と胴体が明るい褐色に、くちばしと脚がダークオレンジに変わります。地面を歩く姿もかわいいのですが、飛ぶ姿は優雅で美しい鳥です。
ハワイ語名:manu liʻiliʻi、kepola/英語名:House Sparrow
ユーラシア原産の鳥ですが、オーストラリアや南北アメリカなどにも生息しています。ハワイにいるイエスズメはニュージーランドからオアフ島に持ち込まれたもので、今では主要6島すべての地域で確認されています。雑食で主に人間の残飯を食べているため、ホノルルやワイキキなどの市街地や農地で生息していて森林ではほとんど姿を見せません。全長15cmほどで「チュンチュン」などと鳴き、見た目も日本のスズメとよく似ています。オスは体全体が灰色で頭の色が濃く胸の上部が黒色をしていて、メスと未成鳥はお腹の辺りが灰色で上面はくすんだ茶色をしています。
英語名:Zebra Dove
ボルネオ島やマレー半島、オーストラリアなどに生息していているハトで、ハワイでは主要6島で確認されています。ハワイにいるハトの種類は、このチョウショウバトとカノコバト、ナゲキバト、カワラバトで全4種類ですが、その中でチョウショウバトが一番小柄で全長は20センチメートルほどです。
オスとメスは同色ですが、体の色は灰色や茶色など個体によって異なります。首から胸の辺りにある、ゼブラ(シマウマ)のような黒と白の細かいストライプ模様が特徴。雑食で人の食べ物も食べるため、街中のレストランやフードコートなどでもよく見かけます。「トゥ、トゥ、トゥ」などと鳴きます。
英語名:Rose-ringed Parakeet
パキスタン、インド、ミャンマー、アフリカ中部などが原産ですが、さまざまな地域に移入され中東、シンガポール、日本などでも生息が確認されているインコです。ハワイでは主にカウアイ島とオアフ島に野生化して住み着いて、最近ではマウイ島とハワイ島でも姿を確認されています。全長40㎝ほどで、全体は黄緑色、尾の部分が青緑色、くちばしが赤い色をしています。オスはくちばしから首の裏側に向かって黒い帯があり、後頸が桃色をしています。とても大きな声で「ギーギー」などと鳴きます。木の空洞に巣をつくりますが、民家の庭や畑にも現れます。
ハワイ語名:Manu-ʻai-pilau、Pihaʻekelo/英語名:Common Myna
アフガニスタン、インド、中国南西部などが原産で、オーストラリア、南アフリカ、東南アジアなど世界のさまざまな地域に移入され野生化して生息しています。ハワイの主要6島では、市街地や住宅街など、幅広い地域で確認されています。全長25㎝ほどの小鳥で、ハワイの街中でよく見かけます。オスとメスの色に違いはありません。胴体は茶色、頭が黒色、目の回り、くちばし、脚が黄色です。鳴き声はバラエティに富んでいて、「キーキー」「ガーガー」「コッ、コッ」「ピヨッ、ピヨッ」などいろいろあります。
ハワイ固有種の鳥は、ツグミやヒタキ、ガン、キジなどを含む全37種(分類法では32種)です。ここでは、ハワイでよく知られているイイヴィ(ベニハワイミツスイ)とネネ(ハワイガン)を紹介します。
ハワイ語名:ʻIʻiwi
鮮やかな赤と長い細長いくちばしが特徴の小鳥。その色鮮やかさからパンフレットなどに使われることも多く、ハワイに関する印刷物で見たことがある方も多いかもしれません。主にオヒア・レフアの蜜を吸っているミツスイの仲間です。全長15㎝で、オスとメスで色の違いはありませんが、未成鳥は頭の黄色の斑模様があり、羽が濃い灰色、下面は黄色みがかった灰色をしています。主に標高1,000m以上の在来植物が生い茂る森林に生息しており、マウイ島とハワイ島では比較的観察しやすいといえます。
イイヴィはハワイ州の絶滅危機種に指定されていて、ラナイ島では既に絶滅しています。以前はよく姿を現していたカウアイ島のコーケエ州立公園、オアフ島、モロカイ島でも見ることが少なくなっています。
ハワイ語名:Nēnē/英語名:Hawaiian Goose
ハワイの固有種のため、生息しているのはカウアイ島、モロカイ島、マウイ島、ハワイ島のみです。 ガンの中では中型で全長は64㎝ほど。オスは少しサイズが大きめです。頭、首の裏側が黒色、頬がクリーム色、胸の部分は茶色で、翼と背中の羽に灰色の縞模様と首元に黒い首輪のような帯があります。名前の由来のとおり「ネーネー」と鳴きます。草食性で、草や果物、種子などを食べますが、中でもオーヘロやプーキアヴェの実が好物です。
ハワイの珍しい鳥を見たいけど時間に余裕がない方や、森林の中に行くのは不安という方は動物園がおすすめ。動物園なら鳥が見つかるまでじっと待つ必要がないので、限られた時間でハワイでしか見られない美しい鳥を観察できます。ここでは、ワイキキにあるホノルル動物園を紹介します。
ワイキキの中心街より歩いて約15分のところにあり、上野動物園とほぼ同じくらいの敷地の中に約220種類、1,230頭以上の動物が飼育されています。
園内には鳥エリアが設けられていて、ハワイのさまざま鳥を見ることができます。野生ではなかなか見るのが難しいハワイ固有種の鳥「ネネ」もじっくり観察できます。
毎週金曜日と土曜日には、「トワイライトツアー」というナイトツアーが開催されます。ナイトツアーでは、普段は見られない動物たちの夜の生態を日本語ガイド付きで観察できます。もちろん子供も参加できます。
ハワイでは街中で見られる鳥たちも多くいます。しかし、人里離れた山や森などを好む鳥もいます。山や森でのバードウォッチングを自分で計画するのも楽しいですが、異国での移動や慣れない土地でのハイキングはちょっと勇気がいるかもしれません。よりたくさんの鳥を見たいなら、動物園の鳥ブースで楽しむか、バードウォッチングのツアーに申し込むのがおすすめです。ベルトラでもバードウォッチングの現地オプショナルツアーを扱っていますので、ハワイでバードウォッチングを楽しみたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。