現地の人々とふれあい、日本とは異なる文化を体験することは海外旅行の楽しみのひとつでもありますよね。しかし、伝統文化や古くからの風習などをしっかりと理解しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。トラブルに巻き込まれてしまわないよう、ハワイを訪れる前に、ハワイ文化の特徴や現地のマナーなどについてチェックしておきましょう。
旅先の歴史や文化について知識があるのとないのでは、現地での体験や感動も違ってきます。ハワイをより深く楽しむためにも、まずはハワイ文化の特徴について簡単に学んでおきましょう。
ハワイの歴史はハワイ島から始まります。ハワイ島はもともと無人島でしたが、今から約1,500年前、ハワイ島に到着したマルケサス諸島のポリネシア人によって少しずつ島が拓かれていきました。その500年後に移住してきたのがタヒチ人です。彼らは古代ハワイの信仰や思想の基盤を築きました。ハワイ諸島が初めて統一されて「ハワイ王国」となったのが1810年のこと。初代の国王はノース・コハラ出身のカメハメハ大王です。1820年になると、米国からプロテスタント宣教師が移住してきます。マウイ島ラハイナへの首都移転もこの頃です。その後、オアフ島に宣教師の施設が建てられ、米国からの移住者が増えていき、ハワイ経済を支配するようになりました。1898年にハワイ併合が承認され、1959年にハワイ州が米国の50番目の州となって、今に至ります。
ハワイの音楽は多種多様なので分類が難しい点もありますが、成立時代によって「ネイティブ・ハワイアン音楽」「西洋の影響を受けたハワイ音楽」の大きく2種類に分類することができます。それぞれを代表する音楽は次のとおりです。
「オリ(詠唱)」は神々からのメッセージを指すもので、抑揚を付けずに唱えられていました。「オリ」を覚えやすいようにリズムや抑揚を加えたものを、「メレ・オリ」といいます。「メレ」とは手の動きをつけて踊りながら詠唱する「チャント」のことです。この「メレ・オリ」は、ネイティブ・ハワイアン音楽に分類されています。ネイティブ・ハワイアン音楽では、木の幹とサメの皮で作った「パフ・フラ」、瓢箪で作った「イプ」、竹で作った「パフパフ」などの珍しい楽器が使われているので、ぜひ楽器にも注目してみましょう。
キャプテン・クックがハワイに上陸した18世紀ごろに生まれた音楽には、賛美歌の「ヒメニ」、ハワイ人と白人の混血という意味のある「ハパ・ハオレ」があります。日本人にとってなじみが深い「ウクレレ」も、先住民の楽器ではなくポルトガルの移民が持ち込んだものです。
ハワイには音楽だけでなく伝統的なダンスもあります。ハワイのダンスで良く知られているのが、「フラ(フラダンス)」と「タヒチアンダンス」の2つ。「フラ」はゆったりとした動きが特徴的ですが、「タヒチアンダンス」は情熱的で腰を素早く動かす踊りで、両方に魅力があります。 フラ(Hula)はハワイ語で「踊り」を意味します。もともとフラは楽しむためのものではなく、宗教上の儀式に使われていました。先史時代にモロカイ島の洞窟で、女神ラカに捧げた踊りがフラの起源と考えられています。ゆったりとした動きのフラは体にかかる負担が少なく、年齢を問わず楽しめるため、日本でも人気の高いダンスです。
一方タヒチアンダンスは、ポリネシア人にルーツがあるといわれています。
ハワイは亜熱帯気候で年間の平均気温はおよそ24℃~30℃です。1年を通じて温暖の差と降水量が少ないので、季節を問わずハワイ旅行を満喫することができます。ビーチリゾートとして知られているハワイですが、緑が生い茂るジャングルや渓谷、火山、滝など至るところで大自然の美しさを楽しめます。マリンスポーツだけでなく、トレッキングやキャンプなどをするにもおすすめの場所です。
文化の違いを体験することは海外旅行の楽しみのひとつですが、全く知らないで行くと不安になることもありますよね。ここではハワイと日本の文化の違いを知っていただくために、食事や生活、チップなどについて紹介します。
ハワイの食文化は、先住民の食文化とアメリカの食文化、移民の食文化が混ざりあい、今のかたちに確立されたとてもユニークなものです。ハワイを代表する食事や食べ物には、「ロコモコ」「ポキ」「マラサダ」「パンケーキ」などがあります。
日本でいう丼料理。ごはんの上にハンバーグ、目玉焼きを乗せ、仕上げにグレイビーソースをかけた料理です。
生のマグロの角切りに、ごま油と醤油、にんにくなどを使った甘辛いソースで和えた料理です。ごはんの上に乗せたものをポキ丼といいます。
ポルトガルから伝わった揚げ菓子のことです。シナモンをまぶしたものやクリームが入ったものなどいろいろな種類があります。
現地でも大変人気が高く、各地にたくさんのハワイアンパンケーキショップが点在しています。フルーツや生クリームがたっぷりと乗っているのが特徴です。
ハワイ州には多民族が暮らしていますが、ハワイ独自の生活文化を築いています。なかでも有名なのが、衣類のアロハシャツやムームー、ハンドメイキングのハワイアンキルトなどです。 アロハシャツとは、カラフルな絵柄が特徴の開襟シャツのこと。男性の正装としても認められています。ムームーとは、ハワイの女性が着用する正装用の丈の長いドレスのことです。またハワイアンキルトとは、ハワイの果物や花をモチーフにしたパッチワーク・キルトのこと。アメリカンキルトとは異なり、芸術品として認められています。
チップの習慣がない日本人にとっては少し難しいですが、レストランやホテル、タクシーなどを利用した場合はチップが必要です。チップの目安は、いわゆる枕銭といわれるハウスキーピング用のチップには1人1ドル、ポーターに荷物を運んでもらった場合は荷物1個につき1ドル、タクシーを利用した場合は15%~20%、レストラン利用時は通常15%~20%、高級レストランで20%~25%程度です。チップはスタッフの収入の一部なので、忘れずに支払うようにしましょう。
マナーや伝統は旅行先によって異なるものです。現地の人たちに不快な思いをさせたり、自分自身がトラブルに巻き込まれたりすることのないように、最低限のマナーや伝統は覚えておきましょう。
旅行先ではできるだけ現地の文化を理解し、敬意を払うことが大切です。日本の常識が通用しないこともあるので、ハワイのマナーについては一通り目を通しておくようにしましょう。ハワイで覚えておきたいマナーや伝統は次のとおりです。
ハワイでは飲酒に関する規制が厳しく、公共の場での飲酒は法律で禁止されています。公共の場とは、路上、公園などの公共施設をはじめ、ビーチも含まれます。また、飲酒ができる年齢は21歳以上です。喫煙も規制が日本より厳しく、公園やビーチ、ホテル(客室を除く)などほとんどの場所でたばこを吸うことができません。
ハワイではドレスコードのあるレストランが少なくありません。男性の場合ジャケットを羽織り足元は露出の少ないシューズ、女性の場合ワンピースなどのリゾートスタイルであれば特に問題はありませんが、せっかく予約しても食事ができないなんてこともあり得るので、事前に確認しておきましょう。
旅行に行くと開放的な気分になって、普段より大胆なファッションに挑戦したくなる女性もいるでしょう。しかし、肌の露出が多い服装で夜に外出するのは危険です。現地で性犯罪に巻き込まれた日本人女性もいるので、気をつけるようにしましょう。
スパは日本の温泉とは違い、必ず水着を着用します。日本人観光客の中にはタオルを全身に巻いてサウナを利用している人がいますが、これはマナー違反です。
車は日本とは逆の右側通行になります。車の交通ルールには「信号が赤でも右折可能」など日本とは異なる点もあります。レンタカーを借りる方はドライブする前に現地の交通ルールをしっかり確認してください。また、歩行者の違法横断(Jウォーク=斜め横断)、信号無視、スマートフォンを見ながらの横断などはハワイの州法に触れるため、罰金130ドルを科せられてしまいます。
パワースポットに行く場合はハワイ文化に敬意と感謝の気持ちを表し、伝統文化を重んじた行動が必要です。ヘイアウなどの聖地に足を踏み入れるときは、次のマナーに気をつけましょう。
・神殿では周りにあるものを触ったり、石や岩などに腰掛けたりしない
・Kapu(カプ)は立入禁止のサインなので勝手に入らない
・大きな声での私語を慎む
・携帯電話は使用せずマナーモードに設定する
・むやみに写真をとらない
・退出する際は感謝の気持ちを表す
その国、その土地によってさまざまな文化や風習、マナーがあります。こちらがカルチャーショックを受けることもあれば、悪気なくやったことで相手を不快にさせてしまうこともあるでしょう。相手を尊重して素敵な時間を過ごせるよう、出発前に旅行先の最低限のマナーや文化、風習の違いなどを知識として身につけておくことが大切です。ベルトラではハワイの文化を楽しめる現地オプショナルツアーを用意していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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