「インドネシア」と聞けば何を思い浮かべるでしょうか。バリ島のリゾートステイやクタ・レギャンの美しい夕日、大自然の中で行うヨガやエステなど、さまざまな魅力を持つインドネシアは、世界各地から多くの観光客が訪れる観光大国です。赤道を挟んで南北に散らばる1万4000もの島々からなるこの国は、一年中南国ムードを楽しめることでも知られています。
この記事では、初めてのインドネシア観光でも安心して楽しめるよう、治安や注意点などの情報をお伝えします。
東南アジア南部に位置する「インドネシア共和国」は5つの主要な島と1万4000以上の群島からなる多民族国家です。島ごとに独自の文化や歴史を持っているため、一言にインドネシア観光といっても様々な魅力があります。
まずは都市ごとの特徴を知り、気になるエリアを見つけてみましょう。
まずはインドネシアの首都、ジャカルタです。ASEANの盟主といわれるインドネシアの首都は東京都市圏に次ぐ世界第2位のメガシティ。都市圏人口は3,200万人を誇ります。時代の最先端を行く高層ビルや五つ星クラスの高級ホテル、世界各国のレストランやショッピングモールが立ち並ぶ東南アジア有数の世界都市です。国全体の中央値年齢が28歳と若いこともあり、日進月歩の勢いでダイナミックな成長を遂げています。
首都ジャカルタに次ぐ人口を抱えているのがインドネシア第二の都市、スラバヤです。インドネシア最大の島、ジャワ島の東側に位置するこの町は古くから貿易の中心として栄えてきた地域。インドネシア語で鮫(サメ)を意味する「スラ」と鰐(ワニ)を意味する「バヤ」からその名が付けられたと言われています。アミューズメントパークや歴史文化スポットが多いにも関わらず、ジャカルタほど観光客が多くないのも特徴です。
スマトラ島東北部に位置するメダンは西洋と東洋が調和した町。オランダ統治時代に石油産業と農産業の中心として栄えました。王宮やモスク(イスラム教の礼拝堂)など美しく豪華な観光スポットが点在していることから、インドネシア観光の穴場スポットとして知られています。スマトラ島北部にある「トバ湖」は世界最大のカルデラ湖。周囲には人工施設がほとんどないため自然のままの広大な湖が見渡せます。
「クタ」はバリ島で最初に開発されたビーチリゾートです。世界中のサーファーや観光客が集まるクタはバリ島随一の繁華街。ショッピングスポットやレストラン、バーやナイトクラブがひしめき合う街には連日多くの観光客が立ち寄ります。南北に伸びる「クタビーチ」はサーフィンのメッカ。インド洋に沈む夕日が非常に美しいことでも有名です。
ジャワ島中部にあるスマランは、インドネシアの中でも特にインターナショナルな町です。地元ジャワ人だけでなく中国系やアラビア系と様々な民族が暮らしています。その影響もあって、名物のジャワ風中華春巻き「ルンピア」に代表される独特な食文化に注目が集まります。オランダ統治時代にインドネシアで初めて鉄道が敷かれたスマランは、ジャカルタやスラバヤ、バンドン、メダンに次ぐインドネシア第5の都市です。
「ソロ」の呼び方で知られるスラカルタは、隣町のジョグジャカルタと並んでジャワ島二大古都のひとつに数えられます。ジョグジャカルタやバリなどに比べれば知名度は低いですが、それゆえに古都としての威厳や伝統をしっかり現代に受け継いでいる地域でもあります。今はなきマタラム王国の中心として栄えたスラカルタ。ジョグジャカルタからは車で約2時間の距離にあります。
首都ジャカルタから120kmほど離れたジャワ島西部に位置するのが、バンテン州の都市チレゴンです。 人口40万人を超える町はジャワ島とスマトラ島の間、スンダ海峡に面しており、インドネシア屈指の湾岸工業都市として知られています。観光地としての知名度は低いですが、海だけでなく近くに山が見えるため、日本人にとっては心の落ち着く町でもあります。
マカッサルはインドネシアで4番目に大きな島、スラウェシ島最大の都市です。ウジュンパンダンの旧称でも知られています。白地の盾に5枚の帆を張った舟の市章が示す通り、古くから海洋貿易の拠点として発展してきました。インドネシア屈指のグルメシティとしても有名で、ローカルフードの食べ歩きを楽しみに訪れるビジネス客が多い都市でもあります。
インドネシア国内の移動手段は日本とほぼ同じです。短距離の場合はバイクや車、長距離にはバスや電車、フェリーや飛行機などを使用します。2019年3月にはインドネシア初の地下鉄が開業したことでも話題となりました。
・空港
インドネシア最大の利用客数を誇るのは、ジャカルタ郊外にある「スカルノハッタ国際空港」です。日本から直行便が運航しているほか、国内線も多く乗り入れているため乗り継ぎに利用する人も多くいます。日本からは直行便で約7時間のフライトです。
・鉄道
インドネシアの電車は日本から購入した車両を多く使っていることでも知られています。他の移動手段より値段が安く渋滞に巻き込まれることもありませんが、駅自体の数が少ないため、市内の移動ではあまり利用されません。タクシーやトランスジャカルタ(高速バス)、バイクタクシーの「オジェック」を使用するのが一般的です。
海外旅行前に必ず知っておきたいのが、現地の治安ですよね。インドネシアではテロやデモ、強盗やひったくり被害にあうことはないのでしょうか。
著しい経済発展を遂げるインドネシアですが、外務省の海外安全ホームページではいまだ「レベル1:十分注意してください」の分類に分けられています。
デモが多く行われる場所は、首都ジャカルタの国会前や独立記念塔(モナス)のある公園などです。多くの場合、事前に日本大使館からの注意喚起がありますので、こまめに外務省の海外安全ホームページなどを確認して外出や渡航を控える等の対策をとりましょう。外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録するのもおすすめです。
2019年10月、スハルトによる長期政権を支えた最後の国軍司令官、ウィラント調整相が暴漢に襲われ負傷したことは記憶に新しいニュースです。また同年11月には州警察本部で自爆テロも発生しました。安全レベルに関わらず、どの国であっても被害にあう可能性があります。怪しいと感じた人や危険な場所には近づかないこと、断食月(ラマダン)の前後にはむやみに出歩かないこと、テロが起きたらすぐに逃げ、現場に戻らないことなどを徹底する必要があります。
混雑したバスや電車内ではスリや置き引きにあうことがあります。日本人観光客はバスや電車に乗る頻度が比較的少ないですが、携帯や貴重品などはポケットに入れずファスナーのついた鞄に入れ抱えて持つようにしましょう。
ジャカルタやジョグジャカルタの繁華街などたくさんの旅行者が集まる地域でも注意が必要です。犯罪に巻き込まれないよう、貴重品は持ち歩かずにホテルの金庫で保管しておくと安全です。
ジャカルタやクタ、レギャンなど観光客が多い道路ではバイクによるひったくり被害が多発しています。バッグは体の前もしくは路肩側に持つようにしましょう。
観光エリアの外貨両替所ではお金を少なく渡される両替トラブルも発生しています。一度立ち去るとクレームは受け付けてもらえません。お金を受け取ったらすぐに確認しましょう。両替には銀行や専門マネーチェンジャーの利用が安全です。
300以上もの異なる民族が共に暮らすインドネシア。その民族的多様性こそがインドネシアという国の持つ魅力でもあります。ここでは5つの主要な島について紹介します。
・バリ島
小さいながらインドネシアの中で最も有名なのがバリ島です。面積は東京都の約2.5倍。独自の世界観を持ち、神々を敬う儀式を生活の中心にしています。シュノーケリングや美しいサンセットなど、ビーチリゾートの魅力がぎゅっと詰まった魅惑の島です。
・スラウェシ島
スラウェシ島はインドネシアのほぼ中央に浮かぶ島です。アルファベットの「K」を描いたような特徴的な地形は、古代大陸の衝突によるものといわれています。世界11位の面積を誇るこの島は、自然をメインに楽しみたい観光客が多いネイチャーアイランドです。
・スマトラ島
インドネシアの西端に位置するのは、豊かな熱帯雨林が生い茂るスマトラ島です。7万5千年前の火山噴火によってできた東南アジア最大の湖「トバ湖」があることで知られています。
・カリマンタン島
「ボルネオ島」の名前でも知られるカリマンタン。グリーンランド島、ニューギニア島に次いで世界第3位の面積を誇ります。広大なこの島は、北はマレーシアとブルネイ、南はインドネシアと3ヵ国が領有する、世界でも珍しい島です。インドネシア語ではカリマンタンと呼びますが、マレーシアなどではブルネイを語源としたボルネオと呼ぶのが一般的です。
安心安全な海外旅行のためにはその国のマナーや文化的背景を知っておく必要があります。ここではインドネシア観光の注意点をいくつか紹介します。
約2.5億人もの人口を抱えるインドネシアは宗教国家です。イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、カトリック、プロテスタントと5大宗教が信仰されています。
インドネシアで最も多くの人が信仰しているイスラム教は、1日5回のお祈りやラマダン月の断食で有名です。多様な宗教それぞれを尊重していることから「寛容なイスラム大国」とも言われています。
日本国内に比べると、衛生面はお世辞にもいいと言えません。上水道の整備も遅れており、現地の人でも水道水は飲用しません。飲んでしまうと腹痛や下痢、ひどい場合は脱水症状に見舞われる危険性があります。水が飲みたい場合は必ずペットボトルの飲料水を購入しましょう。またローカルレストランや屋台での食事にも注意が必要です。日本から胃腸薬を持参するといいでしょう。
多種多様な文化と民族、言語や宗教が混在するインドネシアの国是は「BHINNEKA TUNGGAL IKA(多様性の中の統一)」です。多様性こそがインドネシアという国の魅力と活力の源といえるでしょう。親日国として知られるインドネシア。ベルトラには観光やアクティビティを楽しめるオプショナルツアーを豊富にそろえているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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