Photo by Shutterstock

ねねの眠る「高台寺」へ行ってみよう!見どころ完全ガイド

鷲峰山高台寺(じゅぶさんこうだいじ)は臨済宗建仁寺派のお寺で、豊臣秀吉の妻として知られる「北政所ねね」の出家後の名前、「高台院」に由来しています。秀吉の妻として羽柴家の家政を取り仕切っていたねねは、秀吉の出世を助けた張本人と言っても過言ではないでしょう。そんなねねが秀吉を思って晩年を過ごした高台寺は、桃山時代の面影とねねの愛情を現代に伝える魅力的なスポット。この記事では、高台寺の歴史や見どころから近くの観光スポットまで、楽しみ方をご紹介します!

2020/09/26

高台寺の基本情報

高台寺の歴史

高台寺は豊臣秀吉の正室であった、北政所ねねが建立しました。1605年(慶長10年)に秀吉とねねが居を構えていた伏見城から化粧御殿とその前庭を東山の地に移築し、秀吉を弔うため菩提寺としたと言われています。長い歴史の中で仏殿や方丈は焼失してしまいましたが、桃山時代から残る開山堂や霊屋などは建立当時のまま現存しています。ねねは高台寺の塔頭寺院である圓徳院で晩年を過ごし、この地で没したとされています。

アクセス

高台寺へは電車やバスでのアクセスが可能です。電車を利用する場合、京阪「祇園四条駅」もしくは「阪急河原町駅」が最寄り駅となります。京都駅からのアクセスの場合は、JR奈良線にのり東福寺駅で京阪電車に乗り換えるか、市バスの利用が便利です。市バス206系統に乗車し約15分、「東山安井」バス停で下車します。バス停から高台寺までは徒歩約7分です。

また高台寺の境内には、最大100台が停められる駐車場があります。駐車料金は最初の1時間600円で、以降30分ごとに300円がかかります。桜や紅葉のシーズンには特に混雑が予想されますので、公共交通機関の利用がおすすめです。

住所:京都府京都市東山区下河原町526

拝観時間と所要時間

営業時間は9:00から17:30年中無休です。滞在時間の目安は約1時間ほどです。30分前の17:00に受付終了となりますので、早めに訪れることをおすすめします。なお夜間特別拝観期間には時間が変更され、夜の境内も見学することができます。

参拝料

拝観料は大人600円、中高生250円です。高台寺と圓徳院の両方に入場できる、お得な共通割引拝観券(900円)もあります。

高台寺の見どころ

Photo by Shutterstock

方丈

創建当初の方丈は大方丈、小方丈と2つの建物に分かれており、伏見城の北政所化粧御殿を移築したものであったと伝えられています。しかしながら2度の大火事で大部分が焼失してしまい、現在の建物は大正時代に再建されたものとされています。

方丈庭園「波心庭」は枯山水の庭園で、しだれ桜が有名です。夜間特別拝観時期には色鮮やかな砂が敷かれ、テーマに沿った美しいデザインを見ることもできます。

開山堂

開山堂は禅寺には必ずある開山の像を祀ったお堂で、高台寺では三江紹益禅師の木像が祀られています。元は北政所の持仏堂として利用されていました。現存の建物は桃山時代のもので、国の重要文化財建造物に指定されています。格子天井には秀吉が生前使用していた御座船の材木や、ねねが使用していた御所車の部材が使われ、内部にはねねの兄夫婦である木下家定と雲照院の木造も祀られています。

霊屋

霊屋(おたまや)はねねの墓の上に建つお堂で、秀吉とねねの坐像が安置されています。建物は桃山時代の創建当時のものが残されているとされ、国の重要文化財建造物に指定されています。厨子や須弥壇などの仏具は、漆で文様を描いた上に金粉を載せる「高台寺蒔絵」の技法で彩られており、高台寺ならではの優美で繊細な装飾は必見です。

拝観順路にある掌美術館では、高台寺蒔絵の施された食器やタンスなどの壮麗たる調度品が展示されています。

庭園

開山堂を中心とした池泉回遊式庭園の庭園は、小堀遠州作庭と伝えられる桃山時代〜江戸時代初期の庭です。秀吉遺愛の観月台がある偃月池(えんげつち)と、開山堂と霊屋を結ぶ屋根付きの廊下「臥龍廊(がりょうろう)」のかかる臥龍池(がりょうち)からなる構造で、東山の景色を背景として取り入れています。桃山時代を代表する庭園とも言われ、火災に見舞われつつも当時の姿を保っていると評価されています。1927年(昭和2年)に国の史跡、名勝に指定されました

時雨亭・傘亭

時雨亭と傘亭は桃山時代に建築された茶室で、伏見城の遺構、千利休の作という説もあります。創建当時のものが現存しており、重要文化財建造物に指定されています。それぞれの建物が土間廊下でつながっており、時雨亭は二階建て構造になっています。傘亭の室内には天井板がなく、唐傘を広げたように見えることから「傘亭」と呼ばれています。

高台寺の楽しみ方

特別茶会

高台寺では年間を通して8つのお茶会が催されており、お茶会経験のない方でも気軽に茶道体験ができ人気です。5月は新緑を愛でる「新緑茶会」、9月は秋月を楽しむ「観月茶会」など、季節を感じながらお茶をいただきます。また6月の「遺芳庵朝茶席」は、普段一般公開されていない特別な茶室で催され、貴重な体験をすることができます。

ライトアップ

高台寺では1年を通して季節ごとに夜間特別拝観の期間が設けられており、日没後は境内がライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。春は夜桜、夏は七夕、秋は紅葉、冬は大晦日と季節のイベントを盛り上げます。

また夜間特別拝観の期間中には、ライトアップとあわせてプロジェクションマッピングも行われることがあります。波心庭には仏教世界の世界観が映し出され、歴史と革新を肌で感じる体験ができます。

百鬼夜行展

高台寺は2本の百鬼夜行絵巻と、幕末の浮世絵師、河鍋暁斎の地獄太夫の掛け軸などを所蔵しています。夏に催される「百鬼夜行展」では、高台寺が所蔵する幽霊や妖怪に関連した美術品などが展示されます。また境内にはおばけ提灯が飾られ、怪しげな雰囲気で夏の夜を盛り上げます。

期間中は妖怪の絵が書かれた期間限定の御朱印も用意されます。コミカルな妖怪の絵が可愛らしく、寺院巡りファンの中でも非常に人気です。

高台寺周辺のおすすめ観光スポット

ねねの道

高台寺から八坂神社につづく小径で、清水寺へ抜ける二年坂、三年坂にも繋がっています。道幅いっぱいに御影石が敷き詰められた石畳の道で、京都らしい風情がただよい、写真撮影にもピッタリの場所。着物や浴衣を着て、古き良き京都の町並みを楽しんでみませんか?

圓徳院

高台寺の塔頭寺院で、北政所ねねが晩年を過ごしたお寺。枯山水の庭園は桃山時代に伏見城から移築されたと言われ、国の名勝に指定されています。また方丈には長谷川等柏が描いた襖絵(現在は複製展示)があり、重要文化財に指定されています。毎年12月に行われる「雪月花の会」は、仏教の教えに基づいたお膳とお茶がいただけます。

住所:京都府京都市東山区下河原町530

月真院

ねねの道の東に面する高台寺の塔頭寺院で、幕末に新選組から分離した伊東甲子太郎が御陵衛士(高台寺党)の屯所を構えたことで有名です。境内は非公開となっていますが、御陵衛士屯所跡の碑が建てられており、幕末好きな方は要チェックです。

住所:京都府京都市東山区下河原町528

高台寺周辺のおすすめグルメ

和久傳

明治3年創業の老舗料亭。数寄屋造りの建物でいただく豪華なコース料理は、贅沢のつくし。細部にこだわり素材を大切にした料理と伝統のおもてなしで、優雅な時間を楽しむことができます。

住所:京都府京都市東山区高台寺北門前鷲尾町512

高台寺和久傳

京都の料亭和久傳と、料亭の味をおもたせに仕立てる紫野和久傳の公式サイト。旬のお料理や、京都の四季をお届けするだけでなく京の料亭の味をお取り寄せできるオンラインショップもご用意しております。

京料理旅館 高台寺 よ志のや

日本庭園を眺めながら、季節の食材を使った和食会席料理がいただけます。お昼は比較的立ち寄りやすい値段設定になっているので、上質な京料理を気軽に味わうならランチがおすすめです。

住所:京都府京都市東山区高台寺北門前通下河原東入ル鷲尾町528

東山八百伊

地元で採れた旬のお野菜を漬けた、昔ながらの京漬物屋さん。琵琶湖を水源とする上質な地下水と、豊かな土に恵まれた八百伊のお漬物は、高級懐石料理店でも出されるほど。季節限定のメニューもあり、お土産にもぴったりです。

住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町530

京都の漬物 京のお漬物 東山八百伊

京都の美味しい漬物は東山八百伊。厳選された素材を使い心をこめて漬けております。新鮮な京野菜を使った四季折々の旬の京漬物は全国どこからでも通販にてお買い求めいただけます。

高台寺を100%楽しむなら現地オプショナルツアーがおすすめ

高台寺周辺は京都らしい建物や街並みも多く、人力車での観光がおすすめです!人力車は歩く目線よりも高いところから風景を楽しむことができ、写真映えもバッチリ。現地情報に詳しい車夫さんから、耳寄りの観光ガイドも聞けちゃいます!VELTRAでは貸切観光タクシーのチャーターや、着物レンタル、人力車など京都観光をより充実したものにする現地オプショナルツアーを多数紹介しています。ぜひ一度チェックしてみてください!

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

この記事に関連する記事はこちら

この記事に関連する旅行記はこちら