火山噴火によって生まれた伊豆諸島最大の島「伊豆大島」は、地球のしくみを体感できる場所として日本のジオパークに認定されている火山の島。そんな伊豆大島ジオパークの中心に位置する「三原山」は過去と現在の火山活動の様子を体感できるスポットです。三原山の魅力を堪能するにはハイキングがおすすめ。火山活動が生み出した独特な地形や地層、噴火のたびに変化をとげた植物や生き物達の様子を間近で学んでみませんか。この記事では、三原山の基本情報やおすすめのハイキングコースなどを紹介します。
三原山(みはらやま)は島の中心に位置する標高758mの活火山です。山頂のカルデラ内に鎮座する中央火口丘で、1777年に起きた安永噴火によって形成されました。山頂部には直径300m、深さ200m以上もの切り立った噴火口があり、日本でも有数の火山活動が活発な火山として知られています。1986年には玄武岩質のマグマが連続的に吹き上げる大きな噴火が発生し全島民が島外への脱出を余儀なくされ、約1ヶ月間の全島避難が行われました。その後も小規模な噴火等を繰り返し、少しずつ姿を変えながら伊豆大島の人々と共存している三原山は、「御神火様」と称され伊豆大島のシンボルとして古くから島民に親しまれています。
伊豆大島までは東海汽船が運航する船(大型客船または高速ジェット船)、または東京の調布空港から飛行機でアクセスが可能。東京・竹芝桟橋から出ている大型客船の場合は約6時間、高速ジェット船の場合は最短1時間45分で到着することができます。飛行機の場合は片道約25分です。島内の移動はバス、レンタカー、タクシーなどを利用しましょう。
バスは本数に制限があるので、自由度の高いレンタカーの利用が特におすすめ。車の場合は元町港から約15分、大島空港から約17分、岡田港から約25分で「三原山山頂口」まで到着できます。駐車場も整備されているので安心です。
三原島ハイキングのスタート地点「三原山山頂口」までは、元町港または岡田港から出ている大島バスの「三原山ライン」で行くことが出来ます。所要時間は約25分、「三原山頂口」のバス停で降車します。本数が限られているため、事前に大島バスの公式HPや観光窓口で時刻表などを確認しておきましょう。
■春(3月~5月):平均14℃
■夏(6月~8月):平均23.5℃
■秋(9月~11月):平均18.5℃
■冬(12月~2月):平均8℃
夏の時期は半袖に膝丈程度のズボン、秋から冬にかけては長袖長ズボンがおすすめ。日焼け対策のために夏の時期も薄手の上着等を準備しておくと安心です。
足場の悪い場所もあるのでトレッキングシューズや登山靴がおすすめです。滑りにくく履きなれた靴で登るのが良いでしょう。
山の天気は変わりやすいので、晴れている日も雨合羽を準備しておきましょう。
その他、タオル、飲み物、日焼け止め・虫除けも必須として用意しておきましょう。
三原山には複数の登山道がありますが、登山路の脇に広がる火山地形を目の前で堪能できます。今回は中でもおすすめのハイキングコースを3つ紹介します。ぜひ登山計画の参考にしてみてくださいね。
迫力のある噴火口を一周する絶景ルート。三原山頂口駐車場からスタートし頂上を目指します。巨大な山頂火口の周囲につくられた遊歩道を一周し、来た道を戻っていく初心者の方にもおすすめのコースです。新島や富士山遠望、「火口見学路」周辺では地表から水蒸気が上がる様子なども楽しめます。
三原山頂口駐車場からスタートし、お鉢めぐりから裏砂漠に立ち寄り、大島温泉ホテルまで歩くコース。まるで月面世界のような真っ黒な砂漠「裏砂漠」から、1986年の割れ目噴火がつくりあげた見事な溶岩原、緑の森が再生していく過程などを体感できる見応えのあるコースです。大島温泉ホテルは日帰り入浴も可能なので、登山後に温泉へ入り汗を流すのもおすすめです。
裏砂漠コースの途中にある分岐点から東側の海岸へ抜けていくロングコース。ゴールは大島一周道路沿いにある大島公園です。火口から砂漠や海まで、歩きながら大自然を堪能できるコースです。砂漠は広く迷いやすいので必ず事前にコースを確認して出発しましょう。
・三原山・お鉢巡りコース:約3時間
・裏砂漠コース(温泉コース):約4時間
・テキサスコース:約4時間
※所要時間は目安となります。時間には十分余裕をもって計画を立てましょう。コース確認には登山道の入り口や遊歩道に設置されている案内看板なども利用ください。
山頂口にある雄大な三原山を一望できる展望台。山肌に見える黒い筋は、1986年の噴火時に流れ出した溶岩流の跡。火山噴火を繰り返す三原山の全貌を堪能できるスポットです。近くには有名な甘味処「御神火茶屋」もあります。
三原山火口付近にある奇岩。ゴツゴツとした岩の姿がゴジラのように見えることから「ゴジラ岩」の愛称で親しまれている岩はフォトスポットとしても人気です。
火山噴火と聞くと山頂での噴火をイメージしますが、1986年の三原山の噴火では山の斜面で「割れ目噴火」が生じました。火山噴火により形成されたダイナミックな地形の様子を間近で観察してみましょう。
三原山の東側に広がる日本唯一の砂漠。辺り一面火山岩(スコリア)で覆われた真っ黒な大地の上でジャンプをして写真撮影を行ったり、寝転がったり、壮大な自然を全身で満喫しましょう!
三原山ハイキングコースの中に佇む豊かな自然に囲まれたホテル。三原山を眺望できる自慢の源泉かけ流し温泉と地元の食材を贅沢につかった食事が魅力の人気宿です。
住所:東京都大島町泉津字木積場3-5
1日3組限定、山腹にある贅沢なリゾートホテル。全室オーシャンビューのこだわりのお部屋でゆっくりとした島時間を楽しみましょう。
住所:東京都大島町元町字大洞492-1
島のシンボル三原山は、真っ黒に固まった溶岩や、広大な砂漠、目下に広がる美しい海の景色など、火山の迫力と雄大な自然の風景をぜひ肌で感じることができる場所。伊豆大島に訪れた際にはぜひ観光とともに三原山ハイキングも楽しんでみてくださいね。
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