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大神神社|三輪山の麓に佇む日本最古の神社

三輪山へと続く三つの鳥居を持ち本殿は設けていないという一風変わった神社です。

それは、『古事記』や『日本書紀』に記されるに、「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が三輪山に祀られることを望んだ」という神話に基づいています。

壮観な三輪山の麓に鎮座する大神神社の歴史や見どころを紐解いて行きましょう。

2020/09/27

大神神社の基本情報

歴史・概要

ご祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が御山に鎮まるために、古来本殿は設けずに拝殿の奥にある三ツ鳥居を通し三輪山を拝するという原初の神祀りの様を伝える日本最古の神社です。

「大神」と書いて「おおみわ」と読む様に、古より神様の中の大神様として人々に尊ばれ、平安時代には多くの祭の斎行され859年(貞観元年)には最高位の正一位となっています。

近世に入ると幕府により社領が安堵されて三輪山は格別の保護を受け、明治時代にはその由緒によって官幣大社となりました。現在も国造りの神様、生活全般の守護神として全国からの参拝があり、信仰厚い人々に支えられて賑わっています。

境内には、檜原神社、大直禰子神社、祓戸神社などもあるので、時間が許す限り参拝してみてください。

アクセス

● 電車でお越しの場合

JR桜井線 三輪駅より徒歩5分

※JR奈良駅から所要時間約30分

● お車でお越しの場合

大阪方面より

天理IC~国道169号線~三輪参道入口(交差点)~大神神社

京都方面より

木津IC~三輪参道入口(交差点)~大神神社

駐車場

大神神社周辺に無料駐車場を完備しているのでご利用ください。

① 大鳥居北駐車場 約100台

② 大鳥居南駐車場 約50台

③ 一の鳥居駐車場 約150台

④ ニの鳥居駐車場 約20台

ニの鳥居駐車場から神社へは徒歩1分、その他駐車場からは徒歩約15分程です。

※ニの鳥居駐車場は、正月期間と毎月1日は駐車禁止となります。

拝観料、拝観時間

拝観料

無料(宝物収蔵庫は有料:大人200円、 高校生以下100円)

開門

午前9時 閉門:午後5時

神楽祈祷は、午後4時までに受付の方に限らせていただきます。

御朱印

大神神社では、新たな御朱印の授与が2020年4月より開始されました。

御朱印の右半分に「大和国一之宮」「大神神社」、参拝された年月日が記され、「大和三輪山」「大神神社」の朱印が捺されています。

三輪の大神様のご神前にてお参りをされその証に是非お受けください。

大神神社の見どころ

三輪山

奈良盆地をめぐる青垣山の中でも、一際整った円錐形の山です。

大物主大神が鎮まる神の山として信仰され、『古事記』や『日本書紀』にも記されていました。大きな山には松、杉、檜などの大樹が生い茂り、その一つひとつの葉にまで神が宿っているとして崇められています。特に杉の木『万葉集』などの多くの歌集の中で「三輪の神杉」と神聖視され、後世に三輪山の杉の葉で造られた杉玉が酒造りのシンボルとして酒屋の軒先に飾られるようになりました。

酒造りの神様

大神神社のご神体である「三輪山」は別名「三諸山(みむろやま)」と呼ばれてきました。「みむろ(実醪)」とは「酒のもと」を意味していて、古来より「酒造りの神様」としても信仰を集めていました。

6世紀末、国内で疫病が流行してた時代に、「大田田根子(おおたたねこ)を祭主にし、酒を奉納するべき」というお告げの夢を見て、すぐさま酒造りの杜氏であった高橋活日命(たかはしいくひのみこと)を呼び、一夜で酒造りを行い神酒を奉納したと言います。するとたちどころに疫病が収まったという伝説があり、現在に渡っても「酒造りの神様」を称えて毎年11月に醸造安全祈願祭(酒まつり)が催されています。

この祭典には、全国の酒造家や杜氏関係者が参列して、祭典後には醸造安全の赤い御幣と酒屋のシンボル「しるしの杉玉」が授与されます。

なでうさぎ

元文5年、一の鳥居前に鉄の灯篭が奉納され、火を灯す火袋と呼ばれる部分にうさぎの置物が据えられていました。実は、春の大神祭は崇神天皇の8年卯の日に始まったとされ、それ以来卯の日を神縁の日として祭が催行されてきました。

また、第二次世界大戦の戦局悪化に伴い鉄灯篭なども供出を命じられた状況の中で、火袋を守っていたうさぎの置物は神社に保管されることとなったのです。

このように、過去の神話や言い伝えが相まって、現在は「うさぎの置物を撫でると身体の痛い部分を癒やす」と言われるようになり、今は病気平癒を願う多くの人に撫でられ光沢を増していてパワースポットとなっています。

うさぎのお守り

上述の通り、大神神社には「うさぎ」と深いご縁があり、お守りにもそれが現れています。

「卯(うさぎ)」には「草木が萌え茂る」という意味があり、「日の出」「出発」などの事の始まりを表現しており、「なで守」、「方除卯杖守」、「福卯槌守」などうさぎにまつわるお守りも多数ありますので、参拝の証にぜひお納めください。

薬井戸

三輪山登拝口の抜けた狭井神社の隣に、「薬井戸」という井戸があり、この汲み水は万病に効くという薬水だという言い伝えがあります。

現在も「ご神水」として水を汲みに来る方が多くいます。

夫婦岩

二ノ鳥居をくぐり参道を真っ直ぐ進むと左手に見えてくるのが夫婦岩です。

三輪の神様と人間の女性との恋物語を伝える岩があり、2つの岩が寄り添うように並んでいます。その姿はまるで寄り添う夫婦のようで、縁結びや夫婦円満にご利益があると言われています。

書き初めまつり

書き初めまつりは大神神社と奈良県書道教育研究会が主催する、県内の小学生~高校生や書道教室の力作が神社に奉納されるイベントです。例年1月に審査会が行われ、入賞作品が2月の3日間程度展示がされます。

三輪山が見守る我が国最古の神社

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広い境内の中に多くの神社がありますが、その全てが三輪山に包み込まれるように佇んでおり神聖な空気が漂っています。年間のお祭り事も豊富で、この場所は昔より人々の生活に根付いて常に寄り添ってきました。

広大な三輪山を眺望し、神社と一体となった大神神社へぜひお越しください。

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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