大小の島が点在し、「多島美」と称される瀬戸内海の風景。3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」では国内にとどまらず海外からも観光客が訪れ、注目を集めています。特に人気を誇る香川県の小豆島、直島、豊島について、子どもの頃から瀬戸内を訪れていたライターがモデルプランを厳選!この記事に入りきらないほど本当に魅力的な場所がたくさんあるので、ぜひ自分の足で、目で瀬戸内の景色に触れてください。
拠点となるのは、高松駅から徒歩10分ほどの場所にあるフェリーと高速船乗り場の「高松港」、駅からバスで10分ほどかかるジャンボフェリー乗り場「高松東港」です。
高速船(高速旅客船)は車を積載できないので注意してください。ジャンボフェリーは小豆島の坂手港へ行くのに便利で、通常のフェリーや高速船に比べて揺れが少ないのも特徴です。いずれも芸術祭の期間は特別ダイヤになる場合があるので、訪れる際は最新情報を確認しましょう。
高松港からは主に「土庄港」「池田港」「草壁港」の3つにアクセスできます。高松東港からは「坂手港」行きのみとなります。
片道約60分/大人700円、小人(小学生)350円
所要時間、料金ともにフェリーと同様です。
片道約35分/大人1,190円、 小人(小学生)600円
高松港からは「宮浦港」と「本村港」の2つにアクセスできます。
片道約50分/大人520円、小人(6歳~12歳)260円 ※往復割引:大人990円
片道約30分/大人1,220円、小人(6歳~12歳)610円
※高松⇒直島(本村)便:土日祝日月曜日のみ運航。高松発本村経由は1日1便のみ。
高松港からは「家浦港」と「唐櫃港」の2つにアクセスできます。唐櫃港行きは2020年11月まで運休のため、最新情報をご確認ください。
片道約35分/大人1,350円、小人(6歳~12歳)680円
小豆島~直島間は直行便がないため、3つの島をすべて周るなら豊島を経由する必要があります。まずは高松から小豆島、もしくは直島へと向かい、目的や滞在日数に合わせて豊島に渡りましょう。
フェリー:片道約30分/大人490円、小人250円
高速船(旅客船):片道約20分
フェリー:片道約50分/大人780円、小人390円
高速船(旅客船):片道約35分
高速船:片道約20分/大人630円、小人(6歳~12歳)320円 ※運航曜日にご注意ください。
所要時間、料金は上記と同様です。※土曜日~月曜日、祝日運航
瀬戸内海の島で淡路島に次いで2番目に広いとされる小豆島。バスやレンタカーを有効活用すれば、日帰りでも主要スポットを周ることができます。アート作品は名所の近くにひっそりと佇んでいる場合も。観光しながら写真スポットを周っていきましょう。
1つ目は「天使の散歩道」とも呼ばれる「エンジェルロード」。干潮時に現れる砂の道で、小豆島の必見フォトスポットのひとつです。「大切な人と手をつないで渡ると願いが叶う」という言い伝えがあり、恋人の聖地として知られています。
2つ目は風車が目印の「道の駅小豆島オリーブ公園(オリーブ園)」。地中海性気候に恵まれた小豆島では明治時代からオリーブを栽培しており、島の名物として長く親しまれています。オリーブの歴史に触れ、グルメや風景を満喫できる人気スポットです。
土庄港、もしくは路線バス「小豆島オリーブバス」の公式サイトで時刻表や路線図を確認できます。エンジェルロードは港からバスで10分ほど、オリーブ園は30分ほどでアクセスできます。土庄港のシンボルでもある「太陽の贈り物」も、小豆島のアート作品のひとつです。
あらかじめ土庄港でエンジェルロードの潮見表をゲットしましょう。日によって異なるので、干潮時刻に合うようにスケジュールを組む必要があります。潮見表は土庄町商工観光課の公式サイトでも確認できます。干潮時刻が午後の場合は、先にオリーブ園に行くのが良いでしょう。
>バス停:田ノ浦映画村線「国際ホテル(エンジェルロード前)」
小豆島国際ホテル方面に5分ほど歩くと到着です。砂の道を歩いて向こう岸へと渡りましょう。全体を撮影するなら、エンジェルロード入口の階段を上がった「約束の丘展望台」がおすすめ。観光客でにぎわうので、混雑を避けるなら平日や午前の早い時間が狙い目です。
エンジェルロードから30分ほど、同じ田ノ浦映画村線を利用して行けるオリーブ園。「サン・オリーブ」のバス停が最も公園に近いですが、他の路線でもアクセスできます。
>バス停:田ノ浦映画村線「サン・オリーブ」/坂手線、南廻り福田線「オリーブ公園口」
園内はハーブ園や広場、体験施設やお土産屋もあるので、休憩や買い物を兼ねて2時間ほど過ごすことができます。
レストランではオリーブを使ったグルメが目白押し!オリーブのソフトクリームは濃厚でクセがなく、特に女性に人気があります。海と緑を一望できる「オリーブパレス RestleA」では、名産品を使ったパスタやそうめんランチが楽しめます。オリーブオイルと塩で味わう付け合わせのフランスパンも絶品で、オイルの美味しさを存分に感じられます。食後には名産品がそろうショップでお土産選びも忘れずに。
土庄や池田、草壁など主要港には観光センターや市場があるのでお土産の買い足しにも便利。定番の名産品がまとまっていて、船の乗り場に近いのが利点です。
出発まで時間があれば、港に直行せずに土庄本町周辺で寄り道も◎。セレクトショップ「セトノウチ島モノ家」では、食品だけでなくちょっと珍しい雑貨のお土産も並びます。
路地が洞窟のようにつながっている『迷路のまち』も近くにあるので散歩してみましょう。入場料300円、利用可能時間は10:00~16:30で休業日は下記のカレンダーを参照してください。
ART SETOUCHI は、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」とその間に取り組まれる活動の総称です。
柑橘類やオリーブがよく採れるだけでなく、醤油の代表産地でもある小豆島。1日以上の滞在なら、グルメとホテルステイを楽しむのも島旅の醍醐味!2泊以上なら観光スポットに行くのは1日1つ~2つくらいにして、泊まりたいホテルをはしごしてもいいかもしれません。
>バス停:坂手線、南廻り福田線「安田上」、田ノ浦映画村線「安田」
車でのアクセスが便利で、バスの場合は「安田上」から徒歩約10分、「安田」から徒歩20分ほどで行けます。もろみ蔵の見学や醤油の試飲ができ、予約不要、見学料は無料です。併設の茶屋では、醤油プリンや焼き餅など香り豊かな手作りスイーツを堪能できます。
ヤマロク醤油から土庄港方面に行く途中に池田港があり、三都線に乗り換えれば「小豆島ふるさと村」にもアクセスできます。ふるさと村ではカヤックやクラフト体験ができ、キャンプ場やロッジなどの宿泊施設、レストランも充実。日本夕陽百選の高台に建つ「国民宿舎小豆島」も人気ホテルのひとつです。
三都線の「神浦西」方面に進めば、3つのアート作品を鑑賞できます。バス停「市神子」近くの石彫作品『境界線の庭』、「神浦西」すぐのホルン型の巨大集音装置『潮耳荘』、そこから徒歩約15分のツリーハウス『自然の目「大地から」』です。レンタカーだと特に周りやすく、この順番で北上していくと池田湾の景色も望めますよ。
>バス停:坂手線、南廻り福田線、田ノ浦映画村線など主要路線「井上誠耕園らしく園前」
オリーブや柑橘類、海と山の幸を味わえるレストランに加え、ベーカリーもあります。オリーブオイル作りやテイスティングなどの体験(※)、農園散策もできるので家族旅行にもぴったり。食品や化粧品、雑貨、植物の直売など品揃え豊富なショップもぜひチェックしてみてください。
※2020年9月時点は中止。最新情報は公式サイトをご確認ください。
小豆島の柑橘とオリーブの農家・井上誠耕園が営む、オリーブ専門店、カフェ・レストランです。
>バス停:田ノ浦映画村線「国際ホテル(エンジェルロード前)」
エンジェルロードに一番近く、すべての客室から海を眺めることができます。全室Wi-Fi完備で、和室からデザイナーズルーム、露天風呂付きの部屋まで幅広く選べます。夏季は、無料で利用できるガーデンプールもぜひ満喫しましょう。コース料理の夕食は島で採れたスモモのワイン、地魚のお刺身盛り合わせ、オリーブ牛の鉄板焼きなど島の名産品を堪能できるラインナップ。大浴場もオーシャンビューで、露天風呂はアルカリ性の小豆島温泉を楽しめます。
>バス停:四海線「グリーンプラザ前」
土庄港から車で10分ほどの距離にあり、送迎バス(無料)も予約できます。時刻表は公式サイトの「交通アクセス」を確認しましょう。
露天風呂から瀬戸内海を一望でき、夜はしっとりと暗く、静かな海の景色を楽しめます。特におすすめなのが朝風呂で、早起きすればキラキラと光る海の絶景をひとり占めできることも。朝食は和定食やバイキング、夕食は鯛しゃぶなどの豪華な会席料理を選べます。
>バス停:田ノ浦映画村線「ホテル松風(鹿島海水浴場前)」
天然温泉の露天風呂、ジェットバスやミストバスなど約16種類のお風呂を試すことができます。利用料金は中学生以上700円、5歳以上は350円で、100円で貸しタオルも購入可能。営業時間が長く、10:00~24:00まで開いているのも人気の理由です。土庄港との連絡バスもあるので、時刻表をチェックしてぜひ活用してください。
2泊以上の場合やリピーターの方はレンタカーで中山千枚田、兵庫の姫路港とをつなぐ福田港、岡山の日生港とをつなぐ大部港周辺を訪れるのもいいかもしれません。何度か行くうちに、自分のお気に入りルートやスポット、ホテルを見つけていくのも楽しいですよ。
日本の離島で最も現代アート作品が多いとされている直島。宮浦港(宮ノ浦)や本村港、ベネッセハウスミュージアム周辺など、3つの主要エリアは町営バスや徒歩で観光できます。見たい作品が多い人は2日あると無理なく周れますよ。バスはつつじ荘方面か、有価金属リサイクル施設方面の2つのルートのみです。
有名建築家の安藤忠雄さん設計、直島を代表する2つの美術館をメインに、直島で外せないアートスポットに立ち寄ります。
宮浦、本村のいずれからも一度「つつじ荘」のバス停に向かいます。ベネッセハウスミュージアムへは、そこから10分強歩くかベネッセの無料シャトルバスを利用しましょう。地中美術館などの休館日は運行されず、時刻表は年や時期によって変わります。訪れる際は最新情報、徒歩ルートを確認しましょう。天気の良い日は、つつじ荘から徒歩3分ほどの場所にある「南瓜」(草間彌生)で写真撮影も忘れずに!
大竹伸朗さんや杉本博司さん、アンディ・ウォーホルなど名だたるアーティストの作品が展示されています。美術館周辺にも屋外アート作品が並ぶので、ぜひ散策してみてください。施設内には海を望むレストランとカフェがあり、瀬戸内の海の幸が味わえる会席料理、カレーやパスタなどのランチを堪能できます。
カフェ併設のミュージアムショップも必見で、書籍やTシャツ、アクセサリーなどアート雑貨が満載!長居したくなる見どころが集まっています。
ベネッセハウス ミュージアムの美術館鑑賞案内・料金、アーティスト、鑑賞プログラム、レストラン、カフェ、ショップなどの情報をご覧いただけます。
安藤忠雄さん設計、自然光が差し込む地下空間に作品が展示されています。クロード・モネの「睡蓮」シリーズ、ウォルター・デ・マリアやジェームズ・タレルの代表作が常設されていることでも有名です。館内の「地中カフェ」では、オリーブ牛のステーキピラフやライスバーガー、野菜プレートを味わえます。瀬戸内レモンのフレーバーティーやレモネードもおすすめです。オリジナルグッズを販売しているショップもお見逃しなく。
※入場チケット:2020年9月時点、オンラインにて完全予約制です。
地中美術館の美術館鑑賞案内・料金、アーティスト、鑑賞プログラムなどの情報をご覧いただけます。
カラフルな外観にジャングルのような内装の「I♥︎湯」。宮浦港から徒歩5分圏内に位置する大竹伸朗さんのアート作品兼銭湯です。
ダイナミックな象のオブジェやモザイク画、ユニークな壁紙に囲まれて入浴できます。番台に売っているポップな色合いのタオルやTシャツなど、オリジナルグッズも必見。帰りの船に間に合えば、夜のライトアップもぜひチェックしてみてください。
宮浦港から徒歩5分ほどの場所にあるカフェ&バーで、スムージーなど種類豊富なドリンク、日替わりケーキを楽しめます。名物は魚介を活かした直島カレー。たっぷりのルーで満足度の高い一品です。夜はパスタやドリア、離島の名前がついた珍しい焼酎も提供しています。
船の時間までは、フェリーターミナルの「海の駅なおしま」でお土産を見たりカフェでお茶したりして過ごせます。
2日ほどあれば主要の3エリアを網羅できます。本村はカフェが多いので女子旅にも最適。お店をリストアップして欲ばりに楽しみましょう!
>徒歩5分ほどで直島郵便局や町役場周辺へ ※宮浦港から来る場合はバスで「役場前」or「農協前」下車
空き家などを改修して作品化した7軒の「家プロジェクト」は、観光客が絶えない直島の名所です。ポップなものが好きであれば大竹伸朗さんの「はいしゃ」、繊細な作品が好みであれば安藤忠雄さん設計の「南寺」など、実際に行って体感すべき空間が広がっています。
予約制の「きんざ」を除く共通チケット、1軒だけを鑑賞するワンサイトチケットもあるので、最新の開館カレンダーをチェックして散策しましょう。合間にランチやお茶の時間を挟んでじっくり過ごせます。
家プロジェクトの一覧、美術館鑑賞案内・料金、アーティスト、鑑賞プログラムなどの情報をご覧いただけます。
本村港から歩いてすぐ、海を望む小屋カフェです。エビの旨みが溶けこんだコンニチハカレーが人気で、パスタやオムライスなど日替わりメニューも充実。ブリュレなどのスイーツ、カフェドリンクやアルコール類もそろっています。
バス停「農協前」から徒歩3分ほど、本村港から徒歩5分圏内の場所にある古民家カフェ。玄米や野菜をじっくりと味わえるヘルシーメニューが並びます。豆腐や野菜を盛り込んだランチ「あいすなおセット」が定番で、そうめんセットもおすすめ。季節限定の自家製豆乳アイスはやさしい甘さの逸品です。
家プロジェクト「南寺」から徒歩5分ほどの隠れ家カフェ。とろっとろのオムライスや魚料理、キッシュなどのランチ、自家製シフォンケーキなどのデザートが楽しめます。夜はポテトサラダなどのおつまみ、ワインなど多様なアルコールメニューも提供しています。
ぬくもりのある和風な店内で 瀬戸内海の美味しい食材が堪能できます。アートを十分に堪能した後は中奥でひと休み。
>バスで「つつじ荘」へ
美術館エリアに建つ海沿いのゲストハウスで、和風コテージ、モンゴル風テントのパオ、トレーラーハウスから選べます。敷地内にカフェがあり、事前予約で和朝食がつけられ、夏の時期にはバーベキューも満喫。グループ旅行にもおすすめです。
直島の宿、つつじ荘のホームページです。波音の聴こえる場所で、パオやトレーラーハウスのお部屋に宿泊できます。お部屋の写真や詳細の確認、食事内容の確認、宿泊の予約ができます。
>バスで「横防」へ
宮ノ浦エリアのリゾート型グランピング施設「SANA MANE」。オーシャンビューのセミダブルとシングル、2つのルームタイプがあります。シャンプー類やドライヤー、タオルなどアメニティがそろい、無料Wi-Fiも利用可能。徒歩8分ほどで「直島パヴィリオン」に行けるので、夜のライトアップも見ることができます。
直島諸島に属し、起伏の多い豊島。小豆島と直島の両方にアクセスできるのも魅力です。島内はバス(島民優先)、もしくはレンタサイクルやレンタルバイクを活用しましょう。バスの時刻表は下記から最新情報をご確認ください。
島を代表する人気の豊島美術館や自然派ランチ、棚田の風景を満喫できる定番コースです。午前中は全身で体感する刺激的なアートスポットを訪れ、午後は島の自然に浸りましょう。
>家浦~唐櫃路線のバスで「唐櫃港」へ
3つの部屋で構成された、世界中の人々の心臓音を聞くことができる小さな美術館。心臓音が流れる展示部屋、パソコンで検索して聞く部屋、自分の心臓音を録音する部屋があります。日常ではなかなか味わえない、ランダムに流れるさまざまな脈拍音に囲まれた異質な空間。言葉に表しがたい高揚感や緊迫感を、ぜひ実際に行って体験してください。唐櫃港からは徒歩約15分です。
>家浦~唐櫃路線のバスで「唐櫃岡集会所前」へ
実際に使われていた民家で、嵐が過ぎ去るまでの約10分間を体感できるプログラムです。室内の照明や振動などを駆使して雨や稲妻、突風などを表現しています。呼び起こされる嵐の記憶と、その場の体験が混じり合う不思議な感覚に出会えるはずです。
>唐櫃港発家浦港行きバス「唐櫃岡集会所前」、家浦港発唐櫃港行きバス「清水前」
豊島美術館から徒歩10分強の場所にあるカフェ。一流シェフ協力のもと、島のお母さんたちが地魚や島野菜を使ったメニューを提供しています。素揚げ野菜がのったキーマカレー、旬のお魚を使った島キッチンセット、レモネードや週替わりのデザートなど、どれも素材の味を活かしたやさしい味わい。オープンテラスではイベントが行なわれることもあります。
>唐櫃港発家浦港行きバス「唐櫃岡集会所前」
レモン畑の中に佇む「泊まれるアート作品」で、アーティストのスマイルズが運営しています。施設内ではイヤホンガイドに従って進み、ペアで檸檬をほほにくっつけて写真を撮る「ほほ檸檬」の指令も。自撮りした写真をインスタグラムで発信するまでが作品とされています。芸術祭の期間はカフェも利用でき、豊島レモンを使った料理や自家製レモンサワー、レモンビールなどを味わえます。1日1組だけ宿泊でき、予約が殺到する人気ホテルとしても有名です。
「2人でカップルになりなさい。 相手がいない場合は、現れるまでしばし待つ。」このような指示に従って、檸檬ホテルを体験する。
ストーム・ハウス、島キッチン、檸檬ホテルはいずれも徒歩圏内。豊島美術館へは、徒歩10分ほどでアクセスできます。
>家浦~唐櫃路線のバスで「美術館前」へ
広大な棚田の一角に建つ「豊島美術館」。天井が一部くりぬかれたような設計で、そこから自然の光や音、風を取り入れ、水たまりや小さなしずくが床を這うように動いています。時間がゆっくりと流れていく穏やかな空気を感じながら、建物と自然の融合をじっくり味わってみてください。刺激的な作品をさくさく観たい人にはおすすめできません。繁忙期は午前中に整理券がなくなる人気スポットなので、計画的に観光しましょう。
※入場チケット:2020年9月時点、オンラインによる事前予約制
豊島美術館から歩いて5分ほどの高台から、海に続くように広がる美しい棚田の風景を見ることができます。島の人々が声を上げ、「棚田プロジェクト」として休耕田の整備が行われました。朝は爽快な水田風景、夕方は海に沈む夕日が見られる豊島随一の絶景スポットです。
>帰りは家浦~唐櫃路線のバスで「家浦港」or「唐櫃港」へ
ちょっとマニアックなアートスポットを巡る海沿いのコースです。夜は古民家の宿で島滞在を満喫しましょう。
>家浦~唐櫃路線のバスで「森万里子作品前」へ
日本を代表する現代美術家・森万里子さんの屋外アート作品。池に立つ高さ3mのガラスの柱で、研究施設のコンピューターと接続して発光するプログラムとなっています。唐櫃港と家浦港のちょうど真ん中に位置し、バス停から竹林の中を登っていきます。急斜面もあるので歩きやすい靴で行くと安心です。
>家浦~唐櫃路線のバスで「硯集会所前」へ
海沿いに建つドーム型のレストランで、瀬戸内海のパノラマを堪能できるテラス席が人気です。豊島レモンをのせたピザ、新鮮な魚介や野菜を使ったパスタなど絶品イタリアンを味わえます。料理に使うハーブや旬の野菜は、敷地内のハーブガーデンや畑で栽培。こだわりの食材と贅沢な海の景色を楽しみましょう。
>バスで「家浦港」へ
「生と死」を主題とするアーティスト・横尾忠則さんと建築家の永山祐子さんによる空間作品で、古民家を改修して造られました。建物にあしらわれた色ガラス、点々と彩られた岩などが目に飛び込んでくるように存在しています。スクリーンやガラス張りの廊下が広がる館内には、色彩豊かな平面作品がコラージュのように飾られています。家浦港から徒歩5分ほどでアクセスできるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
豊島横尾館から歩いて10分ほどの場所にある、アーティスト・大竹伸朗さんの空間作品。家浦にあったメリヤス針の製造工場跡に、宇和島の造船所に放置されていた漁船の木型が融合する形で展示されています。木船は海を渡り、島民や製作スタッフ総勢70名の力で家浦港から運ばれました。芸術祭の期間には夜間鑑賞ツアーが行われ、静かにライトアップされた幻想的な姿に。錆びついた工場空間、全長17mの木船の細部をじっくりとご覧ください。
家浦港から徒歩約5分、豊島横尾館からすぐの路地裏に佇む一軒家のレストラン。海外経験の豊富なオーナーがふるまうトルコやスペインの料理が味わえます。ランチ、ディナーともに島野菜や地魚を活かしたコース料理を展開。ここでしか味わえない異国料理×島食材の旬のメニューを堪能しましょう。
地魚と季節野菜をお届けする小さな料理店。地中海料理ベースの無国籍料理。
家浦港から徒歩約5分、豊島横尾館から50mほどの場所にある宿屋です。2階建てに広々とした和室が7部屋あり、エアコン完備でタオルやドライヤー、シャンプー類も利用できます。歯ブラシやパジャマはないので、事前の用意を忘れずに。荷物預かりも柔軟なので、ぜひ相談してみてください。食事はつかないので、ARUEIなど近隣の飲食店を予約しておくと安心です。
家浦港から徒歩約15分、針工場から3分ほどでアクセスできる、「五穀と野菜料理うか食堂」に併設しているゲストハウス。個室と一棟貸しから選べるので、家族旅行やグループにもおすすめです。1日1組限定のため余裕をもって予約しましょう。冷蔵庫やトースター、ドライヤーなどの電化製品、シャンプー類などアメニティも備えられています。夕食は、うか食堂にて野菜や穀物を使ったヴィーガン料理をお楽しみください。
今回紹介した3島に限らず、どの島も地元愛にあふれ、訪れる人を楽しませる場所を生み出し、守り続けています。1回の旅行で多く周ろうとせず、好きなものをじっくり見て食べて、思いっきりくつろぐのも島旅の醍醐味です。この記事で気になったものがあれば、リストアップして自分だけの島マップを作ってみてもいいかもしれません。
「効率よく周りたい」「移動を楽にしたい」という人は観光タクシーを活用して、ドライバーと相談しながら巡るのもおすすめ。何度でも行きたくなるお気に入りの島や場所、お店にたくさん出会ってください。
※展示内容や交通機関、施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。