プラドの絵画っていいなぁ・・・再認識しました。

【オンライン・アカデミー】西洋美術公認ガイドのペドロさんによる名画解説!プラド美術館とスペイン王室の至宝<日本語/Zoom利用>
★★★★★
投稿者:Ketty
参加日:2020/07/31
スペイン王室が200年あまりにわたり歴代の審美眼とセンスで選んだ絵画には、知識や理屈で選ばれたものでない品格と作品の流れがあります。
『プラド美術館にどうしてこれほど惹きつけられるのか?』と1970年代に初訪から一昨年12月に再訪するまで40年間何度も考え続けていました。
美術館の徒歩圏内のホテルから朝食後直行し館内のカフェで昼食、閉館近くまで4日間プラド美術館に浸かり続け、他はどこに行かないマドリッド 滞在は終わりました。他の国にも回りたい美術館はあるし再訪したいところもまだあり、プラドを訪ねるのは最後になるかもしれないと思っていましたがペドロさんの解説を聞いているうちにまたムズムズし行きたくなってきました、人間の持つ伝える力の魅力は絵画と同じくらいあるのかもしれません。

選ばれた名画と説明は初心者から上級者までを楽しませてくれる選択だと思いました。「快楽の園」の詳しい説明はとても良かったです。ボスはファンが多いですね、楽しい論争ができる絵画、突っ込みどころ満載過ぎてここでは割愛します。
「モナリザ」の複製は東京の愛好家で1枚、ダヴィンチの最後の住まいのクロリュセでも他の美術館でも見たことがありますがどれもルーブルのモナリザより大きいのが興味深かったです。オルセー最上階で頻繁に会っていたマルガリータですが「ラス・メニーナス」では女官たちで取り巻く時代背景が当時の様子を教えてくれます。後世に残す方法が絵画切ない時代ですから視線を変えると文化背景が浮き出てきて楽しかったです。
ティントレットの「聖木曜日の洗足式」は背景の説明から当時の時代絵巻に思いを馳せました。イングランド王の死後、スペイン 王の甥からフェリペ4世に渡り、教会に飾られ後にプラド美術館に。何度か訪ねたロワール地方の城や河を思い出しながらお聞きしていました。
旅というのは個人が手にすることのできるかけがえのない文化遺産です。このような我慢の時にペドロさんのお話を聞いているうちに過去の旅の情景や質量が蘇りとてもうれしかったです。
第二弾の企画をお待ちしています。個人の希望を言うならベラスケスの「十字架のキリスト」をお願いしたい。多くの美術館でみた「磔刑」の中で群を抜いて美しく静謐で威厳があり宗教を抜きにしても畏敬を感じました、個人的には世界で一番好きな「磔刑」です。最後の晩餐との関連性なども含めご意見をお聞きしたいと思います。

ペドロさんのような生粋のスペイン人が歴史的文化的背景、しかも多感な若い時代に絵画をアカデミックに分析した基礎に成り立つ感覚をお持ちだと思いました。その一部を後日、自国にとどまることを余儀なくされた状態で家にいながら拝聴できたのは幸運でした。どうもありがとうございました。