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コロッセオ観光ガイド|チケット予約&ローマのおすすめスポット情報

イタリアの首都ローマを代表する観光スポットとして知られる世界遺産コロッセオ。古代ローマ建築の最高峰といわれる巨大な円形闘技場で、ローマの中心部に位置しています。この記事ではコロッセオの歴史やアクセス方法、見どころ、周辺の観光情報などをまとめてお伝えします。

2020/05/08

コロッセオとは

建設の歴史

ローマ帝政期に造られた闘技場コロッセオ【Piazza del Colosseo】は、紀元72年に第9代ローマ皇帝のウェスパシアヌス帝の命によって建設を開始し、紀元80年の第10代ティトゥス帝の時代に完成しました。ラテン語の表記は【Colosseum】で、英語読みのコロシアムの語源になったといわれています。建てられた当時は「フラウィウス円形闘技場」という名称で知られていました。 造りは4階建てで、層によって建築様式が異なり、1階がドーリス式、2階がイオニア式、3階と4階がコリント式の柱で構成されています。高さは57mにもおよび、直径188m、短径156mの楕円形、周囲527mという巨大スケールで、当時の収容人数は5万人以上といわれています。中世から石切り場として使用され、建築資材として一部の大理石を教会などの別の建物の造営に使ったため、欠けている部分が多く見られます。

■ 剣闘士、猛獣の激しい戦い

落成(公共の建築物が完成すること)を祝う式典の見世物として、いけにえにされたゾウやライオンなどの猛獣と剣闘士の戦い、剣闘士同士の殺し合いがコロッセオで行われました。剣闘士は勝敗が決まるまで闘い続ける必要があり、負けた剣闘士は観客の判断によって生死が決定することも。ローマ市民の娯楽施設となったコロッセオでは、水を張って囚人などを戦わせる「模擬海戦」も開かれていました。これらのイベントは、社会問題から市民の目をそらさせるため、当時の支配者が命じた政策の1つであったといわれています。このような戦いはキリスト教の公認によって禁止され、6世紀半ばに終息を迎えました。

■ 世界遺産に登録された理由

1980年に「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」という名称で文化遺産として登録され、1990年にも一部の場所が追加登録となりました。コロッセオにカラカラ浴場、パンテオン、アウグストゥス帝霊廟など、古代遺跡や記念碑が残るこの地区は、ローマ帝国の栄華を象徴する場所とされ、イタリアが誇る世界的に有名な観光地となっています。

位置情報とローマからの行き方

ローマは世界有数の観光都市のため、交通機関が発達しています。中心部の旧市街に位置するコロッセオはアクセスしやすく、その方法もさまざま。地下鉄、バス、トラムの共通チケットもあるので、自分の滞在プランに合うアクセス方法を見つけましょう。

■ 電車

地下鉄B線に「コロッセオ駅」があります。テルミニ駅からラウレンティーナ【Laurentina】方面に2駅進むと着くので、到着日や最終日も観光しやすいでしょう。ローマ市内の地下鉄は主要のテルミニ駅を交差するA線とB線、一部工事中のC線があり、頻繁に運行しているため観光に最適。切符の券売機は英語表示がありますが、おつりに限りがあるのでなるべく小銭を使って購入するか、キオスク(新聞売り場)などで買っておくと安心です。

■ バス

テルミニ駅から85番のバスに乗ってコロッセオのバス停で降りましょう。乗る前に、停車駅の表示の中にコロッセオがあるか確認するのも忘れずに。乗車したら切符の表裏を確認して自動刻印機に通してください。切符はバスターミナルや自動販売機、地下鉄駅の窓口、ATACと書かれたキオスクやタバッキ(タバコや雑貨の販売所)で購入できます。 市内の主なバスは緑色やオレンジ色のワンマンカーで、バス停には「Fermata(フェルマータ)」という表示があります。路線が細かいので、あらかじめ目的地に行くバスの番号を調べておきましょう。

■ トラム(路面電車)

乗り換えが必要で時間が少しかかる方法ですが、比較的新しくきれいな内装の車体もあり、さまざまな街の景色を見たい人、ローマのトラムに乗ってみたい人におすすめです。コロッセオに行くためには、テルミニ駅から5番または14番のトラムに乗ってポルタ・マッジョーレに行き、下車した場所から移動して3番に乗り換えます。10分~15分でコロッセオ近くの停留所に到着です。

地下鉄、バス、トラムの共通切符の有効期間は100分、24時間、48時間、72時間、1週間など種類が豊富。市内の移動が多い場合や滞在が長い場合は特に便利です。ローマ・パスも候補に入れ、スムーズな移動やスポット観光に役立ててください。  

コロッセオの観光情報

入場料金と予約方法

付近のフォロ・ロマーノ、パラティーノの丘と共通の24時間有効のチケットがあり、大人の入場料は16ユーロ(約1,925円)18歳未満は無料です。オンライン予約の場合は1枚につき手数料2ユーロが加算されますが、優先的に入場できるので便利。無料のチケットを予約することはできないので注意してください。入場口でセキュリティチェックがあるので、18歳未満の人は当日チケット売り場に並んで無料チケットをもらうか、大人料金で予約しておくか、大人の同行者がいる場合は一緒に入りましょう。入場口で年齢証明ができるものを見せ、入場後の窓口で2ユーロのチケットを購入する必要があります。 

■ 当日現地で購入する場合

コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘の3か所にチケット売り場があります。コロッセオの売り場は大変混むので、他の2か所で買うようにしましょう。いずれもコロッセオから歩いて10分ほどの距離にあります。平日や午前の早い時間、もしくは夕方が比較的混みにくいといわれていて、午前は遅くなるほどコロッセオが混みやすいので、他の2か所よりも先に見ておくと安心です。夏場は日差し、暑さともに厳しいので、帽子やサングラスの着用、水分補給など熱中症対策を怠らずに。

■ ローマ・パス

市内の公共交通機関と指定の観光スポット(1、2か所)の入場料が含まれています。2019年3月からコロッセオの優先入場に時間指定の予約が必要になり、手数料2ユーロが別途発生することになりました。ローマ・パスは有効期間で値段が異なり、48時間の場合は28ユーロ(約3,370円)、72時間は38.50ユーロ(約4,635円)です。テルミニ駅構内、各スポットのチケット売り場、キオスクやタバッキなどで購入できます。

■ 混雑回避の方法は?

優先入場のオンラインチケット、ローマ・パスの利用が一般的ですが、入場付きの現地オプショナルツアーもおすすめです。日本語ガイドが解説してくれるツアーもあり、現地で迷うことなくスムーズに入場できます。 

 ■ 無料入場日

毎月の第一日曜日は無料で見学することができますが、通常よりも混み合うので注意してください。チケット売り場で無料チケットをもらう必要があるため、混雑は避けられません。フォロ・ロマーノやパラティーノの丘の売り場でチケットを入手し、コロッセオの入場の列に並べば時間が短く済む場合があります。

営業時間

時期によって異なり、イベントが開催されている期間などは時間の変更がある場合も。営業時間は短い期間で変動するので、下記は目安としてください。

1月2日~2月15日、10月最終日曜日~12月31日:8時30分~16時30分

2月16日~3月15日:8時30分~17時

3月16日~3月最終土曜日:8時30分~17時30分

3月最終日曜日~8月:8時30分~19時15分

9月:8時30分~19時

10月1日~10月最終土曜日:8時30分~18時30分

休業日は1月1日、12月25日となっています。夜間まで見学できる時期もありますが、入場とチケット売り場は閉館の1時間前までとなっているので注意が必要です。

観光の所要時間

入場する場合、スムーズに行けば45分~1時間あれば十分です。時期にもよりますが、共通券で回れるフォロ・ロマーノとパラティーノの丘を含めると、移動や混雑も考慮して2時間ほど見ておくのがよいでしょう。

日本語ガイド

チケット売り場で日本語のオーディオガイドを借りることができます。目安は1台5.5ユーロ(660円)ほどで、所要時間は約70分。コロッセオに限ったことではないですが、借りるときにパスポートを預ける必要があるので覚えておきましょう。オーディオガイド込みのチケットもあるので、気になる人はチェックしてみてください。音声ではなく、日本語でガイドさんが案内してくれる現地オプショナルツアーも選択肢の1つです。自分に合った方法で観光を楽しんでください。

見学時の注意点

ボトルなどの容器、スプレー類、スーツケースやかさばる大きい荷物などは持ち込み禁止です。周辺にコインロッカーはないので、テルミニ駅の荷物預かり所やホテルに預けるなどして、荷物検査の前に確認しておきましょう。また、一大観光地のため一度に入場できる人数は3,000人まで、という制限もあります。混雑を避けられる方法で効率よく観光しましょう。 コロッセオの周辺では、剣闘士に扮した地元の人が観光客を狙って写真を撮らせようとすることも。ぼったくり目的が多いので、声をかけられたり近くを通ったりしたときは注意が必要です。  

コロッセオ観光の見どころ

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外観も見ごたえがありますが、訪れたらぜひ闘技場の中を見学してみてください。スケールを目の当たりにすると、当時の人々が熱狂し、歓声をあげていた様子が浮かびそうなほど臨場感があります。ここではコロッセオ内部のおすすめポイントを紹介していきます。

アリーナ

剣闘士や猛獣が戦っていたとされる場所で、床など多くの部分が壊れていますが、半月型に再現された一部を見ることができます。崩れる危険性があるとされ、2012年末から修復工事を開始。2016年に一度大規模な改修を終え、工事を繰り返しながら現在の姿に至っています。

最上階

観客席の1階から3階の柱にはローマの神々や英雄の像が飾られたアーチがあり、大きな見どころの1つ。最上階の4階はアーチがなく、3階と同様にコリント式の様式で造られています。日よけの幕(天幕)を張るための支えや棒の穴があるのはこの階ならではの装飾で、当時は皇帝の特別席に直接日が当たらないよう、シェードを完備していたといわれています。

地下の控え室

地下には猛獣を入れていた檻、舞台装置の人力エレベーター、剣闘士たちの控え室などがあったとされ、通常の入場券では見学できません。地下見学付きのチケットを買うか、現地オプショナルツアーやローマ・パスを利用してぜひ鑑賞してください。

夜のライトアップ

昼は内部見学、夜は光に照らされたコロッセオをじっくりと眺めるのがおすすめ。外周を散歩しながら、幻想的な遺跡の夜景を楽しむことができます。1日の最後に、昼とはひと味違うコロッセオの姿を写真に撮って、旅の思い出に浸るのもいいかもしれません。  

コロッセオ周辺のおすすめ観光スポット

フォロ・ロマーノ

コロッセオと同じ古代ローマ時代の遺跡の1つで、市民の政治討論の場として集会や裁判、商業活動に使用されていた広場です。「フォロ」は英語で「フォーラム(公共広場)」の語源になっているといわれ、階級に関係なく大勢の人々が集まりました。共和制時代に政治の最高機関とされていたクーリア(元老院)、凱旋門やローマ皇帝の神殿などが残されています。パラティーノの丘とフォロ・ロマーノは続いているため、一度に見学しましょう。フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘、コロッセオの順に回るのがおすすめです。

パラティーノの丘

ローマの七丘の1つに数えられ、最も古いとされています。フォロ・ロマーノの南側に位置し、歴代のローマ皇帝が宮殿(パラティウム)を建てたことが由来となっています。かつては貴族などの有力階級の人々の住宅地として使用されていました。丘からは、ローマ時代に馬が引く戦車競技が開催されたとされる競技場「チルコ・マッシモ」も見ることができます。丘の北側の端にあるテラスは、フォロ・ロマーノを一望できるフォトスポットです。

この他に、ネロ帝の黄金宮殿といわれる遺跡の一部が残る「オッピオの丘」もコロッセオの近くにあるので、ぜひじっくり散策してみてください。  

コロッセオ周辺のおすすめホテル

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観光の拠点に適しているコロッセオエリア。街歩きしたくなる立地、嬉しい設備がそろう2つのホテルを見ていきましょう。

ザ・ハイブ・ホテル【The Hive Hotel】

徒歩20分圏内にコロッセオ、5分圏内にサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂があるホテルで、ハチの巣をモチーフにした内装が特徴です。レストランやホテル、コンビニなどが密集し、中心部にも近い魅力的な立地。ホテル内のイタリアンレストランにはテラス席もあります。

ザ・ハイブ・ホテル

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メルキュール・ローマ・セントロ・コロッセオ【Mercure Roma Centro Colosseo】

中心部のモンティ地区に位置し、地下鉄コロッセオ駅から徒歩8分ほどの距離にあります。レストランや会議室を備えていて、夏季は屋外プールとパノラマテラスも開放。ホテルの周りにはレストランや洋菓子店などがあり、地下鉄の駅も近いので移動も便利です。  

コロッセオ周辺のおすすめレストラン

観光の前後に立ち寄りたくなるおすすめのお店をピックアップしました。メニューやロケーション、お店の雰囲気など、惹かれるポイントを見つけたらぜひ行ってみてください。

ラ・ヌオーバ・ピアツェッタ【Ristorante la Nuova Piazzetta】

コロッセオから歩いて8分ほどの距離にあるカジュアルレストラン。カヴ―ル通りの路地にあり、観光地であるにもかかわらず、手頃な価格でおいしいイタリア料理が楽しめます。パスタやピザ、シーフード、お肉料理などメニューが豊富で、ローマ風の薄焼きピザも人気。夜は営業しておらず、ランチのみ開店しているので訪れる際は注意しましょう。

リストランテ・アロマ【Aroma(Palazzo Manfredi)】

コロッセオの目の前に位置する高級5つ星ホテル「パラッツォ・マンフレディ」内のレストラン。コロッセオ側のテラス席や窓際席が人気で、ミシュランで1つ星を獲得したこともある有名店です。コースメニューやグラスワインの種類も豊富で、料金設定は高めですが、絶景を見ながら食事を楽しみたい人はぜひ利用してみてください。

リストランテ・アロマ

コロッセオの目の前に位置する高級5つ星ホテル内のレストラン Why Aroma is the best Michelin restaurant in Rome? A spectacular vie…

 

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※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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