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サンピエトロ大聖堂観光ガイド|クーポラ入場&ローマからのアクセス

イタリアを代表する大聖堂で、世界最大級のカトリック教会として知られる「サン・ピエトロ大聖堂」。名だたる建築家、芸術家の作品が組み込まれたルネサンス・バロック様式の歴史的な教会建築です。首都ローマの市内にあるバチカン市国に位置し、世界中から観光客が訪れます。この記事では、歴史やアクセス方法、聖堂の見どころに加え、周辺のスポットやレストランも紹介していきます。

2020/04/16

サンピエトロ大聖堂とは

歴史

カトリック信者の聖地であるサンピエトロ大聖堂。4世紀、キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝によって、キリストの一番弟子である聖ペテロ(聖ペトロ、初代ローマ法王)の墓所にバジリカ(重要な教会、聖堂)として建てられたことが始まりです。1452年にニコラウス5世の命で再建され、1506年には教皇ユリウス2世の命によって改装が始まり、ルネサンスを代表する建築家のブラマンテらが着工したといわれています。同時代の建築家であるラファエロやミケランジェロも工事に関わり、1626年に完成。「サンピエトロ寺院」ともいわれ、イタリア語で【Basilica di San Pietro in Vaticano】、英語で【St. Peter's Basilica】と表記されるバチカン市国のシンボルです。

建築様式

外観正面のファサードの部分はサンピエトロ広場(サン・ピエトロ広場)に面した東側にあり、8本の円柱と9つのバルコニーでできています。聖堂の入口につながっている階段も、バロック芸術の巨匠ベルニーニによって設計されたものです。聖堂の中には11の礼拝堂、45の祭壇が据えられ、画家でもあったラファエロのモザイク画なども飾られています。建物内部にはベルニーニ作の「ブロンズの天蓋」、ミケランジェロが設計した「クーポラ」など、当時を代表する有名な芸術家の作品が並びます。クーポラ(ドーム)はブラマンテの頃から建設の計画が始まっていましたが、ブラマンテが亡くなったことにより設計の監督者が代わり、ミケランジェロの新しい設計案によって現在の姿に。彫像を多く取り入れるバロック様式、対称性や幾何学性などを重視した後期ルネッサンス様式が組み込まれた重要な歴史建築です。

バチカン市国とは

国全体が世界遺産に指定されている世界最小の都市国家で、カトリック教会の総本山。ローマ教皇が住む国として知られ、名高い貴重な美術品と建築物の宝庫です。主な観光スポットはサンピエトロ広場、バチカン宮殿や博物館などが挙げられます。バチカン市国とローマの国境といわれている場所は、オッタヴィアーノ通りから城壁沿いに進むと現れる、2つのアーチがある天使の門です。入国審査はなく、パスポート提示なしで通過できます。

サンピエトロ大聖堂の観光情報

ローマからの行き方

ローマ市内にあるため、アクセスしやすいのも魅力の1つです。効率よく観光できるおすすめの交通手段を紹介します。

■ 電車

テルミニ駅から地下鉄のA線に乗り、スペイン広場(スパーニャ)方面、バッティスティーニ駅行きの6駅目「オッタヴィアーノ・サン・ピエトロ」で降りましょう。乗車時間は約20分、料金は1.5ユーロ(180円)ほどです。

■ バス

テルミニ駅の前のホームGから急行バスの0番に乗り、サンピエトロ広場手前のコンチリアツィオーネ通り近くの終点で降りれば到着です。64番のバスで行く方法もあり、その場合はトンネルを過ぎてからPorta Cavalleggeriのバス停で降りましょう。バス停の手前の道を右に進むとサンピエトロ広場が見えてきます。

■ タクシー

テルミニ駅から20分前後で行くことができます。行き先を伝えるときは、紙に住所を書いて運転手に渡すとスムーズです。月曜日から土曜日までは初乗り3ユーロ(360円)ほど、日曜日や祝日は4.5ユーロ(540円)ほどまで上がります。手荷物1個は無料、2個目から料金が発生するのが一般的とされています。

入場料金

歴史的建造物であるにもかかわらず、内部を無料で見学できるサンピエトロ大聖堂。絶景スポットのクーポラに上る方法もおさえておきましょう。

■ 大聖堂内は無料で見学可能

聖堂用のチケット売場はありませんが、世界中から観光客が押し寄せるため、入場するために並ぶ必要があります。到着したら、大聖堂に向かって右手側の列、黄色の看板を目印に並びましょう。荷物検査を終えると、途中の通路でクーポラ入場の列と分かれるため、「BASILICA」と書かれた方へ進みましょう。

■ クーポラへはチケット購入が必要

階段とエレベーターのどちらを利用するかで入場料金が異なり、エレベーターは10ユーロ(約1,200円)、階段は8ユーロ(約960円)です。エレベーターに乗る場合も、途中から階段を上ることになるので覚えておきましょう。クーポラには内側と外側に通路があり、入場料金を払えば両方の通路を歩くことができます。約120メートルの高さから見渡すサンピエトロ広場やローマの街並みをじっくりと堪能してください。

営業時間、休館日

公式サイトによると、大聖堂の開館時間は7時~18時半(10月~3月)7時~19時(4月~9月)クーポラは7時半~17時(10月~3月)と7時半~18時(4月~9月)となっています。階段であがる場合は終了時間が早まるので、時間に余裕を持って訪れるのが安心です。

休館日は1月1日と1月6日ですが、水曜日は13時以降の開場日曜日や宗教行事がある日は休館となる場合があるので注意しましょう。

見学の所要時間

聖堂内部の見学であれば40分前後を目安とするのがよいでしょう。クーポラに上る場合は、内部見学と合わせて2時間ほど余裕を持つと安心です。

観光時の注意点

快適に、スムーズに観光するためのマナーや注意点を心得ておきましょう。覚えるべき3つのポイントを紹介します。

■ 混雑しやすい時間帯

混雑が集中しやすいのは、午前~15時ごろといわれています。夕方は日によって混む場合があるので、確実なのは早朝です。並び口は開場の午前7時より少し前に開くので、開場時間の前後に行くのがおすすめです。

■ 荷物はコンパクトにまとめる

スーツケースなどの大きめの荷物、ベビーカーの持ち込みは禁止されているので、事前にクロークルームに預けましょう。クロークルームを探す際は「GUARDAROBA」という看板を目指してください。カメラは建物の中に持ち込むことができ、フラッシュや三脚を利用しないようにすれば、写真撮影が可能です。

■ 肌の露出が多い服装、サンダルは避ける

神聖な場所なので、タンクトップやキャミソール、ミニスカートや短パン、サンダルなど、肌の露出が多い服装では入場できません。また、帽子を着用しての入場も禁止です。

サンピエトロ大聖堂の見どころ

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聖なる扉

広場側の入り口から入ると、まずは高さ20メートルほどのアトリウム(玄関廊)があります。ここを進むと5つの扉があり、その一番右側にあるのが「聖なる扉」です。1950年の聖年(ローマ巡礼者が教皇によって免罪を与えられる年)の前、1949年に造られました。聖書の話が描かれているブロンズ製の扉で、25年ごとの聖年のときのみ開かれ、ここを通って参拝すると罪が許されるといわれています。

「聖なる扉」を見たあとは、5つの扉の1つである「秘蹟の扉」から内部に入り、身廊(大聖堂の中央部)へと進みましょう。右手の側廊には、大理石でできた『ピエタ』の彫刻があります。ミケランジェロが20代に造った作品として、広く知られている傑作です。

モザイク画

聖堂の側廊や礼拝堂の祭壇には、さまざまなモザイク画が飾られています。ピエタ像の左隣にある「聖セバスティアヌスの礼拝堂」には、『聖セバスティアヌスの殉教』というモザイク画が飾られていて、ここにはヨハネ・パウロ2世のお墓があるといわれています。

ミケランジェロ設計のクーポラ

身廊に着いたら、大聖堂の象徴である大円蓋クーポラを鑑賞。クーポラを支える巨大な4本の柱の上部には4つの聖遺物を祀った祭壇が設置され、その下には聖遺物に深い関わりがあった聖人の像が飾られています。さらにクーポラの真下には、4本の螺旋状の柱に支えられたベルニーニ作の「ブロンズの天蓋(バルダッキーノ)」があり、その下の礼拝堂に聖ペテロのお墓があります。四隅の天蓋上部には、聖霊を囲む天使の像が配置されているので、細部までチェックしてみてください。

天蓋の奥に鎮座する「聖ペトロ(ペテロ)の椅子」と呼ばれる司教座は、サンピエトロ大聖堂のハイライトといっても過言ではない場所。豪華な黄金色の装飾と鳩のステンドグラスが荘厳な雰囲気を作り出しています。

地下墓地

クーポラの支柱に立つ聖人像の中の1つに、右手に大きな十字架を持つ「聖アンデレ像」があります。この像を過ぎて右下に行くと、地下墓地への入口が出現。この階は地下聖堂(グロッタ)ともいわれ、歴代の教皇のお墓が安置されています。この場所は、もともと64年のローマ大火でネロ帝によってキリスト教徒が殉教した競技場だったとされ、聖ペテロも磔刑(公開処刑)されたといわれています。16世紀ぶりにこのネクロポリス(巨大墓地)が発見されたときは話題になりました。

また、聖アンデレ像を左手にして教会の左側翼廊に進むと、ベルニーニのパトロンであった教皇「アレクサンデル7世の墓碑」が祀られているので、こちらもお見逃しなく。

日曜日のミサ

世界一大きな教会ともいわれるサンピエトロ大聖堂では、日曜日にお告げのお祈りであるアンジェラスと、聖堂の司教祭壇でミサが行なわれます。また、毎週水曜日にローマ教皇によるスピーチ(謁見)がありますが、日曜日にも不定期で行なわれる場合があります。スピーチの間、また前後の時間は観光客の入場を規制する場合もあるので注意しましょう。

夜のライトアップ

夜景スポットでもある大聖堂。昼とはまた違った静かで優美な雰囲気をまとっています。聖堂は白さを残した幻想的な色でライトアップされ、広場や周りの街の灯りがオレンジ色に輝きます。広場には警備員もいるため、治安の面でも安心です。

サンピエトロ大聖堂の撮影スポット

せっかく行ったなら、思い出に残る写真をたくさん撮りたいですよね。大聖堂を撮るのにおすすめのスポットを2つ紹介していきます。

サンピエトロ広場

大聖堂に接する広場で、法王がスピーチを行う場所として有名です。ベルニーニがデザインを担当し、1667年に完成しました。284本もの柱が並ぶ回廊に囲まれ、対になった2つの噴水と、その間にエジプトから運ばれたとされる高さ25.5メートルほどの巨大なオベリスク(記念碑)が据えられています。聖堂の正面に立って、緻密に造られた壮大な建築から成る絶景をカメラに収めましょう。

サンタンジェロ城

サンピエトロ大聖堂から歩いて10分ほどの距離にある、ローマの歴代皇帝の墓所となったお城。内部は国立博物館として開かれ、屋上やカフェのテラスは街を一望できる撮影スポットとして知られています。大聖堂とテヴェレ川を一度に見渡す壮麗な景色は必見です。

サンピエトロ大聖堂周辺のおすすめ観光スポット

聖堂の周辺にはバチカン観光で外せない名所がそろっています。特に人気のスポットを2つおさえておきましょう。

バチカン美術館

大聖堂に隣接するバチカン宮殿の横に佇む、ローマ教皇の収蔵品を集めた重要な美術館。有名なラオコーン像などの古代ローマ時代の彫像が所蔵されているほか、ラファエロ最後の作品である『キリストの変容』なども展示されています。バチカン宮殿の2階、4部屋のラファエロの間には、『アテネの学堂』を含むルネサンス期のフレスコ画が並びます。オンラインよりも現地購入の方が安く、入場料は大人が17ユーロ(2,040円)、6歳から18歳は8ユーロ(960円)、5歳以下は無料です。毎月の最終日曜日は入場無料ですが、混み合うので時間を多めに見ておきましょう。

システィーナ礼拝堂

宮殿の裏、大聖堂の北隣に位置する礼拝堂。ミケランジェロの『最後の審判』や『天地創造』、フレスコ画の名作を見ることができる名所です。礼拝堂のみの見学はできず、バチカン美術館のチケットを購入する必要があります。大聖堂、バチカン美術館とセットで観光する人が大半で、建物の間は混雑で進まないことも。肌の露出が多い服や帽子の着用、大きな声での会話、写真やビデオによる内部撮影は禁止されているので、見学の際は注意しましょう。

サンピエトロ大聖堂周辺のおすすめレストラン

散策しながら気になったお店に入るのもいいですが、悩んだときに迷わず行けるお店を控えておくと安心です。手頃な価格で味わえるおすすめの2店舗を紹介します。

Ristorante Tre Pupazzi

大聖堂から5分ほど歩いたところに位置するカジュアルレストラン。広場からサンタンジェロ城までを結ぶ大通りのコンチリアツィオーネ通りを北側に1本曲がった路地にあります。手頃な値段アマトリチャーナなどのパスタ、スカンピ(手長エビ)料理などを楽しめます。

Bono Bottega Nostrana

大聖堂から徒歩8分の場所にある、パニーニが人気のお店。店内はコンパクトでありながらテーブル席があり、店外のテラス席でも食べられます。地元客も多く、ランチだけでなく夜もにぎわっています。ワインが5ユーロ(約600円)から楽しめるのも魅力です。

サンピエトロ大聖堂&バチカン市国観光はツアー予約が便利

イタリアで一番有名な聖堂ともいわれるサンピエトロ大聖堂。ローマでもひときわ存在感を放ち、訪れた人々を魅了し続けます。バチカン美術館やシスティーナ礼拝堂など、周辺の観光スポットも回るなら現地オプショナルツアーが便利。ベルトラでは、日本語ガイド付きや優先入場など、バチカン観光を効率よく楽しめるツアーがそろっています。自分の滞在プランに合わせてチェックしてみてください!

※1ユーロ=約120.36円(2020年2月4日時点)

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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