銀閣寺(ぎんかくじ)は金閣寺と同じく、世界遺産に登録されていることもあり、京都旅行の際には必ず訪れたいお寺のひとつですよね。金閣寺は豪華絢爛な見た目が特徴ですが、対になる銀閣寺は落ち着いた「わびさび」精神を持っており、その幽玄な美しさは訪れるものを惹きつけて止みません。足利義満が作った貴族的で華やかな北山文化の金閣寺に対して、武家や禅宗の精神世界を表現した「わびさび」な東山文化を代表する銀閣寺。この記事では、わずか15歳で将軍職を継いだ足利義政の、美意識と宗教観のすべてを投影した、銀閣寺の歴史と魅力の理由を簡単にご説明します!
銀閣寺は、正式名称を東山慈照寺(ひがしやまじしょうじ)といい、金閣寺と同じく臨済宗相国寺派の塔頭寺院のひとつです。金閣寺の名前の理由はわかるけど、銀閣寺は銀色でもないし銀箔が貼られているわけでもないのに、なぜそう呼ばれるのか疑問な方も多いと思います。「銀閣寺」と呼ばれるようになったのは実は江戸時代からで、黄金に輝く舎利殿金閣が有名な「金閣寺」に対となるよう、「銀閣寺」との通称がついたという由来があります。
銀閣寺は、大文字の送り火で有名な如意ヶ岳の麓にあり、古くから清流と美しい情景に恵まれていました。この東山の地には以前浄土寺が建っていたのですが、応仁の乱で焼け落ち荒廃していたところを、生涯をかけて美を追求したと言われる室町幕府8代目将軍、足利義政によって山荘造営地の建設の場所に選ばれ、1482年(文明14年)にはその東山山荘の造営が始められたといいます。1490年(延徳2年)に足利義政が亡くなったあと、彼の遺言で東山山荘を禅寺に改め、夢窓疎石を開山として慈照寺が創建されました。この慈照というのは、義政の法号である「慈照院」にちなんで名付けられました。
1994年(平成6年)にはその歴史的価値を高く評価され、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。
銀閣寺の拝観時間は、3月1日~11月30日の夏季が8:30~17:00、12月1日~2月末日の冬季は9:00~16:30です。季節によって異なり、特別拝観などの時期は変更される場合もありますので、事前に確認してからお出かけしましょう。
拝観の所要時間はおよそ30分です。
銀閣寺の拝観料は大人(高校生以上)500円、小中学生は300円です。
住所:京都府京都市左京区銀閣寺町2
最寄りのバス停「銀閣寺道」には5系統、17系統、32系統、100系統、102系統、203系統、204系統が停車します。京都駅や祇園、四条河原町などのエリアからも、市バスを利用すれば乗り換えなしで到着できるためとても便利です。バス停「銀閣寺道」から銀閣寺までは徒歩約8分です。
京都駅からアクセスする場合は、電車と市バスの併用も便利です。京都駅で地下鉄烏丸線に乗車し「今出川駅」で下車。「烏丸今出川」バス停で102系統もしくは203系統のバスに乗り換えます。約15分ほどバスに揺られると、「銀閣寺道」バス停に到着します。
銀閣寺の境内には駐車場がありませんが、近隣に市営の「京都市銀閣寺観光駐車場」があります。利用時間は8:40~17:10、最大40台の普通車が停められます。利用料金は乗用車1回につき1,040円です。
なおこの駐車場はバス、タクシー優先のため、混雑が予想される時期には利用できない場合がありますので、できるだけ公共交通機関をご利用ください。
観音殿は慈照寺の象徴的な建物で、通称「銀閣」とも呼ばれ、国宝に指定されています。鹿苑寺の「舎利殿(金閣)」、西芳寺の「瑠璃殿」になぞらえて室町時代に作られた楼閣建築です。1層目は「心空殿(しんくうでん)」と呼ばれる書院造りの影響を強く受けた構造で、千体地蔵像が安置されています。2層目は「潮音閣(ちょうおんかく)」と呼ばれ、禅宗様の特徴を持った仏殿風の作りになっており、観世音菩薩木像が安置されています。この上層、下層の構造が金閣寺の舎利殿と似ていることから、「銀閣寺」と呼ばれるようになったといいます。内部は一般非公開になっています。
東求堂(とうぐうどう)は室町時代後期に持仏堂として建てられた、三間半四方の小さな建物です。建設当時は阿弥陀如来が祀られていたと言われています。東山山荘造営当時の遺構として現存する数少ない建物のひとつで、義政が愛した禅宗様式の庭園に囲まれています。4つの部屋のうち、「同仁斎(どうじんさい)」と呼ばれる四畳半の間は、茶室と書斎として使われていた書院造の部屋です。現存する最古の付書院(出窓のような棚)と違棚があり、現在の和室のルーツとなったともされています。
本尊の釈迦牟尼仏が安置されている方丈(本堂)前には、白砂の敷かれた美しい枯山水庭園があり、国の特別名勝、特別史跡に指定されています。錦鏡池(きんきょうち)を中心とする池泉回遊式庭園の構造で、「苔寺」と言われる西芳寺の庭園を参考にして作られたと言われていますが、残念ながら創建当時の庭園はほとんど失われており、現存の庭は江戸時代以降に改修されたものだとされています。
白砂を段形に盛り上げた形は「銀沙灘(ぎんしゃだん)」と呼ばれ、月の光を反射させるために、また白砂を円錐台形に盛り上げた「向月台(こうげつだい)」はこの上に座り、月が昇るを待つために作られたという説があります。
哲学の道は、銀閣寺と南禅寺をつなぐ約2kmの散歩道で、琵琶湖疏水に沿って敷かれています。このエリアは京都大学からも近く、昔から多くの文化人が住んでいたため、「文人の道」や「哲学の小径(こみち)」、「哲学者道」などと呼ばれていたと言われています。20世紀初期の哲学者であり、京都大学の教授でもあった西田幾太郎(きたろう)が、毎朝この道を歩いて思想に耽っていたというエピソードにちなんで、「哲学の道」と名付けられたといいます。
疎水沿いの桜、紅葉は京都屈指の美しさで、多くの観光客で賑わいます。1987年(昭和62年)には「日本の道百選」にも選ばれました。
色鮮やかな朱色が輝く社殿と大鳥居が有名な平安神宮は、銀閣寺と同じ東山エリアにあり、一緒に観光するにはピッタリのスポットです。バス停「銀閣寺道」から市バス5系統に乗車し、約10分で最寄りの「岡崎公園 美術館、平安神宮前」バス停に到着と近い場所にありますので、ぜひ一緒に訪れてみてください。
住所:京都府京都市左京区岡崎西天王町97
平安神宮(へいあんじんぐう)は、朱色が色鮮やかな境内が有名で、京都観光でもぜひ訪れたい場所のひとつです。境内は、結婚式やライブなどの会場になったり、創建当時から京都の人々に親しまれ続けている存在です…
銀閣寺と同じく、臨済宗相国寺派の塔頭寺院のひとつである金閣寺は、銀閣寺と合わせて訪問したい場所のひとつ。「銀閣寺道」バス停から市バス102系統、204系統に乗車すれば、乗り換えなしで行くことができアクセスも良好です。最寄りのバス停「金閣寺道」まではバスで約45 分です。
住所:京都府京都市北区金閣寺町1
金閣寺(きんかくじ)は、その黄金に輝くインパクトの強い見た目から日本だけでなく海外でも有名です。京都観光では欠かせない金閣寺ですが、境内にも周辺にも歴史的に価値の高い建物が集まっていて、見所満載。こ…
枯山水の石庭で有名な龍安寺は、銀閣寺の白砂の庭と合わせて楽しみたい、日本庭園の名勝です。ユネスコの世界遺産にも登録されている龍安寺へは、「銀閣寺道」バス停から市バス204系統に約40分乗車し、「わら天神前」バス停で下車。バス停から16分ほど歩くと到着します。
住所:京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
京都一周トレイルは、伏見稲荷大社を出発点として、清水寺や銀閣寺、蔵馬、嵐山の渡月橋などのエリアをめぐる山歩きコースです。道中には数多くの世界遺産や文化財があり、京都の豊穣な自然と歴史を一度に楽しむことができます。
一周するのは自信がない、という方でも安心!鉄道の駅やバス停などを起点にしているため、コースを区切って自分のペースで楽しめ、銀閣寺の近くには一部ルート(南禅寺から銀閣寺まで)が通っているので、気軽に楽しむことができます。
銀閣寺から歩いて5分、地元で昔から愛されている老舗のうどん屋さん。国産の小麦粉のみにこだわって製麺されたツルツルもちもちのうどんに、たっぷりの薬味と濃いめのおだしをつけて味わいます。体に優しいお野菜の天ぷらや、昔懐かしい味噌田楽などサイドメニューも豊富で、ランチにもディナーにもぴったりです。
住所:京都府京都市左京区銀閣寺バスプール南隣
創業50年以上。化学調味料、食品添加物を一切使用せず、京野菜を美味しく健康的に食べられる名物うどん「おめん」
哲学の道沿いにある、京料理と仕出しのお店。懐石ランチや湯葉料理など、京都の本格的な味をリーズナブルに楽しめます。胡麻豆腐は創業以来、素材と製法にこだわって作っている自慢の一品です。
住所:京都市左京区浄土寺石橋町65
銀閣寺表参道にある金箔、銀箔専門店。食用の金箔、銀箔をソフトクリームに贅沢にのせた金閣そふと、銀閣そふとは写真映え抜群です。他にも銀箔を一枚浮かべた銀閣ぜんざいや、金箔を散らした金粉コーヒーなど、気分を盛り上げるメニューが目白押し。金箔を使ったコスメや雑貨なども取り扱っており、お土産探しにもピッタリですね。
住所:京都府京都市左京区銀閣寺前町15-6
京都 銀閣寺参道、食べる宝石【琥珀糖】専門店&カフェ
古めかしい洋館を上がった2階にあるカフェレストランで、おしゃれな雰囲気を楽しみながらコーヒーやランチをいただくことができます。とんがり屋根がお城のような建物の、レンガの外壁にはツタが伸びていて、雰囲気は抜群。店内の家具もイギリス製のアンティークを誂えており、優雅な時間を過ごせます。
住所:京都府京都市左京区浄土寺上南田町36
ちりめん素材を用いた、和風でポップなデザインの京都らしい雑貨屋さん。アンティーク着物をリメイクして作ったハットやアロハシャツは個性的で、世界で一つしか無い逸品は、お土産や贈り物にも最適です。
住所:京都府京都市左京区浄土寺南田町86番地
築150年以上の蔵を改装した和雑貨ショップ。ちりめん雑貨や季節の草花を使ったアレンジメント、京都北山産杉から抽出したエッセンシャルオイル「杉の葉精油」など京都らしいユニークでおしゃれな雑貨を取り扱っています。
住所:京都府京都市左京区銀閣寺町39
東京やフランスでのパティシエ経験や和食の経験のあるオーナーによる、こだわりのパン屋さん。パンのおいしさを引き立てる食事や、夜にはワインも楽しむことができる「パン屋バー」の顔も持っていて、ランチやディナーを問わず立ち寄りたいお店です。
住所:京都府京都市左京区浄土寺西田町3
銀閣寺は京都市の中心部から少し離れたところにあり、慣れない土地での移動も考えると、効率的に観光するには少し大変なイメージがありませんか?貸切チャーターの観光タクシーなら、好きな訪問地を組み合わせるのはもちろん、待ち時間なしで移動できちゃいます!さらに現地のおいしいお店から歴史的な知識まで精通した、プロの案内を聞くことができるため、より深い京都を体験することができます。また海外からのゲストをお迎えする場合も、英語対応ができるドライバーさんがいるので、より深く日本の魅力を伝えられます。VELTRAでは一人ひとりのニーズにお答えする、貸切チャーターの観光タクシーを多数紹介しています。充実した京都観光にするなら、ぜひ一度チェックしてみてください!
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。