一度は耳にしたことがある世界遺産、グランドキャニオン。人生に一度は直接目で見てみたいという方も多いのではないでしょうか。太古の昔から作り出されたダイナミックな自然の造形美を肌で感じれば改めて地球の神秘を感じることができるはず。広大な敷地に見どころが点在しているので、事前に行きたい絶景ポイントをチェックしておきましょう。
アメリカを代表する観光地、グランド・キャニオン国立公園(Grand Canyon)。1979年に世界遺産に登録され、世界最大規模を誇る敷地の総面積は4,926平方kmと東京都の2倍以上。迫力満点の大峡谷は、コロラド川が600万年かけて浸食してできたものであり、剥き出しになった地層は18億年前のもの。深さは平均1.2kmもあり、とにかくスケール大な自然を堪能することができます。
最寄りとなる町はフラッグスタッフですが、通常の観光ではラスベガス発着でグランドキャニオンへ行くのが最も一般的です。日本からラスベガスのマッカラン国際空港への直行便はないため、ロサンゼルスやサンフランシスコで乗り継ぐことが最も多い経路となり、フライト時間は最短でも合計11時間~12時間かかります。
グランドキャニオンの主要観光エリアであるサウスリムへ行くためには、ラスベガスからさらに車で約5時間かかります。レンタカーを利用して自分で運転する方法もありますが、長距離運転、かつ慣れない地での運転となるため不安があります。やはりバスツアーを利用するのが一番楽でおすすめです。滞在時間が短く、グランドキャニオンに観光時間をあまり割けることができない方や、長時間のドライブだと体力が心配な方には飛行機(セスナ)のツアーがおすすめ。セスナであればサウスリムまで片道約40分で到着でき、半日もあればグランドキャニオンのビューポイントから景色を楽しむことができます。
ロサンゼルス旅行のついでにグランドキャニオンに行きたい方も少なくないのではないでしょうか。グランドキャニオンのツアーはラスベガス発着がほとんどとなりますが、数は少ないもののロサンゼルス発着のツアーもあります。小型飛行機を利用する日帰りツアーなら片道1時間30分でグランドキャニオンへ到着できるのでおすすめです。車だと片道だけでも最短8時間の長距離ドライブとなりますが、ロードトリップを兼ねてグランドキャニオン観光を楽しみたい方や、ロサンゼルス観光以外にも1泊2日または2泊3日とたっぷり時間を使える方は宿泊ツアーもあります。
しかしながら小型飛行機のツアーや宿泊ツアーはどちらも最少催行人数が決まっていることが多く、同日に一定の参加者が集まるまで催行が決定しないこともしばしばあるのが現状です。グランドキャニオンをメインに観光したいのであれば、ラスベガスまで足を運ぶのが吉と言えるでしょう。
春と秋:最高気温 16℃ 、 最低気温 1℃。
夏:最高気温 28℃ 、 最低気温 10℃。
冬:最高気温 6℃ 、 最低気温 マイナス6℃。
暑いイメージがあるグランドキャニオンですが、実は標高2,000mもあり、富士山5合目の標高と同じくらい。ラスベガスの気温と比べると10℃ほど低くなり、さらに乾燥しているため昼夜の気温差も激しいのも特徴です。また四季もあるので夏は暑く、冬は雪も降るほど冷え込みます。
夏は半袖を着ても、気温が低くなる夜に備えて体温調節ができるようにパーカーやウィンドブレーカーなど羽織るものを持っていくと良いでしょう。冬場は冷え込むためセーターにダウンジャケット、さらに手袋や帽子もあれば安心です。
グランドキャニオンにいる間は太陽光に体が晒されてしまうので、特に夏は熱中症対策として帽子やサングラス、日焼け止めを持参しましょう。空気も乾燥しているため、こまめに水分補給ができるように水は大きめのボトルで持参、またトレッキングなど体を動かす機会がある場合はスポーツ飲料やスナックバーを用意すると良いです。現地でジープツアーに参加する場合は砂埃がかなり舞うため、マスクやスカーフ、バンダナがあると便利。場所によって足場が悪いことも多いため、履き慣らしたスニーカーで行きましょう。
春夏秋冬それぞれ魅力がありますが、やはり過ごしやすいのは春と秋です。アッパーアンテロープキャニオンの光のビームは4月~9月の特定の時間しか見ることができないため、光のビームを見たい人はこの時期をぜひ狙いましょう。冬は冷え込みますが空気が澄み渡り景色が見やすく、一風変わった雪景色のグランドキャニオンを楽しむことができます。
東西に流れるコロラド川の南側をサウスリムと呼びます。一般的にイメージするグランドキャニオンとはこのサウスリムを指していて、道路やホテルなど観光としての設備も整っており、年間約500万人の観光客が訪れるグランドキャニオンの中心地です。
サウスリム・ビレッジを中心として、西側をウエストリム、東側をイーストリムと呼び、ビレッジ内には無料シャトルバスが深夜まで運行しています。サウスリムには計16箇所の展望台があり、各所からグランドキャニオンを様々な角度から楽しむことができます。ビジターセンターから歩いて数分の距離にある「マーサポイント(Mather Point)」は一番人気のビューポイント。突き出た自然の岩崖からはグランドキャニオンの4分の1を見渡すことができ、テレビなどでお馴染みのグランドキャニオンの風景を見ることができます。マーサーポイントから1kmほど離れた場所にある「ヤバパイ・ポイント(Yavapai Point)」も有名なビューポイントの一つ。展望台からグランドキャニオンの大パノラマを見ることができ、さらにグランドキャニオンの博物館とギフトショップが併設しています。
マーサポイント、ヤバパイポイントは朝日、夕日鑑賞でも有名で、特に日の出の景色はマーサポイント、夕日はヤバパイポイントから見ると綺麗と言われています。マーサポイントは朝日鑑賞で展望台が混み合いますが、グランドキャニオンで見る日の出は格別ですので、ぜひ早起きしてチャレンジしてみてください。
日の出時間の目安は、3月~10月は5時~6時台、11月~2月は7時台となっています。日の入りは4月~8月が19時台と比較的遅く、9月~3月は17時~18時台です。月内でも時間に幅があり、天候条件などによっても変わる場合があります。朝日、夕日鑑賞を目当てに訪れる場合は、あらかじめ直近の日の出、日の入り時間を確認することをおすすめします。
※2020年 毎月15日の時間を参照
コロラド川の北側のエリアはノースリムと呼ばれています。サウスリムよりも約400m標高が高く、冬は積雪により閉鎖されるため、5月末~10月上旬のみ訪れることができるエリアです。観光設備はあまり整っておらず、宿泊施設はグランドキャニオン・ロッジの一軒のみ。コロラド川を挟んでサウスリムの反対側に位置しますが、サウスリムからノースリムへ行くにはコロラド川を迂回しなければならないために片道5時間もかかります。そのため観光客もサウスリムと比べると10分の1ほどと言われており、初めてグランドキャニオンへ訪れる方よりも、静かにグランドキャニオンの風景を眺めたい方やトレッキングを楽しみたい方向けと言えるでしょう。
先住民族ワラパイ族の居留地のエリア。ワラパイ族の理念に沿って運営されており、国立公園内では自然保護のためにできない工事や建設も、ワラパイ族の許可があれば可能です。そのような中で実現されたのが2007年にオープンした「スカイウォーク」。絶壁から長さ21mも突き出たU字型の全面ガラス張りの橋で、約1,200mもの高さにあります。足元のガラスの床から見える谷底を想像するだけでも足がすくみそうになりますが、スリルを味わいたい方にはおすすめのアトラクションです。
ウエストリムは国立公園の敷地からは外れていますが、ラスベガスからは近いエリアにあり、飛行機のツアーであれば片道30分で行くことができてしまいます。スカイウォークによって注目されるようになったこともあり、滞在時間が少なくても大自然を感じることができる話題のスポットです。
ミュールは馬とロバの交配種。傾斜が激しいグランドキャニオンに適した馬と言われており、車で入ることが難しい峡谷内のトレイルの補修や食料の調達は今も全てミュールが運んでいるのです。現地ではミュール乗馬ツアーも人気で、西部劇やカウボーイの雰囲気を味わいたい方には特におすすめのツアー。しかし途中でミュールから降りることはほとんどできず、断壁のすぐそばを乗馬するため、参加にあたり体重制限をクリアし、体力確認もあります。さらに安全管理のため、ガイドの指示を的確に聞き取れる英語力がないと当日キャンセルされてしまうことも。ミュールツアーを希望する場合は、必ず事前に必要事項を確認していきましょう。
展望台からだとなかなかグランドキャニオンの全貌を見渡すことは難しいですが、上空からならさらに広大なグランドキャニオン全体を楽しむことができます。現地オプショナルツアーではヘリコプターや小型飛行機(セスナ)で周遊するのが一般的。グランドキャニオン到着後は、自由行動でマーサポイントなどのビューポイントに行くことができたり、ヘリコプターでシャンパンとともにグランドキャニオンを豪華に楽しめるプランもあります。陸路よりも短時間で終わるので、ラスベガスで残りの時間を効率的に楽しめるのも利点です。
レイクパウエルという人工湖を中心に、半径約230kmに含まれる地域をグランドサークルと呼びます。グランドサークル内には40箇所以上の国立・州立公園があり、さらにグランドキャニオンを含めて世界遺産は3つもあります。グランドキャニオン以外にもぜひ立ち寄りたい、人気のスポットを紹介します。
渦を巻いたような模様の岩壁を一度は写真で見たことがある方も多いのではないでしょうか。アンテロープキャニオンはグランドサークルの中央にあり、ネイティブ・アメリカンのナバホ族居留地内にあります。長い年月をかけて鉄砲雨や風が侵食して作った岩壁はまさに自然の芸術。ツアーでは地上に造られた「アッパー・キャニオン」もしくは地下に造られた「ローワー・キャニオン」のどちらかへ行くことが多いですが、特にアッパー・キャニオンでの、隙間から太陽光が差し込んだときに見ることができる「光のビーム」が人気の絶景ポイントです。光のビームは4月~9月頃、太陽が頭上に来る正午前後の時間にしか見られません。その他の季節や斜めに太陽光が入り込む時は、さらに模様が綺麗に浮かび上がるローワー・キャニオンに案内されることがあります。ローワー・キャニオンはアッパー・キャニオンに比べて秘境感があり、岩の隙間を降りて入っていくので、アドベンチャー気分を味わいたい方にはおすすめです。
アンテロープキャニオンに入ると幅は2~3mしかなく、人が通り過ぎるのも一苦労。バッグなどの持ち込みは、渓谷内に傷がつかないようにナバホ族によって禁止されているので、貴重品を入れることができる小さいウエストポーチを準備すると良いでしょう。
果てしなく広がる砂漠に300mほどの巨大な残丘(ビュート)や台地(メサ)が点々とそびえ立ち、神秘的な風景を醸し出すモニュメントバレー。数々の西部劇の舞台にもなり、先住民ナバホ族の聖地でもあります。現地にてナバホ族がガイドをする迫力満点のジープツアーではビュートにさらに近づくことができるので、ぜひ参加したいアクティビティの一つです。またモニュメントバレーへ向かう道中では、トム・ハンクス主演の映画『フォレスト・ガンプ』で、主人公が走るのをやめたシーンとして有名になった「フォレストガンプポイント」を通ります。まっすぐの道路が地平線まで続き、モニュメントバレーが奥に見える光景もまた人気の写真スポットです。
コロラド川がU時に蛇行している峡谷で、その形が馬の蹄鉄(ホースシュー)に似ていることからホースシューベンドと名付けられました。高さ300mの高さから谷底を見るのはスリリングですが、実際に見ると迫力満点。主に写真映えするスポットとして大人気ですが、段壁にあるので写真を撮る際は十分注意しましょう。
1926年に開通され、アメリカ南西部の発展に大貢献したルート66。シカゴからロサンゼルスのサンタモニカまで全長3,755kmもあるアメリカ旧国道です。グランドサークルを周遊する観光ツアーに参加するとルート66を通ることが多く、途中では映画『カーズ』のモデルとなった古い町並みが残る「セリグマン」に立ち寄ることもできます。古き良きアメリカを感じることができる写真を撮影できる写真スポットとしても人気です。
赤茶色の岩山と自然に囲まれたセドナはパワースポットとして有名です。木々が捻れて生えていたりと地球のエネルギー「ボルテックス(渦巻)」が集中しているといわれており、世界中の人々がヒーリングを求めてセドナに集まります。セドナに来たらまず訪れたいのは、最もパワーがあるとされる4大ボルテックス、「エアポートメサ」、「ベルロック」、「カセドラルロック」そして「ボイントンキャニオン」。トレッキング感覚で訪れることができます。またセドナ市内のお土産屋さんには、パワーストーンなどのスピリチュアルな小物もあるので、帰国してからもセドナのパワーが癒やしてくれるかもしれません。セドナから一番近い空港は、アリゾナ州の州都となるフェニックス・スカイハーバー国際空港。ロサンゼルスまたはサンフランシスコ経由で行くのが一般的です。
広大なグランドサークルは移動距離も長くなってしまうため、せっかく各スポットをたっぷりと楽しむならぜひ宿泊ツアーを検討することをおすすめします。1泊2日、2泊3日のツアーが多いですが、3泊4日、4泊5日のツアーならザイオン国立公園やアーチーズ国立公園、ブライスキャニオン国立公園など他の国立公園まで足を運ぶことができます。どうしても有名なグランドキャニオンに観光客は集中してしまいますが、その他の国立公園も素晴らしく、雄大な景観をのびのびと楽しむことができるので、自然をたっぷり楽しみたい方はぜひ検討してみてください。また宿泊ツアーでは、朝日鑑賞や夕日鑑賞、星空鑑賞までできるのが大きな利点のひとつでもあります。
2008年にオープンした、モニュメントバレーのビジターセンターに隣接したホテル。モニュメントバレー側に面した部屋のバルコニーからは、3つのビュートが並ぶモニュメントバレーの代表的な絶景を一望することができます。非常に人気が高いため、夏季などの繁忙期は早めの予約が必須。夕焼けはもちろん、朝、日の出に照らされて浮かぶモニュメントバレーのシルエットは感動の光景ですので、グランドサークル内に宿泊するなら一度は泊まってみたいホテルです。ホテルはネイティブアメリカンテイストな内装となっており、レストランもあるため食事にも困りません。
Welcome to The View Hotel. [check-availability] Ya’at’eeh, my name is Armanda Ortega and I am of th…
ハリー・グルーディングスが開業した歴史あるホテル。1920年初期、羊商人だったグルーディングスは妻とモニュメントバレーへ訪れてこの地の虜になりました。運良く土地を購入した夫妻は、すぐにナバホ族との交易所を設けてビジネスをスタートしましたが、大恐慌の影響を受けてしまいます。最後の60ドルを握りしめてハリウッドへ向かい、モニュメントバレーを映画の撮影地にできないかと交渉に出たところ、有名な映画監督ジョン・フォードと出会い、モニュメントバレーを西部劇の有名な撮影地とすることに成功しました。多くの撮影クルーが宿泊したロッジやレストランは、今も世界からモニュメントバレーへ訪れる旅行者を歓迎しています。
Goulding's Resort & Tours in beautiful Monument Valley has all the amenities and attractions for yo…
とにかく広大なグランドキャニオン。各観光スポットへの移動距離もあるためなかなか自分で観光するのは難しいですが、現地オプショナルツアーを使えばガイド、ドライバーが案内をしてくれるだけでなく、宿泊ツアーであれば現地宿泊先の手配もしてくれるので安心してグランドキャニオンの観光を楽しむことができます。たっぷりとグランドキャニオンを楽しめる宿泊ツアー、1日でも効率よく主要スポットを回れる日帰りツアー、短時間でもグランドキャニオンに行ける空路のツアーと滞在日数にあわせて最適なツアーを選ぶと良いでしょう。もちろん日本語ガイドのツアーも多数ありますので、グランドキャニオンに行く際はぜひチェックしてみてください。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。