音羽山清水寺(おとわさんきよみずでら)は、全国的にも「清水の舞台」のことわざで有名で、京都観光に欠かせないお寺です。2017年から行われていた本堂の屋根葺き替え工事が2020年に完了し、その荘厳な姿を再び見ることができるようになりました。
1200年以上の歴史を持つ見どころ満載の清水寺の基本情報から周辺のグルメ、観光ルートまで徹底的にご紹介します!
清水寺は、元は興福寺の末寺という位置づけでしたが、北法相宗の総本山として独立を果たしています。
778年(宝亀9年)に、奈良で修行を積んだ僧、延鎮上人(えんちんじょうにん)が、夢のお告げで北へ清泉を求め、現在の清水寺のある地、音羽山に向かったことが開創とされています。音羽山の滝のほとりで修行をしていた行叡居士(ぎょうえいこじ)から、霊木で千手観音を彫刻し、観音霊地を守るよう序言を授かり、開山をしました。この滝は現在にも残る「音羽の滝」と言われています。
その2年後の780年(宝亀11年)、鹿狩りに訪れた坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)に延鎮上人は殺生の罪と観世音菩薩の功徳を説きました。その教えに心を打たれた坂上田村麻呂は観音に帰依し、観世音菩薩を本尊として音羽山に寺院を建立し、清水寺が開山されました。「清水寺」という名前は、音羽の滝の清らかな水に由来しています。
1200年以上にも及ぶ長い歴史の中で、清水寺は度重なる火災に見舞われ、焼失と再興が繰り返されてきました。現在残されている建物は、1633年(寛永10年)に徳川家光によって再建されたものです。1994年(平成6年)には「古都京都の文化財」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。
6:00~18:00です。夏季の7月~8月は6:00~18:30まで拝観可能です。
夜間特別拝観時は6:00~21:30(21:00受付終了)と、開門時間が延長されます。期間は年ごとに変更されるので、詳しくは公式ページをご確認ください。
清水寺の拝観料は400円です。夜間特別拝観時も、料金は同じく400円で拝観できます。障害者の方の付き添いの方は身分証を提示すると拝観料が無料になる、特別減免制度があります。
住所:京都府京都市東山区清水1丁目294
清水寺境内には駐車場はないので、周辺にある京都市市営駐車場や民間の駐車場を利用しましょう。京都市市営駐車場の料金は普通自動車の場合、2時間1,040円です。最大59台を収容できる駐車場ですが、混雑する時期には観光バスやタクシーが優先となりますので、利用できない可能性があります。できるだけ公共交通機関を利用ください。
1. JR京都駅から
JR京都駅からのアクセスの場合、市バスの利用が便利です。206系統もしくは100系統に乗車し、「五条坂」バス停で下車。10分ほど歩いて到着です。
2. 阪急電鉄 河原町駅(四条河原町)、京阪電鉄 祇園四条駅から
四条方面からお越しの場合は、阪急河原町駅もしくは祇園四条駅の利用が便利です。市バス207系統に乗車し、「清水道」バス停で下車、徒歩約10分で到着します。京阪バスも通っており、83系統、85系統、87系統、88系統に乗車し「清水道」バス停または「五条坂」バス停で下車、10分ほど歩いて到着です。
3. 京阪電鉄 清水五条駅から
清水寺の最寄り駅は、この清水五条駅になります。駅からは約徒歩25分で到着します。
■伏見稲荷大社から
伏見稲荷大社から徒歩約4分にある京阪本線「伏見稲荷駅」から4駅乗車、「清水五条駅」で下車します。25分ほど歩いて清水寺に到着です。
■銀閣寺から
銀閣寺の最寄りバス停「銀閣寺道」から、市バス100系統に乗車します。25分ほどバスに揺られて「清水道」で下車し、徒歩約15分で到着します。
■祇園から
祇園からはバスもしくは徒歩でのアクセスが可能です。バス利用の場合、「祇園」バス停から86系統、100系統、110系統、202系統、206系統、207系統に約4分乗車し、「清水道」バス停下車。徒歩約15分で到着します。
徒歩の場合は約23分。八坂神社から清水寺に下る場合、産寧坂(三年坂)や二年坂、ねねの道を通るルートもあるので、お土産ショッピングやカフェで一休みしながら歩いてみるのもいいですね。
夜間特別拝観の期間中は境内がライトアップされ、日中とは違った幻想的な表情を見せる清水寺を楽しむことができます。春、夏、秋の年3回開催され、例年春は3月下旬~4月上旬、夏は8月中旬、秋は11月中旬~下旬までの開催となっています。期間は年ごとに変更されるので、最新の情報は公式ページをご確認ください。
清水寺は桜の名所としても有名で、境内にはソメイヨシノとヤマザクラ合わせて約1500本もの桜の木が植えられています。清水の舞台を桜が取り囲み、圧巻の迫力と壮大な景色を楽しむことができます。例年3月下旬~4月上旬が見頃で、シーズンには夜間特別拝観でのライトアップが実施されており、夜桜も楽しむことができます。
清水寺は京都屈指の紅葉スポットでもあります。約1000本のヤマモミジが色づき、例年11月中旬~12月上旬に見頃を迎えます。舞台下に広がる紅葉の海は、息を呑む美しさ。シーズン中の11月中旬~下旬には、夜間特別拝観でライトアップが実施され、幽玄な雰囲気を湛えた清水寺を楽しむことができます。
清水寺の正門で、現在のものは室町時代後期に再建され、2003年に解体修理されました。檜皮葺の入母屋造りで、日本の伝統的な屋根の様式が見られる建造物です。清水寺の建物のほとんどが1629年(寬永6年)の火災で焼失しましたが、この仁王門だけは室町時代の建築当時のまま残されています。1966年、国の重要文化財に指定されました。
門前には狛犬像が建立されています。狛犬像は、通常1頭が口を大きく開けた阿、もう1頭が口を閉じた吽という様式になっていますが、清水寺の狛犬は2頭とも共に口を開いた珍しい様式になっています。
清水寺の三重塔は国内最大級の仏塔とも言われており、その高さは約31メートルにも及びます。847年(承和14年)に創建された後、何度か焼失されましたが、1632年(寛永9年)に再建されたものが現在まで残されています。内部には大日如来像が鎮座し、鮮やかな朱色で彩られた外装は創建当時の桃山文化をよく再現しています。
京都の町からもよく眺望できるこの大きな仏塔は清水寺のシンボル的存在でもあり、東山の景観を形づくる重要な建物です。1966年、国の重要文化財に指定されました。
本尊の千手観音像が安置される建物で、1633年(寛永10年)に再建されたものが現在まで残されています。寝殿造風の建物から張り出された舞台はヒノキ板張りで、崖下からは約13メートルの高さがあります。この舞台は懸造り(かけづくり)という様式で、釘を一切使わずに建てられています。江戸時代初期の優れた建築技術を現在まで伝える重要な遺構として、1952年に国宝に指定されました。
この舞台は観音様に舞や能、狂言、歌舞伎といった芸能を奉納する場所として、古くから使われてきました。高い崖に作られた舞台から飛び降りる覚悟で、物事を実行するという意味で使われる「清水の舞台から飛び降りる」ということわざは、この舞台に由来しており、古くから観音様のご加護のある、神聖な場所として厚い信仰を集めていたことがわかります。
地主神社(じしゅじんじゃ)は「えんむすびの神さま」として有名で、全国から良縁祈願のご利益を求めて参拝者が訪れます。石と石の間を目を閉じたまま最後まで歩くことができれば恋愛が成就するという言われのある「恋占いの石」は、海外からの観光客にも人気です。また境内全体が国の重要文化財と、世界文化遺産に登録されており、その歴史的価値も高く評価されています。
延鎮上人が行叡居士から序言を授かった、清水寺の開祖の場所です。この滝の水が清く神聖なことから、清水寺の名前の由来ともなりました。流れる水には六根清浄、所願成就や万病平癒のご利益があるとされ、3つに分かれて流れ落ちています。心身を清める水として、「金色水」「延命水」とも呼ばれています。
随求堂(ずいぐどう)は諸願成就のご利益のある大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)と、縁結び、安産、子育ての神仏をお祭りするお堂です。堂内は真っ暗で非常に狭く、仏様の体内を模していると言われています。暗闇の中、数珠をたどって堂内を巡り、穢れを払い生まれ変わる「胎内めぐり」という修行を体験することができます。
現在の建物は1633年(寛永10年)に再建され、2000年(平成12年)に解体修理されたものが残されています。堂内には釈迦三尊像が安置され、天井には江戸時代の絵師、岡村信基による円龍が描かれています。1966年、国の重要文化財に指定されました。
スタートは清水寺で、境内を観光したあとは清水寺から八坂神社方面に伸びる、石畳の坂道がつづく産寧坂(三年坂)、二年坂を通ります。この地区は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、お土産屋さんや甘味処などで昔から賑わっています。観光とお土産ショッピング、カフェで休憩が一気にできるおすすめスポットです。
二年坂を進んでいくと、壮麗な五重塔がある法観寺にたどり着きます。法観寺の五重塔は通称「八坂の塔」とも呼ばれており、このエリアのランドマーク的存在です。また法観寺の向かいにある「八坂庚申堂」はカラフルなお守りがたくさん結び付けられている「くくり猿」が有名で、絶好の写真スポットですので、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
ここから維新の道、ねねの道方面へ進んで行くと、豊臣秀吉の妻、北政所ねねが秀吉を弔うために建立し、余生を過ごしたお寺「高台寺」にたどり着きます。高台寺からねねの道をずっと進んでいくと、八坂神社に到着しゴールです。
二年坂にあるお茶漬けバイキングのお店。20種類ものお漬物をサラダバー感覚でいただけるヘルシーなランチが楽しめます。人気店のため、受付で記名して案内を待つ方式を取っているので、呼ばれるまで周辺のショッピングや観光も楽しめます。
住所:京都府京都市東山区清水3-343
阿古屋茶屋(あこやぢゃや)のお茶漬けバイキング(1600円)では、なす、きゅうり、ゆず大根、長芋わさびなど20種類のお漬物が食べ放題! 3種類のごはんと組み合わせて、まずはごはんのお供に、締めはお茶…
抹茶を中心としたスイーツが絶品の和カフェ。陶芸作家による器を使用し、落ち着いた空間でゆっくり召し上がれます。看板メニューの「抹茶のレアチーズケーキ」は特に人気で、売り切れてしまうこともあるため、ゲットできればラッキー。
住所:京都府京都市東山区清水2-208-10
こんぺいとうや京飴、抹茶菓子などを販売するお店。瓶詰めされたカラフルでかわいいお菓子はフォトジェニックで、ギフトだけでなく自分用にも買いやすいデザインです。定番とはちょっと変わったユニークなお土産として人気です。
住所:京都府京都市東山区八坂通二年坂西入
清水寺は京都観光では定番の場所ですよね。見どころ満載の清水寺だからこそ、プロの案内と解説を聞きながら観光できれば、より充実した時間を過ごせます。VELTRAでは、定番スポットを一気に巡れるバスツアーから、個人のニーズに沿って経験豊富なドライバーさんが案内する貸切の観光タクシーまで、さまざまな現地オプショナルツアーを紹介しています。バスツアーは主要スポットを効率的に巡れるので、1泊2日など短期滞在の旅行や初めて京都に訪れる方にピッタリ。貸切チャーターは自由に見学箇所を組み合わせて英語対応ができるドライバーさんもいるので、海外からのゲストへのおもてなしとしてもピッタリ。ぜひ一度チェックしてください!
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