離宮二条城(りきゅうにじょうじょう)は、京都市内にある平城で、江戸幕府の始まりから終わりまでを見届けた近代日本史で非常な重要な場所です。世界遺産にも登録された二条城は、新しい時代への変遷を象徴する場所として、深い歴史を持ちつつも現代ではテクノロジーを用いた革新的なイベントが行われていたり、京都観光の際には絶対に訪れたい場所のひとつ。この記事では二条城の歴史や詳しいアクセス方法、より理解が深まる見学ポイントなどを徹底的に紹介します!
二条城は、江戸時代の初代将軍徳川家康が、1603年(慶長8年)に天下普請(全国の大名に命令して行われた土木工事)を命じて造営されました。京都の守護と、将軍上洛の際の宿泊所としての目的を持っていました。京都で力を持っていた豊臣家を警戒していた家康にとって、二条城は非常に重要な戦略起点でした。家康亡き後も、二条城は徳川家にとって重要な場所でありつづけ、1626年(寛永3年)には3代将軍家光によって本丸、二の丸、天守閣が作られ、現在の規模まで拡張がなされました。
1867年(慶応3年)には最後の将軍となる徳川慶喜が、二の丸御殿の大広間で「大政奉還」を発表し、政権を朝廷に返上したことはあまりにも有名です。大政奉還をもって江戸時代は終末を迎え、二条城は新しい時代が幕を開ける舞台にもなりました。
現在では、1994年(平成6年)に「古都京都の文化財」としてユネスコ世界遺産に登録され、その歴史的重要性が認められました。築城後約400年経った今でも、現代的なアートアクアリウムやプロジェクションマッピングなど、テクノロジーと歴史とアートが融合した新しい文化を発信する場所として、多くの人から愛されています。
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
二条城の最寄り駅は、京都市営地下鉄東西線「二条城前駅」で、駅から出てすぐのところにあります。京都駅からのアクセスの場合は、地下鉄烏丸線に乗り「烏丸御池駅」で下車、東西線に乗り換えて1駅です。京阪三条駅からは乗り換えなしで3駅と、三条や河原町方面からもアクセス良好です。またJR嵯峨野線「二条駅」の利用も可能ですが、二条駅からは徒歩17分ほどかかるので、地下鉄の利用がより便利です。
二条城には最寄りのバス停「二条城前」も目の前にあるため、市バスでのアクセスも便利です。京都駅からは9系統、50系統、101系統もしくは急行の111系統に乗車し、乗り換えなしで約16分で到着します。できるだけ乗り換えをしたくない方は、バスの利用がおすすめです。
二条城には乗用車が最大120台駐車できる第1駐車場(2時間まで1,050円)と、最大20台まで駐車できる第3駐車場(2時間まで800円)があります。営業時間は8:15~18:00までとなっていますが、開城時間によって変更となる場合がありますので、事前に公式ページで確認することをおすすめします。周辺には生活道路が多く住民の方も多くいらっしゃるので、できるだけ公共交通機関を利用ください。
二条城の開城時間は通常、8:45~16:00です。1時間後の17:00に閉城されます。7月~8月の夏季は8:00~17:00(閉城18:00)、9月は8:00~16:00(閉城17:00)とオープン時間が少し延長されます。二の丸御殿の受付時間は8:45~16:10まで(7月~8月は17:10まで)と異なっています。
また毎年12月29日~12月31日は休城日、12月~1月、7月~8月の毎週火曜日、1月1日~1月3日、12月26日~12月28日は二の丸御殿の休殿日となっています。クローズ日が休日の場合は
二の丸御殿はオープンされていますが、翌日にクローズ日が振替されますので、スケジュールにはご注意ください。
入城料と二の丸御殿観覧料がセットになった料金は、一般1,030円、中高生350円、小学生200円、小学生未満は無料です。一般のみ二の丸御殿観覧なしの入城券も620円で購入可能です。また30名以上の団体には割引料金が適用されます(1人830円、入城料のみ520円)。二条城障壁画の展示収蔵館への入場には、それぞれ別途100円の入場料が必要です。
二条城は神社仏閣ではないため、御朱印をもらうことはできません。しかしながら「入城記念符」が300円で販売されているので、記念として購入するのもいいですね。「入城記念符」は大休憩所の売店で購入できます。
二条城で欠かせない場所が、二の丸御殿。全6棟の構造からなる書院造の代表的な建築物です。国内の城でこの構造を現在まで残すものは二条城の二の丸御殿のみとなっており、日本史上重要な遺構です。その高い歴史的価値が認められ、1952年(昭和27年)には御殿の6棟全てが国宝に指定されています。
二の丸御殿で見るべきポイントは、約3600面にも及ぶ襖絵。うち1016面が国の重要文化財に指定されています。日本画界でも偉大な絵師集団である狩野派によって手がけられた障壁画は、部屋の用途に応じて異なる絵柄が描かれており、優れた空間デザインが現在でも高く評価されています。例えば、武士が控える場所として使用された「遠侍一の間」「二の間」「三の間」には獰猛な虎が描かれ、訪れた者へ徳川家の権力を誇示しています。老中が控える「式台」の間には青々とした松が描かれており、幕府が永遠に繁栄することを表現しています。大政奉還が行われた「大広間」は、狩野探幽による松と孔雀の障壁画によって装飾され、将軍にふさわしい格式高い空間作りがなされています。
二の丸御殿に訪れる際には、それぞれの部屋の役割を認識しながら襖絵を観賞すると、よりツウな楽しみ方ができますよ!
内堀で守られた城の中心部にある建物で、現存するものは1847年(弘化4年)に京都御所内にあった旧桂宮邸を移築したもの。当時は天皇家の別荘として利用されていました。以前にあった本丸御殿は、第3代将軍の家光によって後水尾天皇行幸の御所として建てられましたが、1788年(天明8年)に焼失。その後、第15代将軍の慶喜によって再度御殿が建てられましたが、1881年(明治14年)頃に取り壊された後に再建はされず、同じ場所に明治天皇の意向により旧桂宮邸が移築されました。江戸時代の天皇家の住宅様式を残す貴重な建造物として歴史的に価値が高く、国の重要文化財に指定されています。
本丸御殿にも狩野派の絵師、狩野永岳による襖絵があります。二の丸御殿は武家風の作りのため障壁画も武家気質のあるタッチですが、本丸御殿の松鶴図は精緻な描写と鮮やかな色彩が特徴的で、宮廷気質を表しています。
2017年から保存修理工事が行われており、残念ながら現在一般観覧は行われていません。工事完了予定の2021年には一階部分を通年公開し、能舞台などでイベントを催す計画がされており、完成が楽しみですね。
二条城は「二の丸庭園」「本丸庭園」「清流園」という大きな3つの庭園を擁しています。
「二の丸庭園」は国の特別名勝に指定されており、武家風の書院造庭園という、二の丸御殿から最も美しく観賞できるよう意識した作りになっています。大政奉還後、二の丸庭園は荒廃していましたが、宮内省管理により改修が行なわれ、現在の姿が完成したと言われています。
「本丸庭園」は旧桂宮邸の移築と同時期に作庭されたと言われ、元は枯山水庭園の作りでした。しかし後に明治天皇により改造が命じられ、芝庭風築山式庭園になったものが現存しています。明治中頃に台頭した、洋風庭園に影響されていると考えられています。
「清流園」のある場所には築城当時、城内通路と天守閣がありましたが、1750年(寛延3年)の落雷により焼失したと言われています。その後、幕末までは武士の住む建物群があったと言われ、1915年(大正4年)には大正天皇即位式の開場として、饗宴施設が増築されました。饗宴施設の移築撤去後、1965年(昭和40年)に「清流園」が造園されました。東半分は洋風庭園、西半分は池泉回遊式の和風庭園という、和洋折衷型のつくりになっています。園内に建てられた茶室「和楽庵」は、国賓の接遇などで現在も利用されています。
二条城には敷地内に約50種、300本にも及ぶ桜が植えられており、桜の名所としても有名です。ヤマザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラ、サトザクラなど開花時期が異なる種類の桜も多いので、 3月下旬~4月下旬ごろまで長く楽しめるのが魅力です。
見頃である3月下旬~4月中旬には例年「二条城桜まつり」というイベントが催されており、期間中は桜や唐門のライトアップ、プロジェクションマッピングなどが行われます。普段とは異なる、幻想的でフォトジェニックな表情を楽しむことができます。
夏季7月~9月は、朝や夕方の涼しい時間帯に観覧できるように、開城時間を延長しています。貴重な文化財や国宝の特別公開といった、期間限定のイベントも開催されます。また普段は公開されていない清流園の香雲亭で御膳をいただける、贅沢な朝ご飯のプランもあり、例年たくさんの来場者で賑わいます。
二条城の庭園、「清流園」内にあるお茶屋さん。約300年前に建てられたお屋敷と、庭石を元にして作られたお店でいただくお茶は、京都の老舗純喫茶「茶房前田」のもの。抹茶を中心にした和スイーツメニューも豊富で、観光の一休みとして立ち寄りたいカフェです。
住所: 京都府京都市中京区二条城町541 二条城敷地内
茶房前田は、二条城内にある茶室「和楽庵」に店舗を構えております。 高瀬川一之船入にあった約300年の歴史をもつ角倉了以の屋敷の一部と、その庭園の池石約800個を元にして作られた建物です。また、その眼…
一汁三菜のバランスが取れた和食がいただけるカフェレストラン。町家を改装した店内は木のぬくもりを感じられて、リラックスした時間が流れます。アルコールメニューも豊富で、バーやディナー利用にも最適です。
住所:中京区二条通富小路東入ル南側2軒目晴明町671
二条富小路にあるカフェまつはのサイトです。
三条商店街にあり、地元の人から10年以上愛されるカフェ。隣には焼き菓子工房が併設されていて、工房で買ったケーキを食べることもできます。ピザやパスタなどの食事メニューも充実していて、ランチ利用で訪れたいですね。
住所:京都市中京区三条通り猪熊西入る御供町309
【営業時間】 12:00→22:00 ラストオーダーは21:00 【定休日】 水曜日 三条商店街で10年間親しまれてきた場所から引っ越しをして少し広くなって、さらさ焼き菓子工房の隣にリニューアルオー…
京都市の中心部である四条にあるこちらのホテルは、二条城や清水寺、八坂神社など観光地へのアクセスもよく、錦市場やショッピングが楽しめる河原町からも近い場所にあります。リニューアルされたお部屋の壁には和紙があしらあわれ、和風モダンな空間になっています。
住所:京都市下京区傘鉾町52
【公式】ホテルマイステイズ京都四条の予約はこちらからどうぞ。阪急京都線烏丸駅や市営地下鉄四条駅より徒歩6分。京都観光では必見の二条城、花見小路、清水寺を訪ねる際にも当ホテルをご利用の上、素晴らしい歴…
登録有形文化財のビルを改装したホテル。モダンなつくりの客室と、レトロな外観は特別な経験を与えてくれます。フロントでは工芸品のポップアップショップ、1階にはアパレルショップ、カフェバーが併設され、ものづくりイベントの催しなどもあり体験型の宿泊ができます。
住所:京都市中京区三条通柳馬場西入桝屋町75
かつて東海道五十三次の起点/終点として描かれた京都三条。日本のローカルを旅するきっかけを提供するホテルです。烏丸御池駅から徒歩5分と好アクセス。
二条城のすぐそばにある、全日空グループ運営のホテル。地下鉄二条城前駅から徒歩4分と、他の観光地へのアクセスもいいのが魅力的です。JR京都駅からのシャトルバスも出ていて、ルームサービスも充実しており、快適な旅の拠点にできそうです。
住所:京都市中京区堀川通二条下ル土橋町10
二条城は歴史も深く見どころも満載なので、もっと詳しい解説を聞くことができれば、より充実した体験になりそうですよね。そんな方には京都観光のプロがご案内する、観光タクシーがおすすめ。貸切なので好きなように行程を組み合わせ、自分のペースでじっくり観光をすることができます。海外からのゲストにもより深く京都を楽しんでもらいたい!という方でも、英語対応ができるドライバーさんがいるので安心です。VELTRAでは、経験豊富なドライバーさんによる貸切チャーターの観光タクシーを多数紹介しています。ぜひ一度チェックしてください!
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。