「ニュージーランド」という国名を聞いて何を思い浮かべますか。
人口より羊が多い国。緑豊かで見渡す限り大地が広がる国。ラグビー強豪国。
どれも正解ですが、紐解いていくと魅力あふれる国立公園、文化、グルメが所狭しとひしめいています。
日本と同じ島国で、北島、南島より構成されるニュージーランド。この記事では、ニュージーランドの全体像をご紹介します。
ニュージーランド航空、日本航空、全日空など複数の直行便、経由便が運行しています。
所要時間は、直行便:10時間~11時間半程です。
時差は日本より3時間早くなり、日本の午前8:00がニュージーランドでは午前11:00となります。また、サマータイム制度を導入しており、期間中は1時間進めるので、時差は4時間となります。
縦に細長い地形で、ほとんどの都市が海岸に面していることから、全体的に温暖な天候の恵まれています。
平均気温は南に行けばくほど低くなり、年間で最も気温が高いのは1月〜2月、低いのは7月頃です。日中の最高気温は、夏の間は20℃~30℃、冬の間は10℃~15℃ほどになります。南半球に位置しているので、季節は12月~2月が夏、6月~8月が冬と日本とほぼ真逆です。
夏のお正月を過ごせるというところも、とても新鮮です。
高山や亜熱帯地域、海岸沿いなど大自然に囲まれており、変動しやすい気候でもあるので、上着を1枚持っていくなど着脱可能な服装の準備をおすすめします。
夏にはビーチアクティビティ、冬にはスキーやワイナリー訪問など、時期によって魅力も豊富です。
決まったルートも時刻表もない自由気ままなたびにおすすめです。日本で有効な運転免許証に加え、国際運転許可証をご準備ください。
なお、ニュージーランドは日本と同じ、左側通行右ハンドルが主流です。
ニュージーランドの大手レンタカー会社には、ハーツ【Hartz】、エイビス【Avis】、バジェット【Budget】などがあります。
見所のほとんどを網羅するように路線が敷かれているので、観光にバスを利用するのも1つの手段です。ニュージーランドには、「購入した時間」内であれば乗り降り自由のインターシティ・フレキシパス(グレートサイツのツアーも予約できてお得)、オークランド市内から人気スポットを結ぶ循環バス、オークランド全域を走る市内バスなどがあるので、用途に合わせて利用しましょう。
北島と南島間の移動にぜひ使っていただきたいのがフェリーです。
北島のウエリントンと南島のピクトンを結ぶフェリーは、クック海峡を横断し、運が良ければ、イルカやクジラ、オットセイが姿を現すこともあります。
単なる移動手段ではなく、ひとつのアクティビティとしてお楽しみいただけること間違いなしです。
2019年10月1日より、NZeTA (電子渡航認証)、IVL(国際観光税)の申請が必要となりました。
また、入国には、滞在日数プラス3ヶ月以上の残存期間がある有効なパスポートを提示します。
通常、日本国籍の人が観光目的でニュージーランドを訪れる場合、3ヶ月以内の滞在ならビザは必要ありません。
通貨=ニュージーランド・ドル(表記:NZD / NZ$)
コインは10、20、50セントと、1、2ドルの5種類です。
紙幣は5、10、20、50、100ドルの5種類があります。
カフェでのランチ:NZ$10~$25
カプチーノ:NZ$4~$5
ハンバーガー:NZ$5程
オークランドはニュージーランド経済、商業の中心地にして、国内最大の都市です。
人口の約3分の1に当たる約166万人の人々が暮らしており、都会でありながら、文化的施設や火山帯、湾に恵みを受けた大自然も魅力の一つとなっています。
小さいながらに都市部と自然が共存するこの場所は、ショッピングやお食事にも最適です。
また、街のシンボルであるオークランドスカイタワーは地上328mと南半球で最も高いタワーであり、観光名所の一つになっています。
ワイトモ地方随一の観光地といえば、年間約25万人が訪れる「ワイトモ洞窟」です。
土ボタル(グロウワーム)が天井一面に生息するこの洞窟は、青白く神秘的な光で私達を包み込んでくれます。
ワイトモの地名はマオリ語で「ワイ」は水、「トモ」は穴を意味しています。1887年、マオリ族の首長とイギリス人調査員により探検されたこの場所は、その名称からもかつての文化や歴史を感じることでしょう。
ワイトモと各都市を結ぶ路線バスはないため、現地オプショナルツアーへ参加するのがおすすめです。
所要時間:
オークランドから2時間40分
ロトルアから2時間
ハミルトンから1時間
ウェリントンはニュージーランドの首都であり、国家の首都としては世界最南端に位置しています。国会議事堂があり政治経済の中心でありながら、映画(映画監督ピーター・ジャクソンの出身地 - 代表作:ロード・オブ・ザ・リングシリーズ)を始めとする文化の街としても知られています。また、直径2km程の中心エリアにはカフェやレストランも点在しており、多国籍料理を味わえるほかウエリントン発祥の人気カフェ「MOJO」も大変人気です。
港を取り囲むように広がっており、海峡から風が吹き抜けることから「ウィンディ・ウェリントン(=風の街)」呼ばれる首都。海風を感じながら街歩きを楽しんでみるのもいいですね。
オークランドのすぐ南に位置しているワイカト地方は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』の映画撮影のために作られたムービーセットのツアーがあり、作品ファンは外せないスポットです。
あのシーンを蘇らせる精巧に作られたセットや各キャラクターの家を見学すると、あなたも映画の世界に迷い込んだ気分になること間違いなしです。
ロトルアは北島中心部に位置する島内最大の観光地です。
美しいロトルア湖を囲むように多くの観光スポットや自然公園が点在しています。
環太平洋火山帯上にある地域は地熱活動が活発で、中心街から車で5分ほどの場所にあるポフツ間欠泉は1日に最大で20回、高さ30mまで熱水を噴き上げることもあります。
各地で泥沼が沸き立ち、天然温泉も有名です。また、噴気孔の蒸気で調理した「ハンギ料理」を始め、ヨーロッパに触れる前の「マオリ文化」が色濃く残っており、当時の伝統や文化を体験することも可能です。
1887年に制定されたニュージーランド最古の国立公園で、年間約100万人の観光客が訪れます。ルアペフ(2,797m)ナウルホエ(2,291m)トンガリロ(1,968m)の3つの火山を取り囲むように公園は広がり、一体は現在もなお火山活動が活発なため、エメラルドグリーンの火山湖やクレーターが存在し、地球の呼吸が聴こえてきそうな壮大な風景を作り出しています。
デボンポートはオークランド中心街の対岸に位置している小さな港町です。
オークランドからは、フェリーで約12分、車の場合ハーバー・ブリッジを通って約20分で到着します。古くからヨーロッパ人の入植があったため、ヨーロッパ調の歴史的建造物やコロニアル調のコテージが軒を連ねています。
(フィヨルドランド国立公園、世界遺産テ・ワヒポウナム)
世界遺産テ・ワヒポウナムを構成する一部であるフィヨルドランド国立公園のメインスポットです。イギリスの小説家・詩人のラドヤード・キップリングが「世界8番目の不思議」と表したミルフォードサウンドの地形は、悠久の時を超えて形成されました。
「サウンド」は「入江」という意で、海の侵食により、垂直にそびえ立つ周囲の山々の風景は圧巻の一言で、ニュージーランドを代表とする景勝地として紹介されることも少なくありません。
入江沿いに整備された道路はないため、クルーズに参加するのが一般的です。
クライストチャーチもしくはクイーンズタウンより長距離バスで約3時間半の場所にある「テカポ湖」。氷河が溶け出した水と岩石の粒子が混ざりあったミルキーブルーの水面には、サザンアルプスの連なる山々が反射します。
昼間は澄んだ空気の中ハイキングを楽しみ、湖畔に佇む「善き羊飼いの教会」にぜひ立ち寄ってみてください。
また、何と言ってもテカポ湖の最大の魅力は満天の星空です。人口わずか460人ほどのとても小さな町で人工的な明かりが最小限に抑えられ、年間を通して晴天率も高いため、世界でも有数の天体観測地とされています。写真では伝えきれないような、まるで全身に降り注いで落ちてきそうな星空は、大自然の神秘を一身に感じられることでしょう。
ウェストランド/タイ・ポウティニド国立公園は氷河でとても有名な場所です。
マウントクック国立公園の西側が急に海に落ち込むように位置しており、海岸線よりわずか10kmほどしか離れていないにも関わらず、山岳の表情がここまで変動するのには自然の脅威を感じます。
観光で特に人気なのは初心者でもアクセス可能なフォックス氷河とフランツ・ジョセフ氷河。
時を越え威厳を保ちながら佇む氷河の中、そこを住み家としている生物たちを見つけることができたなら、きっと自然のバランスを改めて意識するきっかけになることでしょう。
アオラキ/マウントクック国立公園は標高3724mでニュージーランドの最高峰です。
正式名称に含まれる「アオラキ」はマオリ語で「雲を突き抜ける山」。その名の通り、神々しくそびえ立つアオラキ/マウントクックは、空を突き抜けそうなダイナミックさで人々を圧倒します。現地では複数のウォーキングトラックがあるので、体力やレベルに合わせて最高峰の麓でハイキングに参加できます。
クライストチャーチはニュージーランド第3の都市にして南島で最も多くの人口が暮らしています。
2011年の大地震による被害も年々復興され、新しい商業施設などもオープンしています。
また、かつて街のシンボルであった大聖堂は、日本人の建築家 坂茂氏の手によって「神の教会」として生まれ変わりました。
国内各地から飛行機、鉄道、バスなどのアクセスもよく、都会でありながら公園や庭園も点在しています。「ガーデンシティ」とも称されるこの街で、散策やグルメをお楽しみください。
ワカティプ湖のほとりにこじんまりと広がるリゾート地です。
その美しさに誰もが心奪われ「女王が住むのに相応しい」として「クイーンズタウン」と名付けられました。クイーンズタウンでは四季折々にアクティビティも充実しており、バンジージャンプ、スカイダイビング、キャニオン・スイング、ジェットボート、乗馬トレッキング、ラフティングなど大自然の中で心を開放するようなイベントで溢れています。
また、南半球で唯一の、ゴンドラで小高い丘まで行き星空鑑賞ができる「スカイライン・スターゲイジング」のアクティビティも人気です。
細長い稲妻型(S字型)の形をしたワカティプ湖は、ニュージーランドで3番目に大きな湖です。その変わった形状のため、干満(静振と呼ばれる現象)が発生し、一般的な湖よりもより頻繁に水位が変動しており、マオリ伝説の中では、この現象を、湖の底に眠ると信じられたマタウという名の巨人の鼓動として伝えられています。「ワカティプ」という名ももともとは「ワカ・ティプア・ワイ・マオリ(=巨人の横たわる谷間水)」と言われていて、静かな湖畔にも、マオリ文化やかつての伝説が息づいているのが興味深いです。
ニュージーランド初期に開かれた3大都市の一つであるダニーデンは、その小規模の中にゴールドラッシュがもたらした富を彷彿させる多くの歴史的建造物がひしめき合っています。
また、ニュージーランドで唯一ユネスコ創造都市に加盟しているダニーデンは、有数の作家の拠点ともなっており、文化遺産を辿ることのできる散策コース「ダニーデン・ライターズ・ウォーク」を始め、多くの博物館やアートギャラリーが徒歩圏内にあります。
グレイマウスは南島西海岸の最大の町です。クライストチャーチからは鉄道で繋がっており4時間30分ほどで到着します。「グレイ」という名の通り、グレイ川(Gray River) の河口の平地に広がる町で、かつては金や翡翠の採掘で栄えていました。マオリ族は「広がった河口の地」という意味の「マウェラ (Mawhera)」と呼び、パ(要塞を持つ集落)を設けて住み着いていました。現在は、古くから親しまれている地ビールの醸造所「モンティース」も見どころのひとつです。
ニュージーランドでは、国立公園など壮大な大自然も魅力ですが、実際に野生動物と触れ合える場所もいくつかあります。
例えば、オタゴ半島「ペンギン・プレイス」は、ペンギンを身近に観察できる数少ない場所の一つです。入園料収入により活動資金を調達し、イエロー・アイド・ペンギンの保護活動が行われています。
(入園料:大人 NZ$55、子供 NZ$16)
また、カイコウラ(クライストチャーチ南へ車にて約3時間)では、野生のクジラやイルカ、オットセイが観察出来る現地オプショナルツアーが人気です。
ニュージーランドは北島、南島ともに有名なワインの生産地が点在し、その数箇所を一度に巡るツアーも人気を博しています。
その一例として「クラシック・ニュージーランド・ワイン・トレイル」と呼ばれる3つのワイン名産地(ホークス・ベイ、ワイララパ、マールボロ)を巡るツアーもあります。地域ごとに香る風味を味わいながらお気に入りのワインを見つけましょう。
ゴルフはニュージーランドでも男女問わず長年愛されてきたスポーツです。
国内には、主にマーキー・コース(は世界のゴルファーが憧れる高名なコース)とエクスペリエンス・コース(地域の特色あふれる魅力的なコース)という2つのカテゴリーに分類されています。
各所に大自然が広がるニュージーランド。時刻表を気にせずレンタカーで自由気ままな計画を立てるのもいいですね。
以下の注意点を心に留めて、バスや列車と組み合わせながら旅程を組んでみてください。
・必要なもの:日本で有効な運転免許証、免許証の公式英訳文書となる自動車運転免許証抜粋証明または国際運転許可証
不携帯の場合は罰金が課せられるので注意してください。
・長距離の場合は、適宜休憩を取りながら慌てずに運転してください。
都心を離れると中央分離帯のない道路、未舗装の道路もとても多いです。
また、見通しが悪い、カーブが多いなど運転しにくい区間もあるため、所要時間は余裕を持って見積もってください。
とは言え、移りゆく壮大な景色や風景は目を見張るものがあります。
安全第一で、ニュージーランドのドライブをお楽しみください。
ニュージーランドは、グルメやクラフト商品、見た目からニュージーランドを連想される可愛らしいお土産で溢れています。
以下に一例をご紹介させてていただきます。
ニュージーランドの原生林に生育するマヌカの花からミツバチが集めた蜜で、抗菌作用が強いとされています。食用としてだけではなく、美容用品(クリーム・石鹸など)としても多用されています。
ワイン生産に適した地形、気候に恵まれ、多くのワイナリーがあるニュージーランド。「ソーヴィニヨン・ブラン」「シャルドネ」など多くの品種の中からお気に入りに出会えますように。
「ポプナウ」とは呼ばれる南島のウエストコースト地方の限られた川の付近でのみ産出する翡翠の一種です。マオリ族よりタオンガ(宝物)として大切に扱われてきたこともあり、ニュージーランドの歴史の大切な一部となっています。
巨木「カウリ」を始め、人肌の温かみのある木工芸品も大変有名です。
国民的スポーツであるラグビー。ロゴ入りマスコットやウェアはラグビーファンでなくともニュージーランドを思い浮かべます。
ニュージーランドはグルメもとてもレベルが高く、食の宝庫です。
各都市で有名な地元レストランを散策し、料理に舌鼓を打つのも旅行の楽しみの重要な一部となるでしょう。
15,000km以上の海岸線に囲まれたニュージーランドはシーフードも豊富で、カイコウラ地方のクレイフィッシュ(イセエビ)は特に有名です。
また、ロトルア地方のマオリの伝統「ハンギ料理」は焼け石とともに食材を地中に埋め、その熱で調理されます。ほのかに燻した香りのする歴史あるお食事を楽しんでいただけます。
主要都市間移動はフライトが主流となるため、北島と南島の両方を訪れたい場合は最低でも1週間は確保したいところです。
以下、各島のモデルプランを旅行日数によって組み合わせるのもいいですね。
1日目:オークランド市内観光 オークランドのシンボル「スカイタワー」やグルメなどお楽しみください。
2日目:ロトルア マオリ文化が色濃く残る地域。大迫力の間欠泉やマオリの伝統「ハンギ料理」が見どころです。
3日目:ワイトモ洞窟 迷宮のような洞窟で、ここでしか見れない満天の土ボタルを鑑賞できます。
1日目:日本発>オークランド 機内泊
2日目:オークランド着>国内線でクイーンズタウンへ クイーンズタウン泊
3日目:ミルフォードサウンド
悠久の時を越えて作り出された壮大なフィヨルドを、ぜひクルーズでご堪能ください。
4日目:マウントクック>テカポ泊
3,000m級の圧倒的な山脈と、降ってきそうな満点の星空が見どころです。
5日目:テカポ>クライストチャーチ>国内線でオークランドへ オークランド泊
6日目:オークランド発>日本帰着
島ごと、都市ごとに魅力が異なるニュージーランド。国立公園も多数あり、場所ごとに表情を変える山脈、氷河は大自然の偉大さを痛感する風景のことでしょう。
ぜひ、出来る限り時間を取って、大きく深呼吸をしてみてください。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。