屋久島のイメージと言ったら何を思い浮かべますか?縄文杉、そして苔に覆われた深い森を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もののけ姫の舞台にもなった、苔に覆われた美しい屋久島の森を堪能出来るのが、標高600~1,050mに広がる白谷雲水峡です。トレッキングコースを歩きながら幽玄な世界を堪能しましょう。
屋久杉や苔の森、渓流を手軽に鑑賞出来る森林レクリエーション地区として、昭和49年3月に指定された自然休養林です。
林内は、珍しいシダやコケに覆われ、弥生杉コース(1時間)、奉行杉コース(3時間)、太鼓岩往復コース(4時間)のコースが設けられており、ハイキングしながら原生林を鑑賞することが出来ます。体力に合わせて所要時間を選ぶことが出来るのがいいですね。
1997年公開の宮崎駿監督の映画「もののけ姫」の舞台となったと言われているのが「苔の森」や「太鼓岩」。それがあるのが白谷雲水峡です。
花崗岩の巨石「太鼓岩」は、コケやシダに覆われた神秘的な森を抜けると現れます。晴れると九州最高峰の宮之浦岳などの奥岳が見渡せ、標高1,050mからの絶景はまさに圧巻です。
1993年に日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島。実は屋久島全体が登録されているわけではなく、島の総面積約500平方キロメートルのうち、島の西部海岸線から、山岳部にかけての約107平方キロメートルが登録地域です。白谷雲水峡は世界遺産に登録されたエリアには含まれません。
世界遺産に登録されたエリアには、宮之浦岳、モッチョム岳などが含まれます。
また、登山される方は、屋久島の美しい森林環境を守っていくために、森林環境整備推進協力金(500円)の納入に協力しましょう。
路線バスで約30分。最寄りバス停は白谷雲水峡バス停です。 (日/7便運行)
・宮之浦港から約25分
・安房港から約55分
・屋久島空港から約40分
白谷雲水峡入口には、約20台分の屋外駐車場が用意されています。
屋久島は年間を通しての寒暖差は大きくありません。平地の気温とは違い、山岳部は冷えるため夏でも上着を持ち物リストに入れましょう。
なお、暖かいイメージのある屋久島ですが、12月初旬から3月下旬は積雪期です。冬の登山は、十分な経験を持つ方のみが許されるものです。初心者は避けてください。
1時間コースであれば、歩きやすい靴の準備があれば問題ないでしょう。
その他コースの基本の服装は、手袋、Tシャツ、レインウェア、ズボンまたはスパッツ、靴下、トレッキングシューズ、ザック。年間を通して雨量が多いので防雨グッズは必須です。100円ショップなどのレインコートでは、屋久島の大雨はしのげないため、しっかりとした上下の分かれたレインウェアがおすすめです。
装備のレンタルを考えている方は、事前に確認してくださいね。特に繁忙期は当日では借りられないことがあります。
平均気温は14.5から23.3℃程度。フリースまたはダウンの上着が必要です。
平均気温は26.4から28.0℃程度。夏場でも長袖の上着を持っていきましょう。
平均気温は12.3から15℃程度。雪の侵入を防ぐためスパッツがあると安心です。
屋久島に来たなら、人気観光スポットの白谷雲水峡も縄文杉もどちらも行きたいですよね。通常は別の日に訪れたり、山小屋で宿泊して2日間に渡って回りますが、時間がない、という人もいるはず。ここでは、1日で白谷雲水峡と縄文杉どちらも回るモデルコースをご紹介します。
朝4時半に出発して屋久杉自然館前から荒川登山バスに乗ります。約35分で荒川登山口入り口に到着します。
レンタカーを使う場合も、3月~11月は一般車両の乗り入れ規制があるので注意してください。トイレに行って準備を整えたらトロッコ道からトレッキングスタートです(歩行時間約11時間)。
約60分で小杉谷休憩所に到着。昭和35年に原生林伐採の基地として栄えた小杉谷集落があります。
そこから約30分歩くと、楠川分かれに到着します。
さらに約1時間10分で大株歩道入口に到着。途中で巨木の三代杉や仁王杉を見ることが出来ます。
大株歩道入口から40分ほど先にあるのが、ハート型の空洞が有名なウィルソン株。ヤクスギ最大の切り株です。
50分ほど進むと大王杉が。縄文杉発見前までは最大の屋久杉と思われていた、推定樹齢3000年の杉です。
その先夫婦杉を過ぎ、標高1,280メートル、ついに縄文杉が現れます!樹高は25.3メートル、胸高周囲はなんと16.4メートル!
縄文杉を見る時は、踏圧からの保護のために設けられた展望デッキから見ましょう。
その圧倒的存在感を感じたあとは、白谷雲水峡の最奥にある太鼓岩方面へ向かいます。辻峠を超え、20分ほど険しい道を進むと太鼓岩に到着です。目の前に広がる絶景は、山登りの疲れも吹き飛ぶ絶景。写真もお忘れなく。春は山桜と新緑が織りなす風景がとても綺麗です。
太鼓岩から屋久島を一望したら、雲水峡最大の目玉「もののけの森(苔むす森)」へ向かいます。多くの屋久杉の他、数百種のシダやコケが生息する原生林は息を呑む美しさです。
そして七本杉、くぐり杉を通り、楠川歩道へ向かいます。
冬だとちょうど日没頃です。
さつき吊橋を渡って18:30頃ゴールの白谷広場へ到着です!
縄文杉登山や白谷雲水峡登山は、多くの人が訪れるスポットのため登山道も分かりやすく、道に迷うことはまずありません。個人で回ることも出来ますが、ちょっと心配という方は、現地オプショナルツアーに参加すれば豊富な知識を持つガイドの解説を聞くことが出来、登山のサポートしてくれるので安心です。
白谷雲水峡は、3つのコースが設けられています。
弥生杉コース(1時間):片道約2km。手軽に屋久杉に逢えるコースです。弥生杉、二代大杉を見ることが出来ます。
奉行杉コース(3時間):片道約4km。根本が3つに分かれた姿が特徴の三本足杉をはじめ、奉行杉や三本槍杉を見ることが出来ます。
太鼓岩往復コース(4時間):片道約5.6km。名前の通り、太鼓岩を目指すコースです。太鼓岩は標高1,050m地点にあり、たどり着くまでには急な道もあります。途中、くぐり杉、七本杉を見ることが出来ます。体力に自信のある方におすすめです。
初めての屋久島旅行なら必ず抑えておきたい白谷雲水峡。明るい森のイメージのヤクスギランドとはまた違った屋久杉の森が鑑賞出来ます。
ルートは整備されているため自力で回ることは可能ですが、より深い知識を得たいという人には、現地オプショナルツアーに参加するのがおすすめ。また、太鼓岩を目指す人は、ガイドが一緒だとより安心です。
苔の森、白谷雲水峡でもののけ姫の世界を感じに行きましょう。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。