神秘的な魅力がたくさん詰まったタ・プローム遺跡。自然に覆い尽くされ、崩れかけた石造りの寺院の上に巨木が根を張っている光景は、とりわけ冒険心をくすぐります。自然と歴史が共存しているタ・プロームの魅力を探っていきましょう。
クメール語で「焚天の古老」を意味する仏教寺院で、ガジュマルの一種であるスポアン(榕樹)の大樹が絡みついた神秘的な雰囲気が人気の遺跡です。
1186年、ジャヤヴァルマン7世が母親を弔うために建てた仏教僧院でしたが、後にヒンドゥー教寺院に改造されたとみられています。そのため、仏教色の強い彫刻の多くが削り取られている形跡があります。東西約1,000m、南北約700mものラテライトという土壌に囲まれた広大な敷地の中にあり、碑文によると、建立当時、僧院には5,000人余りの僧侶と615人の踊り子が住んでいたと伝えられています。
建設後も建物の増築が続けられたと見られ、周壁の内部は迷路のように入り組んでいます。この遺跡では、主な建築材料として砂岩が使われていますが、周壁や住居建築にはラテライトが用いられています。
タ・プロームは自然の力をそのまま表現するために、樹木の除去や本格的な積み直しなど、修復の手を加えないまま据え置かれてきました。しかし、近年この方法は限界に達してきています。巨大に成長したスポアンに押しつぶされながらも、かろうじて寺院の体裁を保っていますが、熱帯で管理を行わないことがどの様な影響を及ぼすか自然の脅威を身にしみて感じます。樹齢300~400年にもなる巨大榕樹が遺跡を浸食する様子は必見。仙人が住んでいそうな神秘的な雰囲気が、日本人を含めた東洋人の心を強く惹き付けています。
タ・プロームを回るときの所要時間はだいたい45分。1時間あればしっかり観光することができます。ただし、とても人気がある遺跡なので、ツアーが組まれている時間帯は混雑していることもあります。お昼の時間をずらして訪ねるなど、観光客が少ない時間を狙って行くとより神秘的な時間を楽しむことができます。
シェムリアップのオールド・マーケットから車で約25分、トゥクトゥクで約30分。
タ・プロームの入場券というものはなく、アンコール遺跡の共通チケット「アンコールワット・パス」に含まれています。チケットは3種類。1日券37ドル、3日券62ドル、7日券72ドルとなります。12歳未満は入場無料です。このパスは、シェムリアップ郊外のチケット販売所「アンコール・エンタープライズ【Angkor Enterprise】」でのみ購入可能です。
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アンコール・トムの東部に位置している主要な遺跡の一つで、12世紀後半、カンボジアのアンコール(クメール)王朝最盛期の王とされる、ジャヤヴァルマン7世により建立されました。当時は、「ラージャヴィハーラ」(王の僧院)と呼ばれていました。この寺院の主神は、プラジュニャーパーラミターと言われています。仏教寺院として、ジャヤヴァルマン7世の母の菩提を弔うために建立されました。そのとき母を模して彫刻も作り、1186年に安置されたと言われています。
境内には三重の回廊があり、塔、塔門、小祠堂などの建造物が複雑につながっています。小中の祠堂が39ヶ所あり、その主神プラージュニャパーラミターを中心に260の神々が祀られています。また、この寺院は国内102ヶ所の施療院(アーロギャーシャーラ)へ、王が寄進する必需品の集配所としての役割もありました。ただ、ここは仏教寺院として建立されましたが、のちにヒンドゥー教寺院として改修されたという経緯があります。
カンボジアの北西部、トンレサップ湖北岸にあるシェムリアップの北側に位置するクメール王朝時代の遺跡群アンコール遺跡群。1992年にユネスコの世界危機遺産に登録され、遺跡を中心とした修復に努めてきました。第2段階として、2004年に世界遺産として登録されました。
世界の歴史的な記念物や建造物、遺跡の保存に関わる専門家の国際的な組織「国際記念物遺跡会議」は、アンコール遺跡のクメール美術が東南アジアに大きな影響を与えたことや、遺跡そのものが議論の余地のないほど傑作であることを高く評価しました。
イギリスのアクションアドベンチャーゲームを映画化した「トゥームレイダー」。アンジェリーナ・ジョリー演じるトレジャーハンター、ララ・クロフトが、密林の中の遺跡に入り込んだ場面で使われました。スポアンが建物を浸食するかのようなシーンを映画で見たことのある人も多いかと思います。いくつかのシーンは、タ・プロームの特徴的なスポアンがある場所を使って撮影されています。
この映画ではいくつか重要なシーンをカンボジアで撮影しており、ヒロインがタ・プローム内を探検するシーンだけでなく、双眼鏡で遠くを偵察する場面や、四面像らしきものを引き倒す場面、アンコールワット前の水上市場のシーンなどもあります。映画を観てからタ・プロームを訪れると、また違った楽しみ方ができます。
巨大なスポアンが回廊を踏みつけているような姿は、力強さがみなぎり自然の猛威を感じられます。また、東門入口の塔門のそばにある大蛇のようにみえる木は石に絡みつき、まるで石を食べている怪獣のように見えます。おもしろい写真が撮れると人気の撮影スポットになっています。
中央祠堂の近くには、スポアンの根の上にさらに別の植物の根が張り巡らされ、毛細血管のように見えます。この周辺には彫りの深い美しい女神デヴァターがたたずんでいます。
「デヴァター」とはヒンドゥー教の女神のこと。アンコール遺跡群めぐりをすると、至るところで発見することができます。タ・プロームのデヴァターは他で見られるものとは一味違うことが魅力。デヴァターの顔を避けるようにスポアンの木が育っており、樹木の隙間からデヴァター像が覗いているかのようです。
碑文によると、タ・プロームには仏像や金銀財宝をはじめ、貴重な品々が納められていたと言われています。中央祠堂の内部には穴が無数に開いているのに気付きます。健立当時はここに宝石やガラスがはめ込まれていたとされています。上部に開いた穴から差し込む光に反射して、それらの宝石たちが美しく光り輝いていたと想像が膨らみます。
シェムリアップに行くなら、「タ・プローム ホテル&スパ」がおすすめ!タ・プローム ホテル&スパはアンコール遺跡群から近い場所にあり、タ・プロームまでトゥクトゥクで約30分。アンコール・ナイト・マーケットも徒歩圏内なので、観光にも便利です。このホテルには、レストラン、ラグジュアリー間溢れる屋内プール、フィットネスセンターがあり、快適に過ごすことができます。無料Wi-Fiはもちろん、空港お迎えも無料で利用できるので到着後も安心です。部屋にはセーフティボックスも備わっており滞在中の貴重品管理も安心。ルームサービスもあるので、不自由ないシェムリアップ生活を送ることができます。
タ・プローム ホテル&スパには、プロフェッショナルなマッサージセラピストがおり、自分の部屋で施術を受けることができます。伝統的なクメールフルボディマッサージや、ヘッドマッサージ、フットマッサージなど、観光で疲れた身体や足を癒やしてくれること間違いなし。また、ホテル内にある「タ・プローム スパ」では、バラエティーにとんだ心地の良いメニューで全身を癒やすことができます。
カンボジアには、日本と同じ、長方形の穴が横に並んでいる「A型」と、丸い穴が2つ横に並んでいる「C型」の2種類があります。プラグの形が異なる電化製品は使用できないので、旅行先の国に適した変換プラグを準備しておく必要があります。頻繁に旅行する人は全世界対応のマルチプラグを購入しておくと便利です。
また、もうひとつ忘れては行けないのが電圧。日本の電圧は100Vですが、カンボジアの電圧は220Vなので、日本のドライヤーやヘアアイロンを持ち込む際は注意が必要です。出発前に、お持ちの製品に記載してある電圧表示を確認しておきましょう。
Ta Prohm Hotel is one of Siem Reap’s very finest riverfront locations, directly opposite a lovely r…
建立当時をしのばせる美しいレリーフや、崩れてしまった遺跡から見て取れる王朝の栄華とその後の没落、カンボジアの自然の生命力など、見る者にさまざまな感慨を与えてくれるタ・プローム。スポアンの樹木は今も成長を続け、力あるままに遺跡を包み込んでいます。タ・プロームで神秘的な命あるエネルギーを感じてみてはいかがでしょうか。
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