台北は台湾を代表する大都市であり、中心地でもあります。歴史ある名所や史跡、グルメのほかにも、新しいショッピングスポットや近代建築が増え続けており、見どころは数えきれないほど。この記事では台北観光の楽しみ方を紹介します。
台湾の玄関口ともいえる台北。空港からの交通手段や、気になる物価、ホテル事情はどうなっているのか、詳しく見ていきましょう。
台北市内には「台北松山空港」があり、東京の羽田空港から直行便が出ています。4時間ほどのフライトで到着後、すぐに市内観光ができるので、台北を旅するのに非常に便利な空港です。同じく北部にある「台北桃園国際空港」も台北市から近い空港です。こちらは成田空港のほか、仙台や名古屋、大阪、広島、福岡、宮崎、那覇といった日本国内の主要な国際空港と台湾を結ぶ直行便が出ています。空港から台北市内へ向かう一般的な方法はMRT(地下鉄)を利用した移動で、所要時間は約40分。また早朝や深夜に移動したいときはリムジンバスやタクシーの利用が便利です。市内と空港間を1時間ほどで行き来できます。
台湾の物価は日本よりも安く、旅しやすい国といえます。コンビニやスーパーも充実していて、ペットボトルの水は1本あたり10元~20元(約35円~80円)ほどの値段で、日本の物価の半分以下で買い物ができます。
※2020年1月23日時点のレート:1元=約3.65円
台北駅の周辺にはホテルが集まっており、台北観光の際にも便利です。中には日本語が通じるホテルもあります。ホテル代は格安のところで2,000円から、一般的な中級ホテルなら1万円ほどです。台湾はホテル代が部屋単位での請求になるので、1人でも2人でも宿泊料金は同じ。利用人数が多ければ多いほどお得なのが、台湾のホテルの特徴です。
大都市である台北市には、歴史を感じられる史跡や名所も数多く存在します。初めての台湾旅行で押さえたい、人気の観光スポットをピックアップして見ていきましょう。
台北の北郊外の外双渓にある国立故宮博物院は、主に歴代の皇帝が所有していた宝物や芸術品を所蔵しています。所蔵作品は69万点を超え、そのすべてを見るのには8年以上かかるといわれるほどの規模を誇ります。展示エリアは本館と別館があり、多くの観光客のお目当てである肉形石や翠玉白菜は本館3階に展示されています。
約280年もの歴史をもつ、台北で最も古いお寺「龍山寺」。その名の通り、廟のあちこちに姿を見せる龍や鳳凰の像は迫力満点です。本尊は観音菩薩ですが、道教の媽祖(まそ)や関帝、月下老人などの文武諸神も多く祀られており、細かいことにはこだわらない台湾の寛大でおおらかな宗教観が表れているところも注目したいポイントです。
高さ508m超、地上101階、地下5階からなる台北のランドマークが「台北101」。風水で縁起がよいとされる竹がデザインのもとになっているといわれています。89階~91階にかけては展望台になっており、5階のチケット売り場から時速60kmのエレベーターに乗って上がることができます。天候がよければ91階の屋外展望台に出ることも可能。高速エレベーターと、382mの高さから眺める台湾の絶景を堪能しましょう。
行天宮では、日本でも人気が高い中国三国時代の武将、関帝(関羽)を祀っています。関羽は生涯にわたって主従関係にある劉備に忠誠を尽くしたことから「信用の神=商業の保護神」として崇められてきました。行天宮がある松江路エリアはビジネス街ということもあり、商売繫盛を願う人々の姿が多く見られます。
八角形の青い瓦屋根が印象的な中正紀念堂は、日本統治終了後に台湾を統治した蒋介石(しょうかいせき)総統を記念して建てられました(中正は蒋介石の本名)。正門をくぐった先にある広大な広場ではランタンフェスティバルやライブなどのイベントも開催されています。
訪れる際はイベント情報も一緒にチェックしましょう。また、ここは結婚記念撮影の人気スポットでもあり、休日に訪れれば花嫁花婿の姿を見られることもあります。
広大な中正紀念堂ですが、一番の見どころは本堂の蒋介石像前で1時間ごとに行われる衛兵の交代式です。台湾の陸、海、空軍から選りすぐりの精鋭が選ばれているとのことで、陸軍の制服は緑色、海軍は夏が白、冬は濃い紺色、空軍は青色と制服の色で所属を見分けられます。この交代式を見るために訪れる観光客が多くいます。
台北にはおしゃれなショッピングスポットやカフェ、台湾らしいグルメを楽しめるお店がひしめき合っています。その中でも特におすすめのスポットを厳選して紹介します。
台北でもっとも賑わうといわれる夜市が士林夜市です。メインの建物である土林市場の地下には屋台が集まる美食區(メイシーチュー、區は区のこと)があり、各店で小籠包などの夜市グルメを楽しめます。周辺の大東路、文林路、安平街などでも屋外で夜市が開かれており、こちらでも食事ができます。
士林夜市は台北市最大の夜市であり、主に二つのエリアに分けられます。一つは、傳統陽明戲院の周辺から、大南路沿いの慈誠宮一帯までの区域です。もう一つは、士林市場に位置し、集中管理されている美食街です。M…
迪化街は台北市内でも有数の古い街並みが残るエリアで、老街(ラオジエ)とも呼ばれています。通り沿いには漢方薬の問屋や、フカヒレやカラスミといった乾物を取り扱うお店が並びます。さらに近年では古い建物がリノベーションされ、ローカルな雰囲気を残しながらも次々と新しいお店がオープンしている活気のある場所。ハイセンスなカフェやショップも数多くあり、若い観光客が注目しているエリアです。一風変わったお土産を探したい人や、流行に敏感な方にもおすすめです。
台湾らしいノスタルジーあふれる古き良き町並みに出会えるとして、外国人観光客に大人気の九份。人気の撮影スポット「豎崎路(スーチールー)の階段」では赤いランタンがつながる九份らしい景色が広がり、映画の中に迷い込んだかのような雰囲気を楽しめます。また、天燈上げ(てんとうあげ)で有名な「十分(シーフェン)」もぜひ一緒に観光してほしいスポットです。フォトジェニックな写真を撮ることができます。台北市から九份へは電車とバスを乗り継いでアクセスする行き方と、バスのみを使って行く方法がありますが、いずれも混みあうので時間に余裕をもって行動しましょう。
台湾の大型書店チェーンである誠品書店。本だけではなく複合セレクトショップとして雑貨や文具、フードを同じ空間で販売しており、最近では東京の日本橋にも進出したことで話題を呼びました。本場台湾では、流行の発信地として知らない人はいないほどの知名度。洗練されたアートな空間を体感できます。台北をはじめ台湾全土に店舗がありますが、信義店は観光客に嬉しい雑貨などを豊富に取り扱っているのも魅力。MRT「市政府」駅を下車して徒歩でアクセスできます。営業時間は11時から22時まで(金土は23時まで)、比較的遅くまで営業しており、決まった定休日がないのも特徴です。
公共交通が発達している台北市ですが、九份や絶景が楽しめる淡水など市外の観光地も巡りたいという方は、現地オプショナルツアーに参加して移動の手間を省く方法をとるのがおすすめです。台北市に宿泊する場合は帰りの移動手段も確実に確保できるため、混雑を回避して快適な台湾旅行を満喫しましょう。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。