台湾東部「花蓮」のおすすめスポット|絶景が楽しめる景勝地の宝庫

「花蓮(ホアリエン)」は11万人ほどの人口を有する都市。中央山脈を隔てた台湾東部の中では大きな都市で、どちらかといえば新しい街でもあります。この記事では日本ともゆかりのある花蓮の見どころを紹介します。

2020/02/14

台湾東部の花蓮とは?

花蓮について、あまりなじみがないという人も多いかもしれません。まずは花蓮の位置関係や歴史、台北からのアクセス方法などを見ていきましょう。

花蓮の歴史と特徴

19世紀の半ば、阿美(アミ)族をはじめとした先住民の土地だったこの場所に初めて訪れた漢人たちは、波打ち逆巻く海岸を見て「洄瀾(ホイラン)」と名付けました。その後、発音が近い「花蓮」に名を改められたといわれています。そのせいか、今でも町では「洄瀾」という表記がよく見られます。

海岸には台湾四大港のひとつである花蓮港がありますが、実は花蓮の海岸を築いたのは日本人であるといわれています。太平洋に面する花蓮は日本統治時代には商業港として栄え、日本から多くの移民を受け入れる玄関口になりました。

現在の花蓮は、海や潮の気配が感じられる明るい港町。先住民、台湾、日本の文化が交わった、他の地域では感じられない不思議な魅力のある場所です。

花蓮の町は、美侖渓(河川)の南側に位置する古くからのエリアと、その北側の港に沿って延びる新しいエリアに分けられます。

台北からのアクセス

台北から花蓮へ行くには、電車か飛行機を使うのが一般的です。

台鐵(台鉄)台北駅から毎日電車が出ており、「普悠瑪(プユマ)号」か「太魯閣(タロコ)号」に乗れば約2時間で到着します。料金は440元(1,606円)ほどです。

飛行機を利用するなら、台北市内にある松山空港から立栄航空が毎日2便ほど運行しています。所要時間は40分程度、料金は1,663元(6,070円)ほどです。

※2020年1月23日時点のレート:1元=約3.65円

花蓮のおすすめ観光スポット

絶景のほかにも花蓮にはたくさんの観光スポットがあります。ここでは選りすぐりの観光地を紹介していきます。

松園別館(ソンユエンビエグアン)

花蓮港を一望できる高台に建つ松園別館。松の大木が目印です。ここは日本統治時代に作られた軍事建築で、1944年に建てられました。もともとは花蓮港兵事部だったものが、日本軍将校のサロン兼最高司令部として利用されたという歴史がありますが、今は市民の憩いの場として活用されています。シンプルで重厚な建築から、かつての軍事施設の面影を感じとることができるでしょう。館内には当時の写真や新聞などが展示されています。

阿美文化村(アーメイウェンホアツン)

花蓮地区の先住民、阿美族の伝統的な歌や踊りのショーを毎日開催している阿美文化村。ショーは1時間ほどで、撮影禁止とされているのでしっかりと目に焼きつけましょう。アクセスしづらい場所にあるため、個人で訪れる際はタクシーがおすすめ。花蓮市内から15分ほどで到着します。

慈恵堂と勝安宮

台鐵(台鉄)の「花蓮」駅から車で10分ほどのところに行くと、「慈恵堂」と「勝安宮」というお寺が並んでいます。この2つはガイドブックでも一緒に紹介されることが多く、同じ神様を祀っているのに別の宗派である、という変わった事情があります。慈惠堂では「金母娘娘」、勝安宮では「王母娘娘」という名で祀られているのは、中国道教の最高神である玉皇上帝の母親にあたる女神であるから、といわれています。趣は異なるものの、どちらのお寺もカラフルで豪勢な造りが特徴で、たくさんの参拝客が訪れます。

自強夜市

台湾の各地で開催される夜市は、もちろんここ花蓮でも楽しめます。花蓮で有名なのは「自強夜市」です。自強夜市は、敷地はさほど大きくないものの食べ物を中心とした屋台が70軒ほど並んでおり、多くの人でにぎわいを見せています。自強夜市では、人気の屋台は行列に並ぶのではなく番号札を渡されて、呼ばれたら取りに行くというスタイルが主流。一番人気のお店では1時間以上待つこともあります。そこまでの人気を誇るグルメ、ぜひご自身の舌で味わってみてください!ほかにも、先住民料理などが味わえる花蓮最大の夜市「東大門夜市」もあるので、そちらもおすすめです。

花蓮のおすすめ絶景スポット

Photo by Shutterstock

花蓮県をはじめとした台湾の東部は山と海の高低差があり、ダイナミックな地形も特徴の一つです。大迫力の絶景ポイントが多いことでも有名で、花蓮といえば絶景!というくらい、忘れがたい景色に出会うことができます。

太魯閣(タロコ)渓谷

花蓮の北から約30km、台湾随一の景勝地として知られる太魯閣。ここは大理石の岩盤を立霧渓(河川)の流れが長い年月をかけて削ってできた大渓谷で、人気の高い観光地です。谷間を沿うように曲がりくねったトンネルや細い路地が続き、大自然の中を冒険しているような気分を味わえます。

「燕子口歩道(イエンヅーコウブーダオ)」という名の岩肌にイワツバメの巣が見られる歩道は、峡谷の中でも両岸の絶壁が最も狭い場所で、「一線天」とも呼ばれています。落石から身を守るため、ヘルメットを着用して進みましょう。

白糸のような湧き水の滝が流れ落ちる崖の上には、建設中の事故で亡くなった人たちを祀る長春祠(チェンチュンツー)という祠が建っています。その様子は中国の風景画特有の美しさを感じられるほど。長春祠に至る遊歩道もありますが、安全のためか近年では閉鎖されています。大自然の驚異をぜひ肌で感じてください。

太魯閣へはバスを使って個人で訪れることも可能ですが、バス停が少ないため混雑します。またヘルメットを借りる必要があるため、安全のためにもツアーに参加することをおすすめします。

タロコ国立公園
www.taroko.gov.tw

鯉魚潭(リーユイタン)

鯉魚潭は南北に長く伸びた楕円形が特徴的な、台湾東部最大の淡水湖です。東に鯉魚山があるため、鯉魚潭と名付けられました。周りには約4kmの一周道路が作られており、レンタサイクルでめぐれば爽快な気分に!サイクリングで一周30分ほど、ハイキングでも1時間ほどで回ることができます。レンタルボートなどもあり、大自然の中でアクティビティが楽しめますよ。週末にはキャンプやピクニックをする地元の人々でにぎわいます。

鯉魚潭
花東縦谷国家風景区

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七星潭(チーシンタン)風景区

七星潭は花蓮市内から約15km北にある、弧を描くように広がる海岸です。波が高くて泳ぐことはできませんが、コバルトブルーに輝く美しく透明な海と、遠くに見える中央山脈を見ているだけで心が洗われます。おすすめの時間帯は、海の色が最もきれいに見える午前中。海岸路を通って市内からサイクリングロードが延びているため、海を見ながらゆったりと自転車で通るのもおすすめ。周辺にはレンタサイクルショップもあります。

六十石山

六十石山は花蓮県富里郷にある山で、標高は964mにおよびます。六十石山には各所に見晴らし台があり、高台からの素晴らしい眺めを楽しめます。

頂上付近には金針花(わすれぐさ)畑が広がっており、オレンジの絶景が見もの!金針花は観賞用としてはもちろん食用にも使われるオレンジ色の花で、根は漢方に、つぼみや花びらはサラダや炒めものなどに使われます。8月から9月にかけての金針花のベストシーズンにはたくさんの人が訪れ、付近の民宿やレストラン、道沿いの露店が活気づきます。

六十石山
花東縦谷国家風景区

花東縦谷国家風景区観光サイトへようこそ

清水断崖

清水断崖は、中央山脈と太平洋の交わったところにある蘇花海岸にあります。その名の通り、迫力満点の断崖絶壁が見られるスポットで、岩壁の高さは1,000mにもおよびます。この断崖にある蘇花公路(道路)は、日本統治時代に岩肌を削ってつくられた旧道です。台湾八景の一つにもなっており、国内外からたくさんの観光客が訪れますが、高所が苦手な方は少し注意が必要かもしれません。写真だけでは伝わらない、スリル満点の絶景をぜひ自分の目で見に行ってください。

花蓮の絶景をめぐるなら、ツアー参加はマスト!

山と海、2つの大自然の中に位置する花蓮ですが、個人での移動は安全面でも少し不安があります。ベルトラの現地オプショナルツアーを利用すれば、今回紹介した太魯閣や七星潭も日本語ガイド付きで安心してめぐることができます。ニーズに合ったツアーを探してみてください。

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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