「東大寺」と聞くと大きな大仏を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「奈良の大仏さま」はその魅力のごく一部であり、1998年にユネスコの世界遺産(古都奈良の文化財)に登録された奈良時代を代表する寺院は、大仏以外にも見どころが沢山あります。
この記事では、大仏の細かい解説に加え、その他の見逃せない歴史的建造物を紹介していきます。
7~8世紀の日本は、唐を中心に有効な国際関係が築かれていた時代でした。
同時に仏教も復興し、帰化僧による仏教を広める運動も広がり各地で仏教寺院が建立されそれぞれの国家の安泰を祈願した時代でもあります。
741年(天平13年)に、国分寺・国分尼寺が建立され、後に和的金光明寺となったのが、東大寺の全身寺院とされています。
聖武天皇は「華厳経」の教えを所以し、本尊である盧舎那大仏と東大寺の造立をしました。
また、聖武天皇時代の文化は天平文化と称され、その特徴や文化が昇華したのが東大寺と言われています。
東大寺を訪れると、真っ先に見に行きたくなるのが大仏ですね。
日本国民に知られている「奈良の大仏さま」は、正式名称を「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」と言い、752年(天平勝宝4年)4月に完成し、「大仏開眼供養会」が盛大に執り行われました。全長は約15mで、人間・動物・植物など全ての生きとし生けるものが安らかに暮らせるようにという願いを込めて建てられたと言われています。
右の手のひらを見物客に見せるような姿勢ですが、手のひらの長さ148cm、中指の長さ108cmと圧倒的な偉大さを誇ります。
また、大仏の頭に目を向けると、ぶつぶつと突起があるのに気が付きます。これは「螺髪(らほつ)」という渦巻いた髪の毛で、「知恵」を表現しています。
大仏殿の中に入ると、柱の一本に大きな穴が空いているのに気付くと思います。
直径1m以上の太い柱に空いた、縦約37cm、横約30cmのこの穴は、大仏様の鼻の穴と同じ大きさです。ここを通り抜けることが出来たなら、「無病息災」「祈願成就」のご利益があると言われています。
大仏殿や二月堂など、境内各所にて御朱印授与所が設けられているので都合がいい場所でお立ち寄りください。料金は300円です。
東大寺オリジナルの御朱印帳もありますので、ぜひチェックしてみてください。
JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分
近鉄奈良線「奈良駅」から、ぐるっとバス(大宮通ルート・奈良公園ルート)「大仏殿前駐車場」下車すぐ、または近鉄奈良駅から徒歩約20分
周辺の有料駐車場をご利用ください。
大仏殿・法華堂・戒壇堂、千手堂、東大寺ミュージアム、それぞれで入堂料が必要です。
小学生:300円
大人(中学生以上):600円
大仏殿:4~10月 7:30~17:30、11~3月 8:00~17:00
法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂:8:30~16:00
東大寺大仏殿のバス停側に到着し、参道に一際目立つ高さ約25mの正門が目に入ってきます。
南大門は、鎌倉時代に金剛力士像とともに再建され、空へ真っ直ぐ伸びる柱が力強さを演出しており、国宝に指定されています。
金剛力士像は、門の向かって右に吽形(うんぎょう、口を閉じた像)、左に阿形(あぎょう、口を開いた像)が安置されており、仏師である運慶・快慶の代表作となっています。
創建からなんと二度に渡って焼失してしまいましたが、永宝6年(1709年)に再建され、正式名称を「金堂」といいます。言わずもがな、中には大仏様が鎮座しており、門をくぐる時、厳かな雰囲気が大仏様から伝わって来そうです。
再建の時に、正面幅が約3分の2に縮小されましたが、今もなお、世界最大級の木造建築にして、国宝に指定されています。
二月堂は、旧暦2月に「お水取り(修二会)」が行われることから名付けられました。
平重衡の兵火(1180年)、三好・松永の戦い(1567年)の2回の戦火には焼け残りましたが、寛文7年(1667年)のお水取りの最終に焼失してしまいました。その2年後に再建されたのが現在に残る姿です。本尊は2体の十一面観音像で、決して見ることを許されない絶対秘仏となっています。
また、境内東奥の高台にあるお堂なので、舞台からは大分電の屋根越しに奈良市街地から生駒山までを一望できます。
東大寺境内で最古の仏道であり、金鍾寺(きんしょうじ)の遺構とされています。旧暦3月に法華会(ほっけえ)が行われることにより、別名三月堂と名前が付きました。
内部には、多数の傑作仏像が安置されています。必見なのは「不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)」。額には縦に開いた目があり、正面で合掌された両手の他に左右3本ずつの腕を持つ姿が神秘的です。
戒壇堂に安置されているのが、国宝の四天王像です。
唐から日本へ渡る鑑真を幾度となく嵐が襲ったそうですが、船頭は「恐れることはない。甲をつけ、杖を持った四天王が、船首に2人、帆柱に2人現れた」と話したそうです。
鑑真は四天王に守られながら、無事に日本にたどり着いたことが『唐大和上東征伝』に記されています。
その所以で、四天王は仏法を守護する上とされ、今も戒壇堂に安置されています。
1260年以上、二月堂で一度も途絶えることなく続く東大寺の伝統行事です。
二月堂の本尊である十一面観世音菩薩に参籠(さんろう)する僧侶が人々に代わって罪を懺悔し、国家の安泰を祈る想いが込められています。
現在、3月1日より2週間に渡って執り行われていますが、もともと旧暦の2月に行われていたことから「二月に修する法会」という意味で「修二会(しゅにえ)」とも呼ばれています。
童子が大松明を持って走り回る光景は圧巻の一言。そして、修二会が終わると奈良に春が来るという言い伝えがあります。
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東大寺(南大門)より徒歩3分程の距離にある、ちょっと贅沢な和の複合施設です。
彩り豊かな手織り寿司や創作和食が味わえる「花の月」、ティースタンド「言の葉」、利き酒&おでん屋台の「天の戸」があるので、ご予算やお腹の好き具合に合わせて、東大寺参拝ついでにぜひ立ち寄ってみてください。
奈良時代に編纂された3つの書物「万葉集」「風土記」「古事記」。現代も人々を惹きつける言葉や歴史、日本の奥ゆかしさをイメージした飲食店で、建物の雰囲気やインテリアも合わせてお楽しみいただけます。
まるでタイムスリップしたような、ゆっくりと流れる時間を感じてください。
小さなお子様におすすめしたいのが東大寺(南大門)から3分程の「まめじか食堂」。
鹿の顔を模した可愛らしいソフトクリームや、インパクト大の赤い鳥居型クッキーなど、奈良を美味しく感じられるスイーツが沢山あります。
見た目にも魅力的で、お子様にも喜ばれること間違いなしです。
「奈良の大仏さま」だけに限らず、その周辺のお堂、仏像などの歴史を知ると、更に奥深い東大寺を感じることができますね。
遥か昔から続く伝統的な行事や、歴史的建造物も確かに受け継がれており、今もなお、古の空気感が伝わって来そうです。
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