都内に点在する個性豊かな美術館。アートに詳しくない人も訪れたくなる、さまざまなツボをおさえた施設がそろっています。この記事では、アクセス方法や設備などの基本情報、体験談とともに東京の美術館を目的別にご紹介。主要エリアや人気カフェも合わせてチェックしましょう!
東京駅から電車で10分強、新宿から25分ほどでアクセスできる上野恩賜公園の美術館。周辺には博物館や動物園、飲食店がそろう上野の森さくらテラス、アメヤ横丁商店街などがあり、外国人観光客も多く訪れます。
JR上野駅公園口から徒歩5分圏内、独立行政法人国立美術館が設置する美術館のひとつ。明治時代の総理大臣・松方正義の三男である松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を中心に、西洋美術の作品を扱っています。西欧料理を提供するレストラン、オリジナルグッズや2,000種類以上もの書籍を販売しているショップも併設しています。
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)、年末年始
今後の休館予定:2020年10月19日(月)~2022年春
※詳細・最新情報は公式サイトをご確認ください。
JR上野駅公園口から徒歩5分圏内に位置する、日本美術協会が運営する美術館。新人作家の登竜門といわれるVOCA展など、オリジナル展を毎年開催しています。ショップでは過去の展覧会の図録も販売。館内の「Cafe MORI」で味わえるりんごのタルトなどのケーキセット、こだわりのドリップコーヒーもおすすめです。
休館日:不定休
JR上野駅公園口から国立西洋美術館を通り過ぎ、歩いて10分~15分。国内外の幅広い作品を展示し、「アートへの入口」となる美術館を目指して建築ツアーやキッズデーなどを開催しています。レストラン・カフェが3つもあり、それぞれ和食やフレンチ、スイーツを楽しめるのも魅力。車椅子やベビーカーの貸出も行なっています。
休館日:第1・3月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
※特別展・企画展:月曜日休室
※年末年始のほか、整備休館など臨時に休館・開館あり
気になる展示をやっているのが1か所でも、「せっかく来たから」と散歩ついでに全部の美術館をはしご。ショップは好きな作家さんや展覧会のグッズがあるところだけ寄って、食事やお茶は「今日はあの美術館のカフェにしよう」と気分で行くところを変えるのがいいかもしれません。
六本木ヒルズやミッドタウンなど、高級感漂うハイセンスな施設やお店が立ち並ぶ六本木・赤坂エリア。芸術の面でも、現代アートや古美術、ガラスなどさまざまな作品を扱う美術館がそろっています。
地下鉄「乃木坂駅」(青山霊園方面6番出口)直結、国内最大級の展示スペースを誇る美術館です。日比谷線「六本木駅」(4a出口)と大江戸線「六本木駅」(7番出口)からも、徒歩5分ほどでアクセスできます。企画展はもちろん、書道やちぎり絵、ポスターアワードなどさまざまな公募展も開催。4つのレストラン・カフェの中でも「サロン・ド・テ ロンド」が特に有名で、館内の見晴らしが良い2階に位置しています。展覧会とのタイアップメニューを提供していることもあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
休館日:火曜日(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始
六本木ヒルズ森タワーの最上階に位置し、日比谷線「六本木駅」(1c出口コンコース直結)、大江戸線「六本木駅」(3番出口)から徒歩5分ほどの距離にあります。現代アートの美術館として知られ、火曜日以外は基本的に夜10時まで開いているのも人気の理由です。過去にはAIや建築、リサイクルに関する展示を行ない、「六本木クロッシング」などのシリーズ展も開催。タワー内には展望台やスカイデッキ、レストランなどがそろい、美術館+aで多様な楽しみ方ができます。
休館日:展覧会会期以外は閉館。最新情報は公式サイトをご確認ください。
東京ミッドタウンのガレリア3階に位置し、大江戸線「六本木駅」(8番出口)と日比谷線「六本木駅」地下通路直結。企画展を中心とする美術館で、絵画や陶磁、漆工、染織などの日本の古美術からヨーロッパのガラスまで約3,000ほどの作品を収蔵しています。これまで伊藤若冲や与謝蕪村などの江戸時代の有名画家の作品、世界のガラスコレクションなどを展示。館内では、金沢の老舗「加賀麩不室屋」で甘味や軽食を楽しめるほか、会期中の指定日に開かれる茶室「玄鳥庵」などもあり、日本の文化と伝統を感じることができます。
休館日:火曜日、展示替え期間、年末年始
東京・六本木、東京ミッドタウン内にあり、shop×cafeや茶室「玄鳥庵」など、心地良い時間を過ごせる施設も充実しています。
国立新美術館とサントリー美術館は徒歩10分圏内。六本木散策で1日に3つ周るのもいいですが、お目当ての美術館でじっくり過ごして周辺のお店を開拓するのもおすすめです。
ティーンを筆頭に幅広い年代が訪れ、商業施設のオープンなど再開発が進む渋谷。ファッションやグルメなど最新のトレンドが集まる表参道。個性的な美術館を構える注目エリアで、芸術・文化の発信地として親しまれています。
JR・京王・東急・地下鉄「渋谷駅」、京王井の頭線「神泉駅」から徒歩10分圏内の距離にある複合施設内の美術館です。近代美術に焦点をあてた展示や企画、写真展、海外で話題になった美術展などを開催。過去にはクマのプーさんやミュシャ、シャガール、ホキ美術館に関する展示などを行いました。施設内の地下1階にはミュージアムショップやレストランが併設されています。
休館日:展覧会によって異なります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
JR「恵比寿駅」西口、東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」 2番出口から徒歩10分強。渋谷駅から行く場合は徒歩20分弱、東口ターミナルより日赤医療センター前行きのバスで約10分、「東4丁目」下車です。日本画専門の美術館で、主に近代~現代の日本画の収集や展示を行っています。伊藤若冲や東山魁夷など著名画家の展覧会のほか、動物や富士山などテーマに沿った作品を集めた企画展も開催。エントランス隣の「Cafe 椿」では、老舗の和菓子やオリジナルメニューを味わえます。
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始
銀座線「外苑前駅」3番出口、「表参道駅」A2出口から徒歩10分弱の場所にある現代アートの美術館。草間彌生や海外の現代アーティストのほか、音楽家・坂本龍一や映画監督・園子温、俳優・浅野忠信など多彩な著名人の展覧会を行っています。作家が書き下ろしたプリントトートバッグやTシャツがそろうミュージアムショップ、地下1階にはカフェコーナーもあり、書籍や雑誌に囲まれながら軽食やデザートを楽しめます。
休館日:月曜日、年末年始
※展覧会によって異なる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
3つの美術館はそれぞれ松濤・宇田川、広尾、北青山と少し離れていて、展示のテイストも異なるので日や時期を変えて訪れるほうが無理せず楽しめます。Bunkamuraは舞台や映画も見られるので、ひとりでふらっと行くのにも最適!
このほか、人気イラストレーターやキャラクターの展示が行われる「松屋銀座」など、都内には紹介しきれないほど美術館やギャラリーが点在しています。街歩きの中で、隠れた芸術スポットを見つけて東京探訪を楽しみましょう。
カフェやレストランを併設する美術館が定番となり、SNSや雑誌でも写真映えスポットとして多く取り上げられています。ここでは、数多ある中でも特に景観の良い、カフェの評判が高い都内の美術館を3つ紹介します。
茶室や講堂、庭園を有する美術館で、本館や庭園は建築家の隈研吾さんが設計しました。国宝、重要文化財などを含む日本や東洋の古美術を所蔵し、茶の湯や日本の自然、水墨画などをテーマに展覧会を行っています。庭園内の「NEZUCAFÉ」(※)が有名で、緑に囲まれたガラス張りの空間でランチやティータイムを過ごすことができます。
※2020年10月時点、デザートとドリンクのみの提供
国宝・尾形光琳の「燕子花図屏風」目当てに訪問、カフェは混雑で入れず。エントランスに竹林があり、趣のある涼しげな風景が広がっています。庭園は意外と段差など起伏があり、石畳の道を歩きながら池や植物を観察。初夏には「燕子花図屏風」にちなんだカキツバタが咲き、紅葉の時期も人気とのこと。季節の変わり目にまた訪れたいです。
地下鉄「表参道駅」A5出口から徒歩約10分、B3・B4出口から徒歩約15分
10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜日、展示替期間、年末年始 ※月曜日が祝日の場合は翌火曜日
大人:1,100円、学生:800円(中学生以下は無料)
※特別展は料金が異なります。
※20名以上の団体・障害者手帳提示者および同伴者は200円引き
日本を含むアジアやヨーロッパの絵画、写真や彫刻、室内装飾などを展示しており、敷地内に西洋庭園と日本庭園があります。新館1階に「Café TEIEN(カフェ庭園)」、正門横にフランス料理店「Du Parc(レストラン デュ パルク)」を併設。カフェでは、庭園を前に彩り豊かなケーキやコーヒー、軽食を味わえます。近所の人々の憩いの場にもなっている美術館です。
庭園にはベンチがいくつかあり、親子やカップル、ひとりで読書をしている人などさまざま。鯉が泳ぐ池があり、絵画のような緑が生い茂る日本庭園では写真を撮る人も多くいます。
緑に囲まれたガラス張りの「Du Parc(レストラン デュ パルク)」(写真)では、季節のフルーツが載ったチーズケーキとコーヒーを注文。厚いクッキー生地にさっぱりとしたチーズクリーム、角切りのフルーツが載っていて、甘さ控えめの大人な味わいです。
山手線「目黒駅」東口、東急目黒線「目黒駅」正面口から徒歩10分圏内
地下鉄「白金台駅」1番出口:徒歩約7分
10:00~18:00 (入館は17:30まで)
休館日:毎月第2・第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
大人:200円、大学生(専修・各種専門学校含む):160円
中・高校生・65歳以上:100円
※本館、新館の入場料は展覧会によって異なります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
1933年に建設されたアール・デコ様式の旧朝香宮邸とその空間をいかした展覧会、緑豊かな庭園を楽しめる美術館です。
オフィスが集う東京・丸の内に建つ赤煉瓦の建物で、19世紀後半のイギリスで流行した建築様式を採用しています。年に3回ほど近代美術をテーマとした企画展を行い、過去にはレオナルド×ミケランジェロ展、ピカソやゴッホの作品を含むフィリップス・コレクションなど話題の展覧会を開催。
館内にはミュージアムショップのほか、旧銀行の営業室に「Cafe1894」を構え、当時の空間を再現したクラシックな雰囲気の中でパスタやリゾット、スイーツを堪能できます。展覧会期間はタイアップメニュー、展示替え期間には数量限定のアフタヌーンティーセットも楽しめます。
美術館の隣に位置する丸の内ブリックスクエアにも飲食店がそろっています。その中でも、ワインの種類が豊富なレストラン「A16」がおすすめ。サラリーマンなどのグループ、カップルがゆったりと話しながら過ごしています。料理は上品でありながら、オリーブのマリネやマルゲリータピザなどの定番メニューも味わえます。家族向けというよりは大人向けの、シックな落ち着いた雰囲気のお店です。
JR「東京駅」丸の内南口から徒歩約5分
※雨の日は、地下1階の丸の内地下南口改札からのルートが便利です。
10:00~18:00(入館は17:30まで)
※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は21:00まで
休館日:月曜日(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、年末、元旦、展示替え期間
展覧会によって異なります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
観光スポットとして楽しめる展示内容や建築、お子様連れの方に便利な設備など、家族旅行にもおすすめの美術館を厳選!体験談を交えて各施設のポイントをお伝えします。
映画監督・アニメーターの宮崎駿さんが館長を務めるアニメーション美術館。「迷子になろうよ、いっしょに。」をキャッチコピーとしており、スタジオジブリの世界が体現されています。館内はカメラ撮影一切禁止で、「心のカメラで収めよう」がコンセプト。
受付にトトロがいたり、『魔女の宅急便』のジジを型どった水道の蛇口があったり、ふわふわのネコバス(小学生以下限定)があったりと、ほころんでしまう仕掛けが散りばめられています。カフェ「麦わらぼうし」では、家庭料理をイメージした軽食やデザート、キャラクターをモチーフにしたメニューを味わえます。ショップでは小物やぬいぐるみ、衣服やバッグなどここだけのオリジナルグッズも販売。お土産選びもじっくり楽しんでください。
時間帯で区切って人数制限をしているので、混雑しすぎることはなくじっくりと自分のペースで回ることができます。2階から1階まで螺旋階段で降りられたり、オリジナル短編映画を上映していたり、至るところを行き来してしまうような、楽しい時間を過ごせる空間でした!
屋上にラピュタに出てくるロボット兵がいて、こちらは写真撮影OK。奥にはラピュタに出てくる飛行石の呪文が彫られた石があり、ラピュタ好きにはたまらない空間でした。
JR「三鷹駅」南口から徒歩約15分。玉川上水沿いには方向案内板が立てられています。
※南口からコミュニティバスを利用する場合は約5分
10:00~17:30(カフェは10:30オープン)
休館日:火曜日
※長期休館(展示替え休館、 メンテナンス休館、冬季休館)あり
大人・大学生:1,000円、高校・中学生:700円、小学生:400円、幼児(4歳以上):100円
※4歳未満は無料。上記の料金で短編映画も鑑賞できます。
※チケットは当日券はなく、ネットやコンビニで事前購入必須。
2020年10月時点、ローソンチケットWebサイトのみの販売。人数制限時間短縮などもあるので、公式サイトで最新情報を確認しましょう。
漫画『ピーナッツ』の登場人物、世界中で愛される人気キャラクター「スヌーピー」の美術館で、アメリカ・カリフォルニア州にあるシュルツ美術館の分館です。
作者チャールズ・シュルツの生い立ちやスヌーピーが生まれたきっかけなど、創作の歴史が時系列で常設され、半年ごとに貴重な原画で構成される企画展も実施。オリジナルアニメを上映する「オープニング・シアター」、巨大なスヌーピーのオブジェが飾られた「スヌーピー・ルーム」もあります。
ショップでは限定グッズが並び、ペンなどの文房具、ぬいぐるみ、グラスやバッグなどを販売。どれもかわいすぎて長居してしまいます。隣接の「PEANUTS Cafe(ピーナッツ・カフェ)」も必見で、テイクアウト限定のピクニックボックスも要チェックです!
歴史の展示は思い出深いエピソードを抜粋しているので、ストーリーを全て知らなくても十分楽しめます。キャラクターの解説が特に面白く、実際モデルになった人がいたとのことで、性格や特徴など細かく人物像が描かれています。誰にでも当てはまるような普遍的な部分を知ることができるので、キャラクターを身近に感じられ、とても共感できました。
周辺には大きなショッピングモールと公園があり、1日中過ごせます。フードコートも珍しいお店がそろっているので、テイクアウトして公園で過ごすのもおすすめです。
東急田園都市線「南町田グランベリーパーク駅」から徒歩約5分
10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:年中無休(年末年始および年2日休館予定)
大人・大学生:1,800円(当日 2,000円)、高校・中学生:800円(当日 1,000円)、小学生~4歳:400円(当日 600円)
※4歳未満は無料
※前売券は日時指定制、当日券は館内の滞留人数に余裕がある場合のみ販売。当日券の詳細は公式サイトをご確認ください。
スヌーピーミュージアムは、アメリカ・カリフォルニア州サンタローザにあるピーナッツ・ファンの聖地、シュルツ美術館の世界で唯一の公式サテライト(分館)です。
絵本画家いわさきちひろさんの自宅兼アトリエ跡に建てられた、世界で最初の絵本美術館。テーマごとに彼女の作品を展示するだけでなく、絵本にまつわる作家のコレクションを紹介しています。館内には展示室のほかに図書室や絵本カフェ、ミュージアムショップを併設。授乳室を含む「こどものへや」ではおもちゃや本が置かれ、全てのトイレにベビーシートが設置されているなど、お子様連れの方に寄り添った設備が充実しています。「ファーストミュージアム(子どもたちが人生で初めて訪れる美術館)」として長く親しまれている美術館です。
カフェでおやきと7種の野菜のポタージュを注文。おやきはモチモチとしていて野菜の甘みが感じられ、ポタージュは舌触りなめらかで濃厚、どちらも穏やかな気持ちになれるやさしい味わいでした。
お土産にポストカードを吟味して購入、やわらかくて明るい色合いで、使うのがもったいないので部屋に飾っています!選びきれないくらい素敵なラインナップで、つい長居して見てしまうほど。付箋やクリアファイル、マグカップやバッグなどが並び、絵柄でそろえたくなるかわいさです。
西武新宿線「上井草駅」から徒歩10分圏内
10:00~17:00(最終入館16:30)
※2020年9月時点、コロナウイルス感染症拡大を防ぐため16:00まで(最終入館15:30)。最新情報は公式サイトをご確認ください。
休館日:月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)
※年末年始(1月2日から開館)
※冬期休館 2月1日~2月末日
※展示替えのための臨時休館あり
大人:1,000円、高校生以下:無料
※団体(有料入館者10名以上)や65歳以上の方、学生証を持っている方は800円。障害者手帳ご提示の方とその介添えの方1名までは無料
展示内容に限らず、建築様式や景観、カフェやオリジナルグッズなどさまざまなニーズや目的に応え、個性を放つ東京の美術館。気になる美術館が見つかったら周辺のスポットも調べてみて、ぜひ1日のプランを立ててみてください。現地オプショナルツアーなどを見て、行きたいスポットを厳選してから近辺の美術館に立ち寄ってみてもいいかもしれません。美術館をきっかけに、知られざるスポットや名店にたくさん出会いましょう!
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。