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ワット・マハータート|侵略戦争の傷跡が残る寺院の観光ポイント

タイのバンコクから車で2時間ほどのところにある古都アユタヤ。ここには古い寺院が今も荘厳な雰囲気のまま残されており、その周りを囲むようにビジネス街やショッピングエリアが広がっています。1991年には「Historic City of Ayutthaya(古都アユタヤ)」としてユネスコの世界遺産にも登録され、観光客が絶えない魅力的な場所として人気です。この記事ではその中でも人気のスポット「ワット・マハータート」(Wat Phra Mahathat)にスポットを当て、その歴史や見どころ、旅行者として注意したいマナーについて紹介します。

※レート、鉄道情報などは2019年12月3日時点のものです。

2020/02/18

ワット・マハータートの基本情報

まずはワット・マハータートの基本情報をおさらいしましょう。古寺が秘めた歴史のほか、開門時間やアクセス方法などもここで見ていきます。

都市「アユタヤ」の歴史

ワット・マハータートがあるアユタヤは1351年に建都され、1767年にビルマ軍による攻撃で滅ぼされるまでの417年ものあいだ、アユタヤ王朝、そしてタイの中心地として栄えた都市です。現在のアユタヤは、現王朝の初代王、ラーマ1世が旧都アユタヤ王朝を再現するべく建設したもの。川と運河に囲まれたラタナーコーシン島の中に国家の守護となるワット・プラケオと王宮を置き、その周辺にワット・マハータートをはじめとする重要な寺院が集められました。ワット・マハータートの建立には諸説あり、1369年に2代ラーメスアン王が建てたという説と、1370年から数十年かけて3代ボロムラーチャー1世が建てたという説があります。いずれにしても1300年代の重要な寺院であることには変わりなく、旅行者なら一度は足を運びたいエリアです。

バンコクからアユタヤまでどうやって行く?

バンコクから80kmほど北に位置するアユタヤ。行き方には鉄道、ロットゥー(乗り合いミニバス)、タクシーなど、いろいろな方法があります。(以前は中距離バスが運行していましたが、現在は廃止されているようです)

電車で行く方法

もっともハードルが低く、ビギナーにおすすめの方法が電車です。バンコクの出発場所は「フアランポーン」駅。正式名は「バンコク」駅ですが、地元ではフアランポーン駅と呼んだ方が通じやすいといわれています。またタイ現地名の「クルンテープ」もこの駅のことを指します。3つの呼び名があるので注意しましょう。

電車の種類は早さに応じて4種類あります。また、電車のランクは2種類あり、エアコンの付いた指定席エリアの2等席と、エアコンのない自由席エリアの3等席が選択できます。1等席は寝台列車です。

チケットはフアランポーン駅の窓口で販売しているほか、タイ国鉄の公式ウェブサイトで予約購入できます。サイトは日本語対応していませんが、英語で検索できます。

【席種一覧】

・Special Express:約345バーツ(約1,244円)/2等席のみ/所要時間:約1時間30分/お弁当付き

・Express:2等席は約245バーツ(約883円)、3等席は155バーツ(約559円)/所要時間:約1時間30分

・Rapid:2等席は約65バーツ(約234円)、3等席は45バーツ(約162円)/所要時間:約1時間45分〜2時間

・Ordinary:2等席は約35バーツ(約126円)、3等席は20バーツ(約72円)/所要時間:約2時間〜2時間30分

※上記の料金など席種の詳細はあくまで目安です。予告なく変更になる場合があります。

ロットゥーで行く方法

ロットゥー(乗り合いミニバス)で行くのもローカル風情があっておすすめです。バンコク発アユタヤ行きのロットゥーは、BTS(バンコク・スカイトレイン)モーチット駅から2kmほどのところにある「MINIBUS STATION CHATUCHAK」(チャトゥチャック ミニバスステーション)から発車します。モーチット駅からミニバスステーションまではタクシーを使うのがおすすめです。

現地では複数のチケット売り場が存在しており、アユタヤ行きチケットはBの4番カウンターで午前6時から販売しています。

ロットゥーの定員は10数人で、発車時間は決まっていません。定員が埋まり次第出発する形式です。ただ、アユタヤ行きのロットゥーは人気なので、さほど待つことなく出発することができるでしょう。料金は1人およそ60バーツ(約215円)で、1時間30分ほどでアユタヤに着きます。

アユタヤではナレースワン通りに到着しますが、この周辺にはレンタサイクルショップが複数あるため、これに乗って観光する旅行者も多く見られます。アユタヤは平坦な土地なので、レンタサイクルやレンタバイクを利用すると楽に見て回れますよ。レンタルの際、保証金代わりにパスポートを預けるのが一般的。日差しの厳しい土地なので、暑さには十分注意して水分補給を忘れないようにしましょう。また、自転車の前かごの荷物をひったくる事件が時折発生しているため、レンタサイクル利用の際は貴重品をできるだけ身に着けるよう心がけましょう。

ワット・マハータートの見どころ

ワット・マハータートのあるアユタヤは、いまでは「アユタヤ歴史公園」として整備されています。ワット・マハータートは古い町並みの裏側にあり、外国人は50バーツ(約180円)の拝観料を払って中に入ります。

もっとも有名な見どころは、菩提樹の根の間に埋め込まれた仏頭。ビルマとの戦争によって切り落とされたのち、根が成長して仏頭が持ち上がったことで現在の姿になりました。間近で拝観すると圧倒されるような迫力と神秘的な雰囲気があります。この仏頭に、多くのタイ人が祈りを捧げる風景が見られます。

さらに進むと、崩れ落ち、こけむしたレンガの壁や礼拝堂の土台だけが残る廃墟のような景色が現れます。ここで目を引くのは、頭部がない仏像の姿です。建立時は境内の中央に高さ44mほどの仏塔と、その周りを取り囲むように礼拝堂や仏堂、金箔によって彩られた多くの仏像があったと推測されています。仏像の頭部だけが持ち去られたのは、頭部に貼られた金箔を奪うためだったとされており、すべての仏像が頭部のない無残な姿に変えられてしまいました。戦争の歴史や、それによって蹂躙された信仰のことを思うと、自然と頭が下がるような光景です。

ワット・マハータートでは1956年にタイ政府によって修復が行われた際、数々の宝飾品や、黄金の仏像が発見されました。これらは現在、チャオ・サン・プラヤー国立博物館にて展示されています。ワット・マハータートに訪れて心を動かされた方は、一緒に観光してみるのをおすすめします。

【ワット・マハータート 寺院情報】

拝観時間:8:00〜18:00/無休/ライトアップ19:00〜21:00

※施設の料金、時間は予告なく変更になる場合があります。

ワット・マハータート観光時のマナー

歴史と信仰が深く結びついたワット・マハータート。観光する際には必ず守りたいマナーがあります。

旅行に行ったら写真撮影をしたいのは当然のことですが、敬意のない撮影は控えましょう。ワット・マハータートでは撮影自体は禁止されていませんが、たとえば、頭部のない仏像に自分の顔を置いて撮影するなどといったことはマナー違反です。ほかにも、菩提樹の根に埋め込まれた仏頭と写真を撮るとき、仏頭を見下ろす位置で撮影するのは禁止。必ず座って撮影しましょう。また、壁や仏像の台座など許可されていない場所にのぼったり、立ったりすることも控えるべきです。この場所を大切に思っている人がされて嫌だと思うことはマナー違反だと心得て、気持ちよく拝観したいですね。

奥深いアユタヤ王朝をめぐるなら、ガイド付きの現地オプショナルツアーがおすすめ

アユタヤにはここで紹介したほかにもさまざまな遺跡や寺院が残っており、見どころには事欠きません。歴史的なエピソードが多いアユタヤは、せっかくならガイド付きで説明を聞きながら回りたいところ。歴史を知れば、この場所への関心や知識がより深まりますよ。ベルトラの現地オプショナルツアーなら、個人ではチャレンジしにくい象乗り体験や水上マーケットを合わせたプランを数多く用意しています。移動の短縮にもなるツアー参加も視野にいれて、バンコク観光を楽しんでください。

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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