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ひめゆりの塔とは?沖縄地上戦の歴史を学べる観光スポット

沖縄はリゾートを楽しむ場所としてもちろん人気ですが、琉球王国の時代が語られる歴史深い地でもあります。第二次世界大戦中に行われた沖縄戦を知る機会として、ひめゆりの塔は重要な役割を果たしています。今回は沖縄観光で一度は立ち寄りたい歴史スポット、ひめゆりの塔について見ていきましょう。

2020/06/28

沖縄・ひめゆりの塔の基本情報

あらすじだけでも知っておくと、実際に現地へ訪れたときにひめゆりの塔の重大さをより感じることができます。まずはアクセス方法、駐車場の場所など基本情報をおさえましょう。

ひめゆりの塔とは

ひめゆり学徒隊の最後の地とされている伊原第三外科壕の上に建てられた石碑です。ひめゆり学徒隊とは、1945年3月末、看護要員として南風原にある沖縄陸軍病院に配属された沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒222名と引率教師18名のことです。

当時ひめゆり学徒隊は、負傷兵が増え続けるばかりで人手が足らず、寝る間も惜しんで働き続けました。水汲み、飯上げ、死体埋葬も行っていました。

6月18日、突然の「解散命令」後、沖縄陸軍病院第三外科勤務の職員やひめゆり学徒隊が避難していた伊原第三外科壕が米軍のガス弾攻撃を受け、多くの命が失われてしまいました。なかには自ら命を絶った学徒もいたとのことです。亡くなったひめゆり学徒隊の霊を祀るため、1946年にこの慰霊碑が建てられました。

ひめゆりの由来は沖縄県立第一高等女学校を「乙姫」、沖縄模範学校女子部を「白百合」と名づけていたことから、合わせて「姫百合(ひめゆり)」としたといわれています。

映画、小説、漫画作品

最後まで尽力したひめゆり学徒隊のストーリーはさまざまな形で伝えられています。小説『ひめゆりの塔』(著・石野径一郎)や『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』(著・仲宗根政善)は映画化もされました。そのほか、子どもにわかりやすい漫画の出版もされています。戦争の悲惨さを知り、学ぶためにも重要な物語として覚えておきましょう。

火炎瓶事件

戦後30年が過ぎた1975年7月17日「ひめゆり塔事件」は起きました。戦時中、沖縄の民間人までも巻き込み、日本軍も合わせて20万人が犠牲となってしまった地上戦が行われた背景があるため、遺族の中には天皇の戦争責任を問う新左翼、「沖縄解放同盟準備会」というグループがいました。

こういった状況の中、皇太子夫妻は沖縄海洋博開幕のため初めて沖縄の地を踏み、献花をしにひめゆりの塔を訪れます。糸満市に入ったときから、過激派により車列に石などが投げられる事態が起きましたが、皇太子夫妻に怪我はなく無事にひめゆりの塔に到着しました。

しかし、ひめゆりの塔で説明が行われたとき、塔の近くにある穴(壕)に潜伏していた過激派によって火炎瓶が投げられてしまいます。この事件後も天皇は「沖縄に心を寄せていく」と強いメッセージを残しました。

この事件は、多くの犠牲者を出した戦争の記憶が長く深く刻まれていくこと、そして平和であることの大切さをより世間に感じさせる出来事となりました。

那覇空港からのアクセス

ひめゆりの塔は糸満市という沖縄本島南部に位置しています。那覇空港からは車で約30分~40分です。

バス、タクシーの料金

那覇空港からバスを利用する場合は、ゆいレールでまず「赤嶺駅」に向かう方法をおすすめします。5分ほどで到着するので、糸満市行きのバスに乗りましょう。約30分して糸満市に着いたたら、82番、107番、もしくは108番のバスに乗車し、約15分後「ひめゆりの塔前」で下車します。そこからは徒歩約3分で到着します。

料金の目安はゆいレールが大人230円(小人120円)、バスが840円ほどです。タクシー料金は約5,000円を相場としてください。

駐車場の場所

駐車場は無料で利用可能です。近辺の「姫百合民芸品センター」、もしくは「ひめゆり会館」という建物の駐車場になります。

ひめゆりの塔の観光情報

料金や周辺施設などの観光情報を紹介します。周辺にはより歴史を学ぶことができる施設も建てられているので、気になったらぜひ訪れてみてください。

塔の観覧は無料

ひめゆりの塔の観覧は無料で、入口では献花を購入することができます。塔の前に献花台があるので、そこにお供えしましょう。

6月23日の慰霊の日は沖縄戦が終結したとされており、毎年慰霊祭が行われています。

ひめゆり平和祈念資料館

「ひめゆりの塔」を抜けた左側に平和祈念資料館があります。1989年に開館した、ひめゆり学徒隊にまつわる戦争の悲劇、平和の大切さを伝えるための資料館です。元ひめゆり学徒隊の同窓会が設立しました。

展示の概要

当時の医療器具や戦場の携品などの戦争に関する展示品、病院壕や伊原第三外科壕を再現したジオラマがある部屋があります。犠牲者の鎮魂の空間として、生存者の証言などが飾られている部屋もあり、館内にある6つの展示室で戦前の学徒隊の学園生活から時系列で当時の流れを知ることができます。後世に向けた今後の未来のための施設であることを忘れずに歴史を学びましょう。

入場料

リニューアルにより、2020年の7月22日から料金が改正されました。

個人の場合は大人450円、高校生250円、小・中学生150円となっています。20名以上の団体は割引価格が適用されるので、大人400円、高校生200円、小・中学生110円です。6月23日(慰霊の日)は入館料が無料です。

例外として障害者とその介護者各1名は無料になります。入館時に障害者手帳等の証明が必要です。

見学の所要時間

ひめゆりの塔と平和祈念資料館を合わせて見学するなら大体40分から1時間くらいが目安です。ひめゆりの塔自体は10分~15分ほどで観光できます。

付近のお土産屋

駐車場がある「姫百合民芸品センター」と「ひめゆり会館」でお土産を購入することができます。

「姫百合民芸品センター」は沖縄の民芸品を中心としたお土産を販売しています。「ひめゆり会館」は沖縄のお土産屋やレストランが入った複合施設で、お土産を全国に発送してくれる便利なサービスもあるのでぜひ活用してみてください。

ひめゆりの塔周辺でランチがおすすめのお店

塔の周辺には、沖縄ならではの味を楽しめるレストランもあります。ひめゆりの塔観光の合間に立ち寄りやすい、おすすめのレストランを紹介します。

ひめゆり会館

駐車場、お土産屋さんでも紹介したひめゆり会館ですが、併設されているレストランのランチもおすすめです。ひめゆりの塔からあまり移動せずに行ける好立地で、利用する人が多くいます。沖縄の定番メニューが豊富で、ブルーシールのアイスリームを販売しているパーラーもあるのでデザートまで沖縄づくしです。

優美堂

ひめゆりの塔の道を挟んだ向こう側に位置し、お土産屋さんも併設されています。海ぶどうが入った海鮮丼も人気ですが、揚げたてのかぼちゃのサーターアンダギーが絶品と口コミで話題になりました。毎日手作りのサーターアンダギーは年間100万個を突破する大人気商品です。お土産にもできるので、お腹がいっぱいでもぜひ購入してみてください。

茶処 真壁ちなー

沖縄そばや昔ながらの定食が味わえるレストランで、ひめゆりの塔から車で5分ほどの場所にあります。明治24年ごろに建てられた古民家を利用しており、風情を感じることができます。店内には戦争の爪痕が残る柱もあり、戦火を生き抜いてきた建物ということがわかります。ガイドブックにも載っていて大人気なので、訪れる際は時間に余裕をもって行きましょう。

沖縄観光のおすすめスポット

沖縄の歴史に触れることができる観光地はひめゆりの塔以外にも多数あります。ひめゆりの塔と一緒に合わせて観光してみてはいかがでしょうか。

平和祈念公園

第二次世界大戦最後の沖縄地上戦の場所である糸満市魔文仁に位置する戦跡公園。資料館のほか、沖縄戦で亡くなった24万人あまりの人々の名前を刻み、追悼や恒久平和の願いを込めた、平和の礎と呼ばれる刻銘碑などがあります。平和の尊さを歴史から学び、沖縄戦の知識を深めましょう。

首里城

14世紀に琉球王国が建国されたことに伴い建設されたお城です。平成12年、2000年12月には首里城跡、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。中国と関わりがあった背景から独特の建築様式も見どころです。

しかし、2019年10月31日に火災による焼失が発生。メインの正殿エリアは再建中ではありますが、火災前の約8割が見学可能になっています。沖縄を代表する名所なのでぜひ足を運んでください。

国際通り

飲食店やお土産屋が並び、沖縄最大級のショッピングストリートとしてにぎわいます。第二次世界大戦後に、戦後の人々に楽しんでもらおうと米軍と琉球の政府が計画してできました。通りの名称は、戦争中に亡くなったアメリカの従軍記者の名前がつけられた映画館「アーニーパイル国際劇場」が由来となっています。

今帰仁城跡

14世紀に沖縄本島の北部から奄美地方まで支配していたとされる3王の一人、北山王が拠点としていたお城。1609年、薩摩軍による琉球侵攻でお城は燃えてしまいましたが、今も残る屋敷跡や外壁を見ることができます。2000年に首里城とともに世界遺産にも登録されました。日本100名城にも選定されている貴重な城跡です。

現地オプショナルツアーを活用して、沖縄の文化体験を満喫しよう

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ひめゆりの塔観光で沖縄の歴史、戦争について知ることができます。文化をもっと深掘りするなら、主要な観光地を回るだけでなく現地ならではの文化体験もおすすめです。たとえば琉球衣装での記念撮影やサンゴ染め、陶器シーサー作りなど、沖縄ならではの体験は旅行の思い出をより濃くしてくれるでしょう。ベルトラではさまざまな体験を事前予約できるので、ぜひチェックしてみてください!

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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