「カンチャナブリ(カンチャナブリー)」という名を聞いたことのない方でも、映画『戦場にかける橋』を知っている方は多いのではないでしょうか。カンチャナブリは、『戦場にかける橋』の舞台となった場所です。タイの首都バンコクから日帰りでも行けるため、現地オプショナルツアーなども催行されています。
この記事では、カンチャナブリの位置情報やアクセス方法、気候や言語といった基本情報から、人気の観光スポットまでを詳しく紹介します。
カンチャナブリはバンコクの北西にある県で、山と渓谷が多い自然豊かなエリアです。まずはカンチャナブリの位置情報や気候、通貨や日本との時差などを見ていきましょう。
カンチャナブリはタイ西部に位置し、バンコクから約110km離れたところにあります。ミャンマーとの国境近くを流れるクワイノイ川とクワイヤイ川(総称クウェー川)が合流する場所でもあり、川遊びも楽しめます。
バンコクからカンチャナブリへは、列車かバスで行く方法があります。トンブリ駅(バンコク・ノイ駅とも呼ばれる)から1日に2便の列車が運行しています。終点はナムトック駅で、帰りの便も1日に2便あります。バンコクからカンチャナブリに向かうこの路線は「泰緬(たいめん)鉄道」と呼ばれ、太平洋戦争中にはタイとミャンマーを結んでいました。なお、映画『戦場にかける橋』の中で戦場にかけられた「クゥエー川鉄橋」(映画の中では木造)が、今も残っています。 カンチャナブリまでの所要時間は2時間30分ほど、終点のナムトックまでは4時間30分ほどです。カンチャナブリの緑豊かな田園風景を見ながらゆったりとした列車の旅を楽しめます。
バスで行く場合は、バンコク南バスターミナルか、BTSモーチット駅から車で約10分の北バスターミナルから長距離バスを利用できます。所要時間は、約3時間~4時間が目安です。旧南バスターミナルからは乗り合いバスのロットゥーも利用できますが、車内が狭いので長距離バスの方がよいでしょう。
バンコクからカンチャナブリまでタクシーで行くこともできます。途中で立ち寄りたい場所がある場合はよいですが、他の手段と比べて料金は高くなります。
なお、カンチャナブリ市内での移動手段としては、ソンテウやトゥクトゥクが利用できます。
カンチャナブリの気候には、乾季と雨季があります。年間の平均気温は約28.9℃で、熱帯性の暑い気候です。2月から4月にかけては30℃前後まで気温が上がり続けます。その後、5月になると雨季に入って雨が多くなり、10月まで続きます。雨季は日中の気温が下がり、夜も比較的過ごしやすい暑さになります。また9月から気温が少しずつ下がり始め、12月~1月の平均気温は25℃ほどになるため、過ごしやすい時期といえるでしょう。
カンチャナブリの言語はタイ語です。日本語が通じるところはそれほど多くはないようです。不安な方は、日本語ガイドも同行するオプショナルツアーなどを利用するとよいでしょう。
カンチャナブリの通貨はタイのバーツです。THBまたはBと表記されます。1バーツは日本円で3円前後。両替所はバンコクの空港や駅、ホテルなどにあります。
タイと日本との時差は2時間あり、日本のほうが早く進んでいます。タイにはサマータイムもないので、季節によって時差が変わることもありません。
カンチャナブリの西側はミャンマーと接しており、仏教を深く信仰する民族が昔ながらの素朴な暮らしを営む地区もあります。泰緬鉄道建設中に新石器時代やクメール時代の遺跡などが発掘され、約4,000年前から人々がクウェー川沿いで漁をしながら洞窟で暮らしていたことが判明しています。
世界的にカンチャナブリの名が知られるようになったきっかけは、やはり映画『戦場に架ける橋』で、現在は人気のスポットとして国内外から観光客を集めています。
カンチャナブリはバンコクから3時間~4時間ほどで行くことができるため、日帰り観光も可能です。ここではカンチャナブリで見ておきたい観光スポットを紹介します。
泰緬鉄道は、第二次世界大戦中に旧日本軍が、タイとビルマ(現ミャンマー)を結び、軍事物資などを運ぶために建設した鉄道です。建設過程の過酷な労働などにより大量の死者を出したことから、「死の鉄道」とも呼ばれました。現在は、多くの観光客が乗車しに訪れ、現地オプショナルツアーなども実施されています。
映画『戦場にかける橋』のモデルとなった橋として知られるようになりました。映画『戦場にかける橋』は、第二次世界大戦中の旧日本軍が、イギリス軍兵士の捕虜や現地の人々を労働力として使って、泰緬鉄道の中でも難所であるクウェー川に鉄橋をかける映画です。日本人将校とイギリス人将校の間に芽生える友情のような奇妙な交流と、その後の連合軍の攻撃や過酷な労働などが見どころ。映画の中では木造の橋がかけられ、最後に連合軍に爆破されてしまいます。
実際のクウェー川鉄橋は今も当時の姿をとどめており、人気の観光スポットとなっています。列車が通らないときは橋の上を歩けますが、列車が通るときには退避ポイントに避難し、列車がゆっくりと通る様子を間近で見られます。
アルヒル桟道橋は、泰緬鉄道の路線の中でも絶景ポイントとして人気を集める名所です。クウェー川と崖の間にあり、クウェー川鉄橋と同様に建設作業は過酷を極めるものでした。絶壁すれすれに築かれたアルヒル桟道橋でも、建設時に多くの犠牲者を出したという歴史があります。
現在は、列車が走らないときには線路の上を歩いたり写真を撮ったりすることのできる、人気の観光スポットとなっています。橋の線路を歩いていると崖側に「クラセー(クラサエ)洞窟」があります。洞窟の中には黄金の仏像が鎮座しており、見学することが可能。現地のタイの人々もよく訪れて手を合わせています。
ワット・タム・カオノイは、「小さな丘の上に建つ寺院」という意味です。その名の通り、寺院の建つ丘からはカンチャナブリの景色を一望することができます。寺院には巨大な黄金の仏像が鎮座しており、自然の緑色と金色との美しいコントラストが見られます。入場料は無料なので気軽に立ち寄りましょう。
エラワン国立公園の中にあるエラワン滝は、タイで最も美しい滝といわれています。1本の滝ではなく7つの滝に分かれており、水遊びをできる滝や落差が大きい滝、木陰から魚を眺めることのできる滝など、さまざまな滝を巡りながら豊かな自然を満喫することができます。アクセスはカンチャナブリからバスで約1時間30分ほど。エラワン国立公園は、外国人の入場料が大人300バーツほどとなっています。(料金は予告なく変更になる場合があります。)
「地獄の切り通し」と呼ばれた「ヘルファイア・パス」は両側を約10mもの垂直の崖に挟まれています。鉄道を通すだけで精一杯の大変狭い場所であるため、泰緬鉄道の建築でも最難所でした。現在もなお、当時の枕木や線路がわずかに残っています。「ヘルファイア・パス・メモリアル博物館」では当時の建設にまつわる資料を展示しています。
日帰りで訪れることもできるカンチャナブリですが、ゆっくり観光したい方はホテルを取るのがおすすめです。カンチャナブリでおすすめのホテルを紹介します。
クウェー川鉄橋や泰緬鉄道博物館など、カンチャナブリの人気観光スポットから近い場所にあり、周辺の観光を楽しむのに便利な立地のホテルです。無料W-Fiを利用できるほか、ガーデンやバー、屋外プールやフィットネスセンターなどの設備も充実しています。
Official Hotel Website. U Inchantree Kanchanaburi offers deluxe accommodation and modern facilities…
クウェー川鉄橋の近くにある、コロニアル調の気品ある高級ホテルです。夕方には、クウェー川のゆったりとした流れに夕陽が沈んでいく光景を見られます。無料Wi-Fiや無料駐車場なども利用可能です。レンタカーでカンチャナブリを回りたい方におすすめ。
カンチャナブリには、多くの自然が残されているうえ、歴史や信仰を感じる人気の観光スポットがたくさんあります。ベルトラではカンチャナブリを満喫できる現地オプショナルツアーも用意しています。ぜひチェックしてみてください。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。