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奈良公園|見どころや周辺グルメまで詳しく紹介

奈良の都は、710年(和銅3年)飛鳥藤原宮から平城京に遷都した後、74年間の国政を司り、華やかな天平文化も咲き誇りました。

この時代には信仰の場として多くの神社仏閣が創建・移築されています。

奈良公園は660ヘクタールという広大な地域にまたがり、東大寺や春日大社など多くの文化遺産を包蔵しています。大仏様のお膝元に広がる緑に囲まれた大きな公園は、今でも人々の憩いの場所になっています。

「大仏と緑と鹿」と謳われる奈良公園は、まさに奈良県の顔でもあり、奈良観光には外せません。

2020/09/12

奈良公園の基本情報

歴史・概要

前述の通り、現在の奈良公園の敷地には多くの寺院が点在しており、古から人々の信仰や観光において大切な場所でした。その後、明治時代になって近代化政策に一貫として公園の制度ができ、1880年(明治13年)に奈良公園が誕生しました。

その後、桜、楓、杉など様々な植物が植樹され、運動場や公会堂などが整備されて現在の姿になっています。

鹿

奈良公園に足を踏み入れると目に飛び込んでくるのが人懐っこく可愛らしい鹿たちです。

春日大社が鹿島から武甕槌命(たけみかづちのみこと)を迎えた時に「白い鹿」に乗っていたと言われていることから、奈良では、鹿は神の使いとして大切に捉えられています。

1957年(昭和32年)には「奈良の鹿」が天然記念物に指定されました。

園内に生息している鹿は全て野生で、園内で売っている「鹿せんべい」は鹿にとっておやつのようなものだそうです。基本的に芝を主食としている鹿に人間の食べ物を与えてしまうとお腹を壊してしまうので、注意してください。

 アクセス

電車でお越しの方

JR奈良駅より徒歩20分、循環バス(ぐるっとバス)で10分

近鉄奈良駅より徒歩5分、循環バス(ぐるっとバス)で1分

駐車場

奈良公園に専用の駐車場はありませんので、周辺の有料駐車場をご利用ください。

ハイシーズン中は最寄りの駐車場も満車になりますので、駅に駐車しぐるっとバスを利用するのを推奨します。

<近隣駐車場一例>

奈良登大路自動車駐車場

奈良大仏殿前自動車駐車場

奈良高畑自動車駐車場

奈良公園の見どころ

イベント

奈良公園周辺の神社仏閣にも月ごとのイベントが目白押しですが、奈良公園敷地内にもイベントが沢山あります。

以下、一部ですが紹介しますので、時期を合わせて旅行するのもいいですね。

■7月中旬~9月下旬 「ライトアッププロムナード」

奈良公園内の道と周辺寺院へと続く参道をライトアップしています。

春日大社の一之鳥居や興福寺の五重塔など、ライトアップされた歴史的建造物や世界遺産は、昼間とは違った表情を見せとても幻想的です。

■10月第2週頃 「鹿の角切り」

江戸時代から今日まで継承されている、鹿と奈良の人々との共生に欠かせない行事です。

安全祈願>入場>(鹿の)追い込み>取り押さえ>角切りの手順で執り行われます。

はちまきに法被を着ている「勢子(せこ)」によって行われ、役割分担がなされており、大人十数名で1頭の雄鹿の角を切ります。

特に、鹿を取り押さえる道具は昔ながらの「十字」といって、割竹を十字に組み縄を掛けた捕護具で、勢子のベテランのみが使用でき鹿の角に投げかけます。

■1月第4土曜日 「若草山焼き」奈良公園内

若草山の頂上には前方後円のお墓がありますが、その昔、「そのお墓に幽霊が出るが、山を焼くと出なくなる。また1月までに焼かないと望ましくないことが起こるらしい」という言い伝えがあったといいます。

この伝説に基づき、隣接する寺院(東大寺・興福寺)の立ち会いのもと供養の意味も込めて現代まで行われています。

山全体が燃やされ夜空を焦がすような煌々とした炎は、現実のものとは思えないほど圧巻です。

点火前の花火打ち上げも、県内では珍しい「尺玉」が打ち上がるので合わせてご覧ください。

登大路園地

奈良公園に足を踏み入れて、真っ先に鹿の群れが目に飛び込んでくる奈良公園の玄関口でもある広場です。

明治時代に興福寺旧境内地を公園地としたことが奈良公園の発祥ですが、この園地は最も古くに開設された区域となります。

園地からは興福寺の五重塔が見えるなど、散策するだけで奈良公園が多くの歴史的建造物に囲まれることを実感しますね。

鹿も沢山いるので、ぜひ鹿せんべいもあげてみてください。

奈良公園には、ソメイヨシノや八重桜など約1,280本(内訳:彼岸桜 30本、山桜 250本、染井吉野 200本、奈良八重桜 800本)もの桜が植えられており、「桜の名所100選」にも選ばれています。見頃は3月下旬~4月下旬と1ヶ月間のみとなりますが、その間に凛と咲き誇る桜をぜひ見に訪れてみてください。

お寺の境内で古き良き時代の建物と一緒に桜を眺められるのも、奈良の桜の特徴かもしれません。

奈良公園周辺のおすすめ食事スポット

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蕎麦

奈良公園の周辺にはおすすめのお蕎麦屋さんが複数あります。

喜多原

東大寺近くにひっそりと佇む、信楽焼きのたぬきが目印のお蕎麦屋さんです。

店の前の道正面には、東大寺戒壇堂があります。

また、お店の隣には奈良出身の写真家入江泰吉氏の旧居があるという、歴史と地元に根付いた立地です。

お蕎麦は毎朝石臼で心を込めて引き、自家製粉しています。

北海道産の昆布と干し椎茸、3種類の削り節を使用し、麺にもそばつゆにもこだわった店主自慢の味をぜひご賞味ください。

住所:奈良県奈良市水門町50

営業時間:11時~16時

定休日:火曜日と第2水曜日

電話:0742-22-0448

JRまたは近鉄「奈良駅」から徒歩約15分という好立地にあります。

地元の方にも愛されつつ、県外からも多くのお客様が訪れるので、予約いただくことを強く推奨します。

手打ち蕎麦は蕎麦粉100%の十割蕎麦で、弾力があり、噛むごとに風味が口いっぱいに広がります。

シンプルな「せいろ蕎麦」はもちろんのこと、「山かけ蕎麦」や「おろし蕎麦」などメニューが豊富なのでぜひお試しください。

住所:奈良県奈良市福智院町23-2

営業時間:11時半~13時、18~21時

定休日:月曜と日曜

電話:0742-22-0375

水谷茶屋

奈良公園内、春日大社の北参道の入り口に流れる水谷川に対面し、大正初期に建てられた茅葺屋根の建物をそのまま利用している風情漂うお茶屋さんです。

昭和23年に創業し、和風の甘味や季節限定のお飲み物を提供しています。

わらび餅やぜんざい、京都宇治の抹茶など 日常の雑踏を忘れ心がホッとするのを感じてください。

お店の周りは楓の木々に囲まれているので、夏は木陰になり暑さを忘れさせ、秋には鮮やかに紅葉します。

ランチ

春日野窯(はるひのがま)カフェ

奈良公園の中にある、奈良出身の陶芸家が古民家を改装してオープンさせた小さなカフェ。名称も何とも可愛らしいです。

カフェでのんびりできるのはもちろんのこと、ギャラリーを見学出来たり、奈良ならではの神鹿の色付け体験もできるので、お子様には特別なお土産になるかもしれません。

大人のお客様だけでなく、子連れファミリーにもおすすめです。

天平庵(てんぽうあん)東大寺店

和菓子店が営むカフェ&和食レストランです。

素麺セットや釜飯など、誰もが食べやすいメニューをご用意しています。厳選した材料で作った和スイーツとともにお楽しみください。

昔も今も変わらない、憩いの場所「奈良公園」

公園と一言に言っても、遊具や園庭があるのではなく、どことなく歴史的な厳かな雰囲気も漂う「奈良公園」。県内屈指の観光地であると同時に、時代を越えても、多くの神社仏閣に囲まれ神々に見守られているその空気感が味わえます。古から継承される長い歴史を是非感じてみてください。

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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