「神の島」と呼ばれる久高島(くだかじま)をご存知でしょうか?
琉球の開闢(かいびゃく)神話にも登場し、古来より神聖な島として信仰されてきた久高島は、数ある沖縄離島の中でも特別な位置付けの島です。沖縄本島の斎場御嶽(せーふぁうたき)と共にパワースポットとしても知られ、那覇から日帰りで観光することも可能です。この記事では久高島の観光情報や、久高島が沖縄県や地元の人々にとってどんな場所なのかをまとめました。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
久高島(くだかじま)は、沖縄本島南部東海岸に位置する南城市の離島で、琉球民族発祥の地と言われています。琉球開闢(かいびゃく)の祖アマミキヨが、ニライカナイ(神の世界)から舞い降りたのが久高島で、琉球の歴史はこの島から始まったと伝えられています。また、琉球神道において祭祀を行う施設である御嶽(うたき)や、古来から守り伝えられて来た史跡が多数残されていることから、現在も「神の島」と呼ばれ、数ある沖縄の島々の中でも特別な意味を持つ島です。琉球王朝時代の歴代国王の巡礼の地としても知られ、沖縄本島の聖地として有名な斎場御嶽(せーふぁうたき)は久高島へ祈りを捧げるために開かれたと言われています。
沖縄には目には見えないけれど訪れることでパワーを感じるパワースポットが多く存在しています。斎場御嶽もそのひとつです。琉球王国時代の神話にも伝わる、格式の高い神聖な場所です。この記事では歴史やアクセス…
久高島は周囲約8kmの細長い小さな島。人口は約220名で、その多くはお年寄りです。島内にホテルはなく、宿泊の際には3軒の民宿と久高島宿泊交流館が利用できます。食事処や商店はありますが、大きなスーパーやコンビニエンスストアはありません。宿泊やツアーは事前予約が必要なので、早めに計画を立てると良いですね。 島の人たちは先祖から受け継がれてきた伝統や文化を守り生活しています。御嶽(うたき)や拝所(うがんじゅ)など、神聖な施設・土地として立入禁止の場所がある他、島内の動植物や自然物(石や砂など)も持ち出し禁止です。訪問の際にはぜひ久高島独自の文化や風習を学び、ルールを守って観光しましょう。
詳しい情報は久高島観光交流サイト「島でのルール」をご一読ください。
久高島に興味・関心をお持ち頂き、誠にありがとうございます。久高島にお越しになる際には、ぜひこちらのルールやお願いごとをしっかりとお読みください。ご理解・ご納得頂いた方を心から歓迎致します。
南城市知念の安座真港(あざまこう)から久高島の徳仁港(とくじんこう)まで、定期フェリーもしくは高速船が計6往復毎日運航され、那覇から日帰りすることも可能です。久高島フェリーは台風や天候・海況によって一部もしくは全便欠航となる場合があります。利用日当日に公式ホームページで運航状況を確認すると良いですね。
■安座真港から徳仁港までの所要時間
・フェリーの場合:片道 約25分
・高速船の場合:片道 約15分
■那覇から安座真港までの所要時間
・車の場合:片道 約50分
・バスの場合:片道 約1時間5分
東陽バス38番:「那覇バスターミナル」から「安座真サンサンビーチ入口」まで約1時間、下車後フェリー乗り場まで徒歩5分
沖縄本島(安座真)~久高島を高速船とフェリーの2隻体制で1日6往復便毎日運航!
久高島最北端にあるカベール岬は、琉球開闢(かいびゃく)の祖アマミキヨが降臨(もしくは上陸)した聖地とされ、島の人からはハビャーンと呼ばれています。島の中央部から植物に囲まれた白い一本道を進むと辿り着きます。
岬に出ると波の力で削られた岩場に、透明度の高い海と一面の空が広がります。この岬は現在も祭祀が行われる島の人にとって大切な場所で、周囲の植物群落は沖縄県の天然記念物に指定されています。神話の時代に思いを馳せ、ゆっくり静かに観光しましょう。
港から徒歩15分ほど、集落を抜けた先の東海岸中央部に位置するイシキ浜。麦や粟などの種子が入った五穀の壺が流れ着いたという伝説が残ることから「五穀発祥の浜」とされ、琉球・沖縄の農業はここから始まったと言われています。現在も祭事が行われる大切な場所で、年に数回、島民以外の観光客は通行止めになることもあるため、訪問前に行事やイベント情報を確認すると良いですね。
なお、久高島ではイシキ浜を含めすべての海浜は神聖な場所として遊泳が禁止されています。海水浴が可能なのは徳仁港の北側に位置するメーギ浜のみのため、注意してください。
久高島西海岸の中央部に位置するヤグルガーは、イシキ浜で五穀の壺を拾う前に沐浴したと伝えられる神聖な井戸。儀礼前に神女たちが禊を行う場所でもあります。
御殿庭(うどぅんみゃー)は久高島の集落の中央部に位置し、主要な年中祭祀が行われる場所。島の女性たちによって12年ごとの午年に行われたイザイホーという神事にも使われてきました。イザイホーは600年以上に渡り受け継がれましたが、後継者不足の理由から1978年を最後に現在は行われなくなっています。
外間(外間殿)は島の祭場のひとつで、正月をはじめ主要な年中行事に使われる場所。建物の中央部には首里城正殿・斎場御嶽(せーふぁうたき)と同名の「大庫理(ウプグイ)」がある。大庫理は大広間や一番座という意味を持ち、儀式を行う格式の高い場所とされています。
ロマンスロードは北西部の海岸沿いに整備された600mほどの遊歩道。久高島の美しい海と自然を感じるのに絶好のポイントです。途中にはベンチや東屋も設置されているので、徒歩での散策や自転車での観光に疲れたときに、景色を楽しみながら休憩するのもおすすめです。
久高島の玄関である徳仁港周辺には自転車を借りられるお店が3軒あります。集落内の観光だけでなく、ハビャーン(カベール岬)やロマンスロードまで足を伸ばしたい方にはレンタサイクルがおすすめです。観光客が多い時期にはフェリーの到着後にすぐに貸自転車がなくなってしまう場合もあるので、事前にお店の場所をチェックしておきましょう。島内では聖域として立入禁止の場所もあるので、レンタルの際にはお店のスタッフに観光のルールやエリアについて確認すると良いですね。
南城市観光協会認定の地元ガイドによる久高島ガイドツアーは、観光案内の他、島の人たちの暮らしや文化について直に話を聞くことのできる貴重な機会。所要時間1時間~3時間で4種類のコースが用意されているので、島の歴史や伝説について深く知りたい方だけでなく、日帰りで効率よく観光したい方にもぴったりです。各ガイドへ直接電話もしくはメールでの予約が必要なので、希望する場合には余裕を持って問い合わせましょう。
神の島・久高島ガイドツアーの内容、申し込み方法、参加者の声など。世界遺産の聖地・斎場御嶽と合わせて観光におすすめ
久高島訪問のためのレンタカーやフェリー等の交通手段や観光ルート、地元ガイドの手配等、調べることが多くて大変という方におすすめなのが、那覇発着の観光ツアーです。久高島とも縁の深い沖縄本島の斎場御嶽(せーふぁうたき)とセットになったツアーや、南城市の絶景スポットとして有名な知念岬を含むツアー等、限られた沖縄旅行の時間を効率よく使って観光することができる日帰りツアーがあるので、ぜひチェックしてみてください。
島には食事ができるお店が3軒あります。沖縄そばやちゃんぷるーなどの沖縄料理も良いですが、久高島ならではの料理もぜひ味わってみましょう。 とくに有名なのが久高島特産のイラブー汁。イラブーとはエラブウミヘビのことで、滋養強壮や血行促進に効果があり、琉球王国時代から宮廷料理に用いられる高級食材でした。久高島では古くから琉球国王にイラブーを献上しており、それに伴ってイラブー漁と燻製技術が秘伝の技として受け継がれました。島の伝統の味をぜひ堪能しましょう。
旅行ではついつい予定を詰め込んでしまう方も多いのではないでしょうか。久高島へ訪問したら、手付かずの自然や景色を眺めながら、時間を忘れてゆっくり過ごすのもおすすめです。船の待合所や島内のお店で現地で暮らす人たちと話してみたり、島で伸び伸びと暮らす猫たちをそっと追いかけてみたりするのも旅の思い出になりますよ。日常とは異なるのんびりした島時間を楽しむことも、ここでしかできない体験のひとつです。
「神の島」久高島で暮らす人たちは、受け継がれてきた伝統や信仰を大切に守りながら生活しています。観光の際には神聖な場所へお邪魔しているという気持ちを忘れず、島の決まりを守って静かに見学することを心がけましょう。
久高島でしか体感することのできない琉球王朝時代から続く文化や風習に触れ、美しい海と雄大な自然、穏やかに流れる時間をゆっくりと楽しんでくださいね。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。