どこかノスタルジックな雰囲気の、おいしいグルメが味わえる台湾。エリアごとに違った表情を見せる台湾は、それぞれ異なった楽しみ方ができることでも人気の旅行先です。この記事では台湾の基本情報から各エリアのおすすめスポット、外せないグルメや人気アクティビティを紹介します。
台湾は大きく分けて北部の「台北」と「台中」、南部の「台南」と「高雄」のエリアから成り立ちますが、通貨や気候などは全土を通してさほど違いはありません。まずは台湾の基本情報から紹介します。
日本から台湾へのアクセスは、台湾台北市にある「台湾桃園国際空港」か「台北松山空港」のどちらかの利用が一般的です。
台北市内にある「台北松山空港」へは東京の羽田空港から直行便が出ているので、4時間ほどで到着します。台北市内中心地の「忠考復興」駅までの移動は、「動物園」行きのMRTに乗車して約7分。「台北松山空港」を利用すると、比較的すぐに市内観光ができるので時間を有効に使えて便利です。
一方「台湾桃園国際空港」は台北市より東側の桃園市に位置し、東京の成田空港から直行便で約4時間のフライトで到着します。仙台からは同じく4時間ほど、名古屋や大阪からは約3時間、広島、福岡、宮崎からは約2時間30分、那覇からは約1時間30分で到着します。「台湾桃園国際空港」から台北市内へは、MRTという地下鉄を利用すると40分ほどで到着します。空港と台北駅をつなぐリムジンバスもあり、こちらは早朝深夜も運転しているためMRTが利用できない時間帯でも台北市へ向かうことができます。リムジンバスの所要時間は交通状態にもよりますが、1時間ほどです。
タクシーで台北市内まで移動する場合の料金はおよそ1,100元~1,500元(3,945円~5,300円)で、送迎予約もできます。空港のタクシー乗り場には目安となる料金表が掲げられています。
台湾の通貨は「台湾元(TWD)」(台湾ドル、ニュー台湾ドルとも呼ばれます)で、1元、10元、100元と表記されます。
台湾の紙幣は100元、200元、500元、1,000元、2,000元と5種類ありますが、よく使用されているのは100元、500元、1,000元で、200元と2,000元は一般的にはあまり流通されていません。
また硬貨は、5角、1元、5元、10元、20元、50元の6種類で、5角と20元はあまり使用されていません。
台湾の物価は日本に比べて安く、コンビニやスーパーで水を1本買っても10元~20元(約36円~72円)くらいの値段です。日本で人気の台湾スイーツであるタピオカドリンクも、現地なら30元~50元(108円~180円)ほどの値段で購入できます。
※2020年1月23日時点の為替レート:1元=約3.65円
台湾は一年を通して暖かい気候が特徴です。
3月~5月(春季)と、10月~11月(秋季)の朝晩は涼しく、晴れた日の昼間は日本の夏のような暑さになることもあります。
12月~2月(冬季)は日本の3月、4月に相当する気温で、朝晩は冷え込みます。寒波に見舞われることもあるので厚手の上着を持参しましょう。
6月~9月(夏季)は湿気が多く蒸し暑い時期で、台風シーズンでもあります。室内と室外で温度差があるのでカーディガンなどの羽織ものがあると安心です。
台湾の公用語は中国語で、学校や公共の場でも使用されています。ただし、台南地方では一部、台湾語が使われている地域もあります。特に年配の方に浸透しているのが台湾語です。
台湾の玄関口である台北は、初めて台湾に訪れる人におすすめしたい場所です。飲食店が軒を連ねる路地や市場のみならず、商業ビルの中でも観光が楽しめます。
台北のランドマークとしておさえておきたい「台北101」。地上101階、地下5階、高さ508mを超える高層ビルで、89階には屋内展望台、91階には屋外展望台があります。屋外展望台で風を感じながら望む街の景色は格別!天候条件が揃ったときのみ開放されるので、タイミングが合う方はぜひ体験してみましょう。
ファッションブランド店やお土産ものを取り扱うお店が豊富なので、ショッピングにも最適です。地下にはフードコートやレストランがあり、小籠包で有名な「鼎泰豊(ディンタイフォン)」も地下1階にお店を構えています。
八角形の青い瓦屋根が印象的な中正紀念堂は、初代の蒋介石(しょうかいせき)総統を悼んで建てられました。正門をくぐった先にある広大な広場では、ランタンフェスティバルやライブなどのイベントも開催されています。一番の見どころは、本堂の蒋介石像前で1時間ごとに行われる衛兵の交代式。台湾の陸、海、空軍から選ばれた精鋭が魅せる無駄のない機敏な動き、一体感に感動すること間違いなし。この交代式を見るために、多くの観光客が訪れます。
約280年もの歴史を持つ、台北で最も古いお寺「龍山寺」。本尊の観音菩薩をはじめ、道教の媽祖(まそ)や関帝、月下老人などの文武諸神も多く祀られています。
台湾でぜひ体験したいのが、ローカルフードを存分に楽しめる「夜市」。特に台北北部の「士林夜市」は台北最大級の規模で、地元の人から観光客まで多くの人が訪れる賑やかな場所です。巨大フライドチキンで有名な「豪大大雞排(ハオダーダージーパイ)」や、本場台湾のタピオカドリンクを堪能できる「幸福堂(シンフータン)」、台湾の夜市ではメジャーな焼きエリンギのお店「燒烤杏鮑菇(シャオカオシンバオグー)」など、書ききれないほどの人気店がずらりと並びます。士林夜市は、MRT淡水信義線(レッドライン)「劍潭(剣潭、ジェンタン)」駅を下車して徒歩5分ほどのエリアで開催されます。
ノスタルジックな景色が見られることで有名な「九份」は、台湾旅行でぜひ巡りたい街。台北から九份へは公共バスなどで行くこともできますが、行き帰りの混雑を回避するためにも旅行会社の現地オプショナルツアーで効率的に回るのがおすすめです。
台湾中西部に位置する台中は、近代的で賑やかな街並みとローカルな雰囲気の両方を楽しむことができるエリアです。少し足をのばして山間部へ入れば、台湾の自然を体感することもできます。
台中観光で外せない、一風変わったフォトジェニックスポット「宮原眼科」。もともとは日本人医師が開業した眼科で老朽化が進んでいましたが、建物のリノベーションを経て、スイーツショップとして生まれ変わりました。ファンタジー世界の図書館に紛れ込んだかのような内装デザインはインスタ映え間違いなし。お土産におすすめのパイナップルケーキや、インパクトのあるビジュアルのアイスクリームが人気です。
台中にある第二市場は2,000坪強の規模を誇るグルメの宝庫です。もとは日本人をはじめとした富裕者向けにつくられた市場で、当時の名残で今でも日本製のお菓子などが売られています。第二市場でおすすめなのは「山河魯肉飯」の魯肉飯(ルーローハン)。台湾ではよく見かける料理ですが、「山河魯肉飯」の魯肉飯は、ごはんの上に大きくてやわらかい豚の角煮がどんと大胆に乗っていて、クセもなく白米との相性も抜群と評判です。第二市場では、ほかにも観光客に人気の「意麺(イーミェン)」や、大根餅ともち米ソーセージ、目玉焼きをセットにした地元の人に愛される朝食定番グルメなど、さまざまな台湾の味を堪能できます。
第二市場は朝、昼、夜とお店ごとに営業時間をずらして運営しているので、いつ行ってもおいしい食事が楽しめます。朝から魯肉飯でエネルギーチャージして、パワフルな1日を過ごしましょう。
台中市内にはたくさんの観光地がありますが、少し足をのばしてでも行きたいのが「日月潭」。日月潭は台湾で最も大きな湖で、陽射しによって紺碧(こんぺき)色、翡翠(ひすい)色とさまざまな表情を見せてくれるスポットです。湖畔を周遊する遊覧船に乗ったり、ロープウェイでテーマパーク「九族文化村(チョウツーウェンホワツン)」との間を行き来したりできます。台中市内から日月潭までのアクセスは、長距離バスで約4時間、台湾高鉄で1時間30分ほどです。
城塞や寺院など、歴史ある建造物が見どころの台南。台南ならではのローカルグルメやリノベーションによっておしゃれに生まれ変わった建物など、観光客が訪れるべき人気スポットも数多くあります。
台南にある「林百貨(ハヤシ百貨店)」は、風情ある街並みに溶け込むレトロモダンなデパート。日本統治時代に建設された建物をリノベーションしており、台南の懐かしさとスタイリッシュなデザインが共存した空間が魅力です。メイドイン台湾の雑貨やお菓子も取り扱っているので、自分のためのお土産を買う人も多いそう。名前の「林」は創業者である日本人の名前がそのまま使われているといわれています。
林百貨のすぐそばにある「度小月」は台南料理の有名店です。なかでも人気の担仔麵は、エビ出汁のスープに肉そぼろやエビがトッピングされた台南グルメで、地元の人も多く訪れます。一人前の量が少ないため、おやつ代わりに立ち寄るのもおすすめ。100年の歴史が感じられる古き良き内装も、台湾らしさを感じられるポイントです。
ノスタルジックな雰囲気が魅力の台南には、「赤崁楼(ツーカンロウ)」や「孔子廟(コンズーミィアオ)」、「祀典武廟(スーデェンウーミャオ)」、「大天后宮(ダーティエンホウゴン)」など、1日かけても回りきれないほどの歴史的名所が目白押し。台湾ならではの温かな色彩が映えるパワースポットで、思い出に残るフォトジェニックな写真を撮りましょう。
台湾南部の街「高雄」は、古き良き港町と都会的な雰囲気を味わえる大都市。高層ビルの夜景から、台湾先住民の暮らしぶりを覗ける場所まで、観光の幅が広いのも特徴です。
高雄のシンボルともいえる「愛河」は夜景スポットとして人気の観光名所。夕方はオレンジ色の夕日に染まり、夜は河のライトアップとビル群のネオンで高雄の街が美しく輝きます。岸辺にはおしゃれなカフェや公園、散策路があるので、昼間の散歩で訪れるのにも最適。
愛河を存分に楽しむなら、やはりリバーナイトクルーズは外せません。遊覧船からロマンチックな夜景を堪能できるので、ぜひ試してみてください。
「鴨肉珍(ヤーロウヂェン)」は高雄で有名なアヒル料理の専門店。甘辛いトロトロのアヒル肉と豚肉の丼は日本人の味覚に合う味ですが、地元の人にも人気で台湾らしい雰囲気も味わえます。台湾が誇る高雄の絶品グルメ、ぜひ立ち寄って実際に口にしてみてください。
高雄の郊外には「美濃(メイノン)」「三地門(サンディーメン)」といったエリアがあり、独自の文化で生活が営まれています。美濃は中国北部から移住してきた客家(ハッカ)と呼ばれる人々の町として知られ、台湾の自然と歴史、建築と独自の伝統工芸文化が根づいた美しい町です。三地門は台湾の原住民である排湾(パイワン)族が住む村が集まっています。資料館や伝統工芸のトンボ玉工房など、当時の文化を思い起こさせる建物や展示が残り、今もなお歴史が息づく集落となっています。
どちらも高雄中心地からは遠く、個人では行きにくい場所なので、ツアー参加がベストです。
見どころの多い台湾観光のコツは、メインエリアを拠点に定めて、一日は少し遠方へ足をのばすこと。4日ほどあれば可能ですが、コンパクトに観光したいという人は、ツアーに参加してそれぞれのエリアを効率よく巡るのがよいでしょう。魅力的な現地オプショナルツアーもたくさん用意されているので、うまく活用して充実した台湾旅行を実現しましょう。
※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。