2019年に行った国内旅行先とそのきっかけ

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東京に住むようになって約10年経った。東京はとても交通の便が良い。近年ではとりあえず新幹線に乗るだけでも北海道、北陸から、関西、九州まで、いろいろな所に行くことができるようになった。とはいえ、選択肢が多いということは選ばなければならないということでもある。「いろんなところに行けるとは言っても...」となかなか目的地を決められない人も多いと思われる。サイコロでも振って決めればよいのである。

私の場合、旅の目的地の決定はサイコロを振るまでもない。きっかけはどこにでもころがっているのである。
ここでは2019年に行った主な旅行先を紹介しつつ、何故そこへ行こうと思ったのかを簡単にまとめてみようと思う。

1.  渥美半島

私の故郷は長崎県にある。故郷へ帰る時は羽田空港から長崎空港へ飛ぶこともある。空の旅は味気ないが楽しい時もある。窓から地上が見える。特徴的な地形から現在地を推測しながら飛ぶのは楽しい。ある時、細くて平べったい半島の上を飛んでいた。ろくに水も土も確保できなさそうな地形ではあったが一面の農地だった。その秘密を探るため...ではないが単に形が面白かったので行ってみようと思ったのである。

行ってみた
見渡す限りキャベツ・ブロッコリー・菜の花の畑。何故か立派な城郭があり、なぜここに? と謎が深まる。

みどころ

  • 三河田原駅:昔はもっと路線が延びていたらしく、特に紹介されていないが遺構がちょいちょいある。
  • 田原城(田原市博物館):かなり古そうだが立派な城郭がある。博物館には半島の農業や灌漑の歴史もちょっとある。水路は割と最近できたらしい。
  • 野菜:おいしい。

2.   豊橋・蒲郡

渥美半島のついで。というか渥美半島に行った際、あまり宿などが無かったので豊橋あたりに泊まっていた。東海道新幹線のぞみで移動する際「静岡県長すぎ」などと悪態をついていたが、よく考えるとこのあたりもいっしょに通過している。通過するばかりではなく一度は降り立ってみねばなるまい。

行ってみた
豊橋はコンパクトに市街地がまとまっている。駅には「豊橋こそ日本のいや世界の中心!」という気概がある。蒲郡は、海沿いの水族館と科学館が楽しい。

みどころ

  • 豊橋公園:城跡公園。建物はほとんど無いが城の雰囲気が残っていて面白い。
  • 竹島水族館(蒲郡):小さいながら展示に工夫があって笑わせにくる。カピバラショー(なにもおきない)とか。
  • 生命の海科学館(蒲郡):海の話かと思いきやまさかの「海ができるまで」がメイン。スケールが大きい。

3.   松本

末端には大抵面白いものがある。道路の行き止まりには港や岬があり、岬の行き止まりには灯台がある。鉄道の行き止まりにはテーマパークや目的地がある。松本は中央本線の行き止まりではないが、新宿から特急あずさの終点である。何故松本はあずさの終点なのか。松本には何があるのか。

行ってみた
どこを歩いても水の音が聞こえる。なるほど街をつくるならここという感じがする。観光客も多くてにぎやか。

みどころ

  • 博物館郡:博物館がたくさんある。市の博物館(ほぼ松本城紹介)とか、時計とか、はかりとか。
  • 上高地線:登山客がたくさん乗っている。沿線を歩くと山の迫力がすごいしお土産屋のりんごジュースがおいしい。たまに新田恵海さんが車内アナウンスしている。
  • 大信州(日本酒):とてもおいしい。おいしいので結構飲んだしお土産にも買った。

4.   清水・三保・由比

日本で旅行といえば歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』である。沼津あたりからしばらく富士山の見える光景が続く。「由比」の崖から覗く白い富士山、「三保」の港の向こうに見える松原と遠くの伊豆半島。広重ファンの聖地のひとつである。それはともかく三保半島周辺は地図で見ると形が面白い。砂山に水を流すとこういう感じになるよね。海流ってすごいね。つべこべ言わずに形で決めていこう。

行ってみた
清水はエスパルスに支配されていたり、由比は桜えびに支配されていたりする。桜えびは休漁中で静かだった。三保は、砂。東海道跡が割と残っていて楽しい。

みどころ

  • 海洋科学博物館・自然史博物館(三保):水族館と恐竜博物館と言われているが、かなり科学館寄り。機械の水族館が楽しい。
  • 東海道広重美術館(由比):絵だけではなく当時の旅の様子も展示してある。旅籠の行灯は消えやすいので注意。
  • 清水港フェリー:荒天で死ぬかと思ったし帰りは欠航していた。

5.   川越

東京都北区に住んでいたことがある。北区といえば、荒川放水路の起点、隅田川の起点、そして新河岸川の終点である。新河岸川は今となっては小さな川ではあるが、昔はひっきりなしに船が行き来する重要な舟運路だったらしい。その起点が川越。そういえば東武東上線の終点もあるし、JR埼京線も川越行の編成が多い。それだけの何かが川越にはあるに違いない。などといって実は電車で見知らぬ誰かが隣の友人らしき人に「小江戸・川越」の魅力をプレゼンしているのを聞いたのがきっかけである。いいところらしい。

行ってみた
道も川も壁も「昔は大都市だったんだよ」と主張している。妙な迫力を感じる。川を辿っていたら市を一周した。要衝である。

みどころ

  • 川越市立博物館:とりあえずここを見ておけば間違いない。かなり気合が入っている。太田道灌も推されている。
  • 川越氷川神社:風鈴がすごい。
  • 新河岸川:なんとなく辿って歩くだけでも結構色々あるので暇な人は是非。

6.   三島

沼津に遊びに行った時、東京から新幹線で三島駅へ行き、そこから乗り換えて沼津に至った。沼津は結構栄えているのに何故新幹線は沼津ではなく三島に停まるのか。終点と同じく乗換駅にも乗換駅たる由縁がある。一度は改札から出て確かめてみなければならない。といいつつ実は三島訪問は3回目であり、気に入ったのだがまだ回り足りていなかったのである。

行ってみた
ちょっとした窪みがあればどこからでも水が湧いている。今回は水源と水路を辿っているうちに一日が終わった。前回もそうだったような気もする。

みどころ

  • 柿田川湧水群:ものすごい量の水が出ている。それはもうものすごい。
  • 三嶋大社:いたるところを水が流れている神社。鹿もいる。
  • 楽寿園:水が出ている。

おわりに

旅のきっかけは「地図を見て面白い形をしている」「乗換駅だけど改札出たことなかった」「いつも通過していた」「街で話しているのを聞いた」など、いろいろなところに転がっている。そのちょっとしたことをきっかけに、今まで思いつかなかったどこかへ出かけてみるというのはいかがだろう。どれも楽しい旅であったが、感想は最低限にとどめた。具体的な楽しみについては是非自身の目と感性で確かめていただきたいところである。

行き先が思いつかないなら6つ挙げたのでサイコロを振れ。

アドベントカレンダー10日目、yunomuでした。

 

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