伝統と先進時代が交錯する街。香港をただ歩く。
見上げてしまう摩天楼と古くから続く伝統・暮らしが巧みに入り混じる。
新古の融合が生み出す空気が世界から人々を引きつける。
幾度通っても毎度新しい発見に満ちた香港は、現実逃避にうってつけの場所。
時代の移ろい、勢いのある都市の空気を感じながら、今回はただひたすら、1泊2日で香港の朝、昼、夜を歩いてみた。
🕖PM 19:00~
日本を出発し、夕方に到着したフライト。
独特の異国の香りに包まれながら入国を済ませ、空港からホテルまでのんびり移動する。
旺角のホテルについた頃には、もうあたりは薄暗い。今から夜を迎える香港は、まるでショー本番の直前のようだ。歩き周る人、せわしない車。何より街自体が、朝から待ちわびたショーの時間を全身で表現しようとそわそわとした空気を見せる。
東京と似ているようで全く違う顔をした夕方の都市で、旅先に降り立った実感とワクワクが心を満たしていく。
🕘AM 09:00~
滞在2日目。短い香港旅行では、もう帰国の寂しさを感じざるをえない。「近いからまた来れる!」と言い聞かせながら、九龍を飛び出し、朝の香港島を目指してみる。
昨日、豪華絢爛な光の世界を一面に写したビクトリア・ハーバーも、朝は静かだ。
地下鉄やタクシー、海を渡る方法を思いあぐねた結果、最も両サイドの摩天楼を楽しめる船移動を選択した。
便利な手段ではなくローカルさあふれるツールへ挑戦することも、旅のスパイスだと思う。
香港島側は、九龍以上に時代、歴史、感性が複数混在し、世界でここにしかない島を作り出している。
欧米への憧れ?イギリス統治時代からの伝統?
ポップアートの並ぶ町並みはただ歩くだけでもウキウキ!心が踊るよう。
天を突き刺す高層マンションの並びは、昨日美しい夜景を見せてくれた張本人。
見上げるのに頸が痛くなるほど高い階層でも、洗濯ものが干されている。人が住んでいることを改めて実感。
香港の街を一望する暮らしを想像し、羨ましさをちょっぴり感じてしまった。
「でも、自分は違うな」とすぐに思い返す。ここはあくまで現実逃避の場。自分は日本で生活していることに突然気づかされる瞬間。
まるで西新宿のような摩天楼だらけの町並みに、突如現れるローカル感。
中国らしいお土産品の数々に、やっぱりここは中国だった。と今さら認識する。
店先に並んだ金色の龍は、厳しく頼もしい表情で狭い道路を見つめていた。
彼に日本を見せてみたくて、1匹選んで自宅にもって帰ることにした。
金色の龍は縁起がいいはずだが、良縁はやってくるのだろうか?
🕐PM 13:00~
ランチを食べて次に訪れた文武廟。香港最古の道教の寺とのことだが、思ったよりこじんまり。
中には変わった線香が列をなし、信仰心の強い町の人たちが祈りをささげていた。
線香の香りは、ツンとしながらやさしく文字では十分に表現できない。
気持ちと心を洗い、歩き疲れた体を癒す場所になった。
🕓PM 16:00~
香港島は排気ガスのにおいも多いが、突然感じる中華料理のスパイスの香りに足を止める
スパイスのお店のようだ。袋詰めで売られているあたりに、田舎の商店街のような懐かしい気持ちを覚える。
🕛AM 00:00~
短い香港の旅は、既に終盤。ホテルを出て電車で向かった深夜の香港空港は、広く、清潔で、静かだった。
日付を超えた出発まで、短く充実した旅の思い出にふける。
次に歩きにこれるのはいつだろう。行きたいところもまだまだたくさんあったな。