飛行機に乗り遅れてしまったら?
アドベントカレンダー20日の担当Takaです。東京、ロンドンを経て現在はパリのオフィスにて勤務中。
実は以前、元客室乗務員として約3年間、日本とロンドンをほぼ毎週往復していました。約3,000時間は飛行機の中で過ごしていた計算になります。
ベルトラに入社後もヨーロッパと日本を往復する日々。これだけ国境をまたいだ移動が多いと、それなりに失敗も多いわけで。
ところで、皆さんは飛行機に乗り遅れたこと、ありますか?
私はあります。しかも何回も。誰も意図して飛行機をミスすることはないでしょうが、不可抗力や勘違い、不幸な偶然が重なってしまって起こるのが常。
2019年の締めくくりに、そんな出来事を振り返りつつ、まさかの時に皆様のお役に立てば幸いです。
1.空港を間違える
そんなアホな、と思うかもしれませんが、ロンドンには主要な国際空港が5つ。
- ヒースロー空港(LHR)
- ガトウィック空港(LGW)
- ロンドン・シティ空港(LCY)
- スタンステッド空港(STN)
- ルートン空港(LTN)
日本発着便はヒースロー空港のみですが、近距離やリゾート路線、LCCなどにより発着空港が変わります。スペインによく行っていたころ。利用していたのはほぼ毎回ガトウィック空港。頭の中で「スペイン=ガトウィックから」の式が出来上がってしまっていました。
飛行機出発の1.5時間前、ほぼ予定通りに空港到着。ガトウィックはTermilan N(North)と Termilan S(South)の二つ。さてどちらのターミナルだったっけ...とモバイルチケットを見直すと「Terminal 3」。
ん?ガトウィックにターミナル3なんてあったっけ? と考えること数秒、そこにはHeathlow(LHR)の文字!!!
ガトウィックからヒースローまで最短でも1時間半。もう間に合わない。エアラインのサービスデスクに走り込み、この世の終わりのような顔で事情を話し、泣きつく。
「大丈夫、落ち着いて」と係員のお姉さん。哀れに思ったのか、キーボードをカタカタ叩くこと数分。空きがあれば後の飛行機に替えられるかも、とのこと。地獄で仏とはこのこと。お願いしてみるもんだ。(追記:結果、特典航空券だったため振替はできず、1時間後のチケットを購入したのでした。係の人は親切だった。)
これに懲りず2回目、ビルバオ行きもほぼ同じ展開。が、今回気付いたのはロンドン・ヴィクトリア駅出発した電車の中。出発時間まで2時間弱。今から引き返してヒースローに向かえば間に合うかもしれない。
Google mapで最短経路を検索。電車も車もほぼ変わらないけど、Heathlow Expressは15分毎の出発。ロンドンを縦断してパディントン駅まで行っても、一つ電車を乗り過ごしたらそれが命取りになる。車での移動は高額、でも背に腹は代えられない。途中で電車を飛び降り、捕まえたUberでヒースローへ。
通常なら約55分の距離、オンラインチェックインは済んでるし、預け荷物も無し。スムーズにいけばギリギリ間に合う。Uberの運ちゃんにも事情を話し、「できるだけ急ぐから!」と頼もしい返事。
ロンドンをぐるっと囲む環状高速M25へ。直線距離的には遠いけどこちらが一番早いのだ、と運ちゃん。途中、まさかの事故渋滞で20分のロス。こうなったら飛行機が遅延してることを願うのみ。エアラインのステータス会員だったことを思い出し、専用番号に電話。何もできないとの連れない返事。オンラインで出発時間のチェック。いつも遅延続きなのに、こういう時に限ってオンタイム。
空港まで約10分のところで電話が鳴る。「もうゲート閉めるけど、来れる?」とエアラインスタッフから若干苛立った声。事情を話すも、「ああじゃあ無理ね、残念。」とあっさり電話を切られる。
ヒースロー到着は飛行機の出発時間と同刻。チケットカウンターでまた同じ会話を繰り返す。(追記:こちらも数時間後のチケットを結局購入となりました。)
東京近郊の国際空港も成田に加え、羽田からの発着便も増えています。家を出る前のダブルチェックをお忘れなく!(そもそも間違えないか。)
2.普通に乗り遅れる
時間に余裕をもって空港に向けて出発したのに、不測の自体で大幅に遅れることも多いです。特に、海外での交通機関を使っての移動にアクシデントはつきもの。
例えば、
- 券売機はコインのみ受け付け、窓口は一つだけで長蛇の列(しかも超スロー)
- 間引き運転や運休(週末は特に多い)
- もはや恒例のストライキ(ヨーロッパ大陸は頻度高め)
その他にも突然の道路封鎖による渋滞など、予定通りに移動できる確率は6割といったところでしょうか。日本とは全く事情が違います。そのあたりも考慮して空港に向かうも、飛行機に乗り遅れること数回。(なお空港送迎サービスは通常、出発の3時間~5時間前のピックアップです。ロンドン市内から空港までは通常1時間程度ですが、このくらいのバッファが必要なんですね。)
事情にもよりますが、公共交通機関が理由で遅れてしまった場合は、
- まずは落ち着いて深呼吸。
- もう時間的に間に合わない場合、気持ちを切り替えましょう。(自分の判断を後悔したり、責めても何も状況は変わりません。「禅」ですね。)
- 間に合わないと分かっていても、まずは空港まで行き、エアラインの人に事情を説明しましょう。(電話やメールよりも話が早く、何とか乗せようとしてくれます。)
- その際「丁寧」かつ「ちょっとオーバー」に、困っていることを伝えましょう。
こちらはほぼ、振替便を用意してもらえました。もちろん飛行機の空き状況やエアラインの方針にもよりますが、おそらく毎日、何十回と同じような処理をしている係員の方の対応も慣れたもの。「面倒な仕事増やして本当にゴメンね」という気持ちをもって、お願いしてみましょう。
おまけ:ヨーロッパで予定の飛行機が遅延・キャンセルになった場合
少し話が逸れますが、航空会社の過失が理由で目的地への到着が3時間以上遅れた場合、「Air Passenger Rights」というEU規定に基づき、以下の補償を受けられる可能性があります。
- 1500km以下フライト → 250ユーロ
- 1500~3500kmのフライト → 400ユーロ
- 3500km以上のフライト → 600ユーロ
但し特別な事情を除く(Extraordinary Circumstances)とあります。つまり自然災害、天候不良、管制塔のストライキやテロなど、航空会社のコントロールが及ばない状況のことを指しますが、判断はケースバイケースのようですね。
私も遅延やキャンセルは幾度と経験しており、数回こちらをトライ、補償が下りたことがあります。失った時間は返ってきませんが、少しは慰めになりますね。もちろん、私のように本人の事情でフライトに乗り遅れた場合の保証はありません(当然)。
楽しい旅の始まりや終わりを悲劇とさせないために、さまざまな事態を想定し、
柔軟、かつ冷静に対応することが一番大切と、当たり前のことを改めて思うのでした。
Have a nice one ! ✈️