【世界遺産】バルセロナで絶対見るべきガウディ建築6つ徹底解説【パート3】

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初めてのスペイン旅行に断トツ人気のバルセロナ!

パート1、パート2に引き続き、バルセロナに来たら絶対に訪れてほしいガウディ建築を、定番から穴場まで、おすすめの6作品に絞って、詳しく解説します。バルセロナへの旅の予習や、次の旅行先の参考に、是非お役立てください!

①  サグラダ・ファミリア(The Basílica de la Sagrada Família)

  • 言わずと知れたガウディ代表作。2026年完成予定なので「未完の傑作」期間もあと6年!

②  グエル邸(Palau Güel)

  • ガウディの初期の傑作と称される作品。後の作品にちりばめられたガウディの魅力が凝縮!

③  グエル公園(Parc Güell)

  • 当初は住宅地として建設。言うなればガウディの世界観が詰まった夢の街!

④  カサ・ビセンス(Casa Vicens)

  • ガウディが初めてデザインを手掛けた最初の家。まさにガウディの原点!

⑤  カサ・バトリョ(Casa Batlló)

  • ガウディのリノベーション作品。単なるリフォームとは思えない大胆で美しい内装が魅力!

⑥  カサ・ミラ(Casa Milà)

  • ガウディが設計した集合住宅。建設当時には批判された曲線のみの優美なデザインは別格!

当記事では、パート3として、カサ・バトリョ と カサ・ミラ をご紹介します!

パート1:サグラダ・ファミリア & グエル邸

パート2:グエル公園 & カサ・ビセンス

 

カサ・バトリョ


バルセロナを代表する繁華街に伸びる目抜き通り グラシア通り に位置するカサ・バトリョ。バルセロナ屈指のこの大通りは、ガウディとほぼ同時代に栄えた モデルニスモ建築 の宝庫です!フランスのアール・ヌーヴォーと、スペインのイスラム文化の影響を受けたこの建築様式。カタルーニャ音楽堂サン・パウ病院 の建築家 リュイス・ドメネク・イ・モンタネール (Lluís Domènech i Montaner) が有名ですが、彼と並び2大巨匠と称される ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク (Josep Puig i Cadafalch) の建築が、実は現在のカサ・バトリョ完成のきっかけとなっているんです。

カサ・ビセンス同様、「バトリョさんの家」を意味するこの建物は、当時繊維業で財をなしたバトリョ氏の依頼によりガウディがリフォームを手掛けた作品です。元々住むには問題のなかったこちらの物件ですが、なぜガウディにリフォームを依頼することになったのか?実は、こちらの写真にそのきっかけとなるものが写りこんでいます👇

写真の左端、カサ・バトリョのお隣に、負けず劣らずカラフルで、ユニークな形の屋根を持つ建物が見えますでしょうか?実はこちら、プッチが設計した「アマトリェールさんの家」カサ・アマトリェール (Casa Amatllerなのです!グラシア通りから見上げた全景がこちら👇

アマトリェール氏は、スペイン最古のチョコレート店を創業した「チョコレート王」として、その名が知られていました。当時はモダニスム建築全盛期であったため、派手で目立つユニークな家を持つことが富豪のステータスとなっていました。そこでバトリョ氏は、購入した自宅を、お隣のアマトリェール邸に負けない家にするために、モデルニスモ建築の巨匠プッチとモンタネール同様に名を馳せていたガウディに、大胆リフォームを依頼したと言われています。

お金持ち同士の意地の張り合い、と言ったら聞こえが悪いですが、そのおかげでバトリョ邸の唯一無二のデザインが出来上がったのですから、やはり芸術の発展に富豪文化は欠かせませんね。

外観もとてもカラフルで可愛らしい、今で言うインスタ映えばっちりのデザイン。お隣のアマトリェール邸とのコントラストも相まって、建物の前には平日もカメラを構える観光客でごった返しています。そんな状況もあってか、中に入らずに外観見学のみで満足して通り過ぎてしまう方も多いとか。しかし、この作品の魅力はむしろ内部のデザインにあるのです!

この建築作品全体のテーマは「海」。まるで海の中にいるように青いタイルで統一された中庭や、海面を思わせる波打つ窓辺とステンドグラス、シャンデリアを中心に潮のように渦巻く天井など、その世界観は建物内に入るとより鮮明に広がります。

特にこの中庭「光のパティオ」のタイル装飾は、下から上に行くほど青が濃くなるようにデザインされており、まるで海底から太陽が昇る海面を見上げているかのよう。自然界から強いインスピレーションを受けていたガウディならではですね。

そんな海の世界を登っていくと、屋上にはまた別の世界が。

ガウディ得意の トレンカディスパート2参照)で装飾された屋上は、外観とも内観ともまた違う雰囲気。この屋上はドラゴンの背中をイメージしているとのこと。そう言われれば、不揃いなタイルがドラゴンのうろこのようにも見えますね。グエル公園をはじめ、ドラゴンのモチーフが多いバルセロナですが、これは、カタルーニャ地方にドラゴンにまつわる神話があるためだと言われています。気になる方は『聖ゲオルギウスと竜の伝説 (St. George and The Dragon)』で検索してみてください♪

このように、外観・内観・屋上と、それぞれ雰囲気の異なるデザインが魅力のカサ・バトリョですが、この作品のデザイン全体を通して、装飾にはガラスやタイルなどに多くの 産業廃棄物(廃材)が使用されている、というから驚きです。工業化真っただ中のこの時代に、エコの発想で独自の世界観を完成させるガウディは、やはり常に時代の一歩先にいたのかもしれません。

 

 

カサ・ミラ


カサ・バトリョと同じく、モデルニスモ建築の宝庫グラシア通りに佇む、ガウディのもう一つの代表作カサ・ミラ。この作品は、1984年、グエル公園やグエル邸と共にガウディ作品で初めて世界遺産に登録されるほど、ガウディの作品の中でも評価の高い建築です。

この作品の特徴はなんと言っても、この外観の曲線美。直線が一切ないこのデザインは、もはや彫刻の域とまで言われるほど、当時から建築デザインとしてはかなり斬新でした。カサ・バトリョ同様、このデザインは地中海の海がテーマと言われています。カサ・バトリョでは、内部のタイルの色使いやステンドグラス、天井や窓枠のデザインで海を表現していましたが、こちらのカサ・ミラは逆に、外観の波打つデザインがテーマを表現する最大の特徴。内部には、その天井の骨組みから「くじらの屋根裏 (Whale Attic)」と呼ばれる部屋も建設されました。

しかし細かく見ていくと、こちらの動画でも紹介されている、中庭の花のタイル装飾や、鳥や植物がモチーフになっているバルコニーの装飾など、を連想させるようなデザインも。田舎生まれ田舎育ちのガウディは、グエル公園同様、自然という大きなテーマの建築を都会バルセロナで表現したかったのかもしれませんね。

ただ悲しいことに、こちらも他のガウディ作品の例に漏れず(笑)、当時はかなり批判されたデザインだったとのこと。当時の人々は、この作品を、スペイン語で「石切場」「採石場」を意味する「ラ・ペドレラ (La Pedrera)」と揶揄しました。今でこそ評価の高いこの作品ですが、現在も現地の人々の間ではラ・ペドレラが通称として親しまれています。

さて、ガウディの他の「カサ」シリーズ同様、こちらも実業家 ペレ・ミラ (Pere Milàとその妻が、新婚の時に住居として建設を依頼した建物でした。しかし、カサ・バトリョやカサ・ビセンスと違うのは、この建物の一部が高級アパートとして賃貸物件になっている点。その賃貸物件のいくつかには、今でも実際に人が住んでいます。世界遺産に住めるなんて、素敵ですよね。

ただしこの賃貸物件、その家賃の高さ奇抜過ぎるデザイン性から、当時は借り手がなかなか現れなかったそう。まるでグエル公園のデジャブのような展開…(笑) しかしそのおかげで「3世代まで家賃値上げなし」の取り決めがなされました。もちろん建設当時より物価は上がっていますが、昔からこの物件に住んでいるお宅では、現在その家賃、日本円にしてなんと約14万円!世界遺産の物件にしては破格の家賃ですよね。当時はバルセロナの平均月収の10倍以上の価値でしたが、現在ではグラシア通りの平均家賃の10分の1ほど。お得な契約だったことは間違いありません。ただ、実際に住んでいると、連日溢れかえる観光客をかき分けて出入りをしなければならず、順番待ちの観光客からは割り込みと勘違いされ、白い目で見られることもあるそう。また、曲線的なデザインは内部にも使用されているので、一般的なデザインの家具だと、設置にも一苦労のようです。世界遺産に住むというステータスを取るか、利便性を取るか。興味がある方は、契約をご検討してみては?ちなみに、地下には集合住宅初の地下駐車場が設置されているので、愛車の駐車場所に困ることはありません♪

今では 賃貸物件人気観光地 として世界中の人々を魅了しているこのカサ・ミラですが、建物の1階は現在一般向けのレストランとなっており、「誰でも気軽に世界遺産内で食事が楽しめる」と人気のスポットです。

訪れた際にはぜひこちらでお食事もお楽しみください。VELTRAでは、ガウディ未完の傑作サグラダ・ファミリアの夜景観賞とセットになったディナープランもご用意しています。

世界遺産カサ・ミラでディナー+サグラダ・ファミリア夜景鑑賞

最後に、筆者一押しのカサ・ミラのアトラクションをご紹介!その名も イルミネーションショー「ザ・オリジン (The Origins)」。こちらは、屋上でのプロジェクションマッピングやイルミネーションをお酒片手に楽しめる、夜の入場限定のアトラクションです。ふるまわれるお酒はもちろん、スペインのスパークリングワイン「カヴァ」。昼間の見学に加えて、こちらの夜のアクティビティにも参加すれば、昼間とは雰囲気が全く違う、インスタ映えバッチリのカラフルで幻想的な世界をお楽しみいただけます。

もちろんVELTRAなら日本語で事前予約が可能です!

カサ・ミラ イルミネーションショー「The Origins」

ガウディの奇才な才能を垣間見る世界遺産見学に、あるいはバルセロナでの新居探しに、ぜひ一度訪れてみてください!


いかがでしたでしょうか?3回に渡ったガウディ特集もこれで最後となります!最後までお付き合いいただいた読者の皆様、ありがとうございました♪

ガウディの作品はどれも見るものを飽きさせないユニークで斬新なデザイン。バルセロナに来たら絶対に訪れてほしいおすすめの観光スポットです!

VELTRAなら、ご紹介するガウディの作品をまとめて日本語でご予約可能!ぜひ現地でその素晴らしさを体感してください♪

世界遺産サグラダ・ファミリア(エレベーター付)+グエル公園+カサ・バトリョ+カサ・ミラ+グエル邸 入場チケット事前予約<1日または2日/昼食付き/バルセロナ>

世界遺産 カサ・ビセンス ガウディ処女作 入場チケット予約手配<バルセロナ>

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パート1:サグラダ・ファミリア & グエル邸

パート2:グエル公園 & カサ・ビセンス


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