世界で一番小さな国!ヴァチカン市国を知ろう
イタリアの国内にあるもう一つの国、ヴァチカン市国。
世界最小の国、ローマ法王がいるところ、ヴァチカン博物館や最後の審判、サン・ピエトロ大聖堂…この国のことについてみなさんはどのくらい知っていますか?
さてここでクイズです!
Q. 世界最小の国と言われるヴァチカン市国の面積はいったいどのくらいでしょう??
① 11.66平方キロメートル
② 1.42平方キロメートル
③ 0.44平方キロメートル
正解は… ③ 0.44平方キロメートル!
① 11.66平方キロメートルは東京都千代田区、② 1.42平方キロメートルは東京都千代田区千代田(ほぼ皇居)の面積です。なんと皇居の半分以下の大きさですね!人間の歩く速度はだいたい時速3~4キロですから、1時間もあれば一周ぐるっと歩けてしまいます。ディズニーシーが0.49平方キロメートルと言われているので、同じくらいです。ヴァチカン市国の中央にあるのがこのサン・ピエトロ広場。広場を囲うように、イタリアとの国境がペイントされています。写真だと大きく見えますね。
よく聞かれるのが、「国なのだから、入るときにはパスポートがいるの?」という疑問。実際にはパスポートを見せる必要はなく、門をくぐれば、もうそこはヴァチカン市国です。人波にもまれて歩いていたら、あれっ、入国してた!ということになりそう。ただし、ヴァチカン美術館やサン・ピエトロ大聖堂に入るときにはセキュリティチェックがあるので覚えておいてください!
びっくりするくらい小さな「国」ですが、この国には、キリスト教に由来する「文化」と「芸術」が根付いており、ここでしか見られないものがたくさんあるのです!
ユーロはユーロでも…
とはいえ、ヴァチカンはれっきとした一つの国。ということは、通貨ももちろんあります。ユーロはヨーロッパ広域で使われている通貨ですが、ヴァチカン市国発行のユーロ硬貨も存在します。目印は「ローマ法王」。今なら第266代教皇フランシスコの肖像画が描かれています。コレクターの間ではレアものとして人気と言われているヴァチカンユーロ。もし手に入ったら旅の記念に残しておくべき!
ヴァチカンなのに…スイス兵?!
サン・ピエトロ広場の一角には赤青黄色の制服を着るスイス衛兵が立っています。なんと、ヴァチカン市国を守るのは、スイスが派遣した衛兵さんたちなのです!中世の趣を感じさせるふっくらとした袖に、カラフルなストライプ模様の制服を着た体格のいい衛兵たちは、旅写真のモデルとしても人気。れっきとした護衛兵なので、きちんと控え室も用意されているといいます。スイス衛兵やスペイン広場など、他国の名前がついたものがあちらこちらにみられるのも、歴史の長い国ならではですね。
当時の鮮やかさが生き返ったフレスコ画「最後の審判」
小さな国土とは裏腹に、20もの博物館、美術館、絵画館がぎゅっとつまったヴァチカン博物館は、全部見ようと思えば1週間かかるとも言われています。世界中の旅人たちが集まってくる美術館は、いつも大混雑。ここは、歴代の法王たちが集めたものが飾られているそう。なかでも、絶対に見逃せないミケランジェロ作「最後の審判」は、1541年に描かれたものですが、実は何度も洗浄・修復されその鮮やかさが現代に蘇っています。ミケランジェロは、天井画とこの壁画を描くため無理な姿勢がたたって、腰を痛めた、なんて話も…。幾重も重なるように描かれた裸体は400にも上ると言われており、問題視されたこともありました。最後の審判は撮影も禁止されているので、目に焼き付けておきましょう!
人目を忍んで…ラファエッロが描いた問題作
システィーナ礼拝堂のすぐそばにある「ラファエッロの間」。実は、ミケランジェロの「最後の審判」に使われた技術を参考にして描いたものと言われています。当時、ミケランジェロは法王と確執があり、フィレンツェに帰っていたと言われています。ラファエッロは、ミケランジェロが不在の間に礼拝堂に入り込み、その描法を学んだというのはとても有名な話。「コンスタンティヌスの間」「ヘリオドロスの間」「署名の間」「火災の間」という4つの部屋からなるラファエッロの部屋は12年をかけて描かれ、ラファエッロの死の後、弟子たちの手によって完成されました。
★おまけ①★「システィーナ礼拝堂」はローマ法王を選出する選挙が行われる場所。煙突からでる煙で市民にお知らせされるという変わった選挙速報が有名です。黒色の煙なら「選ばれず」、白色なら「司教は選ばれた」ことを意味するそうですが、当時の人々は、煙を見て想いを馳せたのでしょうか。
★おまけ②★ヴァチカン市国にある郵便局は旅行者に人気のスポット。ここでしか手に入らない切手は、知る人ぞ知るお土産です。大事な人にポストカードなどを送るのも素敵な計らいになりそう。
サイズこそディズニーシーよりも小さいけれど、ディズニーシーに負けないくらい見どころ満載!歴史や宗教を知っているガイドさんがいればもっと楽しい!イタリアに行くときには絶対に立ち寄ってみてください!
www.veltra.comで見るローマ市内から気軽にアクセスできるヴァチカン美術館。そこに収められる歴代ローマ法王による収集品の数々は世界的に有名なものばかり。システィーナ礼拝堂内に描かれた、ミケランジェロの傑作『最後の審判』を始め、古代ギリシャ時代の彫刻『ラオコーン像』など一生に一度は見学したい作品が満載です。