30歳手前の僕・原点回帰の旅 ~南アフリカ・クルーガー国立公園~ ②

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滞在1日目・初めてのサファリに感動の連続


クルーガーの旅は、香港とヨハネスブルグを経由して、大草原のど真ん中に建つスククーザ空港から始まった。
ヨハネスブルグ発のフライトの時点で横3列のとても小さな飛行機。なかなか乗ることのないサイズの飛行機に搭乗前から気分が高まってくる。



スククーザ空港は、クルーガー国立公園の南部に位置する小さな小さな国内線空港。最近リノベーションがあったらしく、リゾートのラウンジにいるような、小さいながらハイセンスな空港だった。

ホテルへの送迎、手荷物の受け渡しを待つ間も、空港の随所に感じる「アフリカらしさ」に胸のワクワクが止まらない。荷物を受け取ったら、今回お世話になる「SABI SABI BUSH LODGE」のレンジャーに先導され、大きなランドクルーザーでホテルを目指した。

ホテルまではおおよそ40分程度。「道」と呼べるかわからないワイルドな地面を駆け抜ける。心地よく揺れる車両と頭上から降りかかるアフリカの日差しに肌が焼けるのを感じながら、遠く遠くまで続く広大な野生の王国を見渡した。

日本からほぼ丸1日かけて、ついにブラウン管の先にたどり着いたことへの感動は、どう言葉にすればいいだろう。

空港からホテルへの移動だけなのに、さっそくインパラの群れが僕を出迎えてくれた。

今回選んだのは、ネットやガイドブックでも評判の高い「SABI SABI BUSH LODGE」。40年近い経験に基づく力量あるサファリ体験と、時間を忘れて時を過ごせる贅沢なロッジが売りの施設だ。厳密にはクルーガー国立公園ではなく、隣接する「サビサンド私営動物保護区」に位置するため、ワイルドに道なき道を進むサファリにも魅力がある。

ホテルに到着し、笑顔でスタッフに迎えられた先、まず目に飛び込むのはテラスの先に広がる広大な大自然。手渡されたウェルカムドリンクを楽しみながら、2泊3日の滞在スケジュールについて、詳しい説明を受ける。説明を聞きながらも、どうしても外の景色に目が行ってしまうのは、もう仕方がない。

部屋に入り身支度を整えたら、さっそく1日目のサファリの時間。まだまだ暑い時間帯だが、暗くなると寒くなると言われ、半信半疑で上着を持って集合する。

先ほども乗ったランドクルーザーはサファリ仕様に屋根が取り外され、より近くから動物を見ることができるようだ。

生き物を見ても立ち上がらない。絶対に車の外に降りない。声をあげて動物を呼ばない。などのルールを再度確認して、いよいよ出発!

初めてのサファリでは、さっそくビッグ5の1つ、バッファローの群れに遭遇する。小さな子供も一緒のようだ。独特の動物の臭いとバッファローの鳴き声、草が千切れる小さな音を感じながら、しばしバッファローとの対面を楽しんだ。

草食動物たちとの出会いは続き、シマウマやインパラ、クドゥ、ワイルドビースト(ヌー)など、数々の動物たちが仲良く暮らしているようだった。

薄暗くなる頃に、車が停まり「サンダウナー」の時間がスタート。サファリ中で唯一、車を降りて自分の足でクルーガーの大地を歩く体験だ。目的は美しいサンセットを眺めながら、贅沢にワインやビールを楽しむこと。南アフリカのおつまみをいただきながら、地平線に沈むアフリカの太陽と、日が沈んだ後に現れるオレンジと紫を混ぜ合わせた夕焼けを目に焼き付けた。夕方から始まる虫の合唱や、肌に当たる乾いた夜風、顔に似合わずドスの聞いたインパラの鳴き声も、サンダウナーの時間を「特別」なときにしてくれる。

暗くなってからもサファリは続き、今度はヒョウに出会った。肉食動物の狩りは、基本涼しくなった夕方以降。たしかに太陽が沈んでから空気が一気に冷たくなる。レンジャーも僕らも息をそっとひそめ、遠くのインパラを狙うヒョウの歩みをじっと見つめる。ふと空を見上げると、カメラには写しきれない満点の星空。南十字星がキラッと光っていた。

結局、ヒョウの狩りは失敗のようだ。レンジャー曰く、ヒョウのおこぼれを狙っていたハイエナがインパラに気づかれ、寝ていたインパラが逃げてしまったようだ。ヒョウの狩りは深夜まで続くから、この後、僕らが去った後に成功することを願い、初回のサファリを終了する。

真っ暗な中、どうやって帰ったのか、いつの間にかランドクルーザーはホテルに到着。そのまま夕食の時間だ。

晴れた日の夕食は、火を囲んで外で食べる「ボマディナー」。ここでしか食べられないインパラやクドゥの肉をいただき、南アフリカ名産のワインで乾杯する。

こうして、感動の1日目は幕を閉じ、2日目への期待を胸に眠りについた。

<  to be continued ... >

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